第14話 進化しても強くなるとは限らない
撫でるの回復で発生したにしては眩しすぎる光が収まったら、そこに居たのは土トカゲじゃありませんでした。
ってどういう事?
ヤモリぐらい……つまり五~六センチ位の大きさだった筈なのに、光ったと思ったら手の平くらい、つまりニ十センチ位の大きさになっていた。
後、割とつるっとした鱗だったと思うのに、今はごつごつしている。
可愛さダウンかも?
茶色というか、砂色の、ごつごつした大きめの鱗になったのと、尻尾の先に何だか半透明の小指の爪ぐらいの塊が付いている。
「進化したのかもしれません」
鑑定してみて下さい。と白銀が言う。
「【鑑定】」
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『岩トカゲ
レベル1 岩トカゲ(ダンジョンモンスター)』
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と出た。
名前の無いモンスター何かは、種族がそのまま名前の所に表示されるそうです。
「岩トカゲになってるわね」
あなた土トカゲさんだった子よね?
ちょいちょいと指の先で蜥蜴の顎の辺りを突きながら聞いてみる。
「そうなのー! さぶますたーになでられたら、ちからがわいてきたんだよー!」
との事です。詳しく問い質したら、何でも
「【撫でる】の効果って何だろう……?」
困った時の白銀さんって事で、ちらっと白銀に目線を向ける。
「残念ながら僕のデータベースには、【撫でる】に関する項目は有りません」
と、首を横に振られてしまった。あらら。
ダンジョン内の事なら白銀が何でも把握しているのかと思ってたんだけど、どうやら侵入者が来たとか誰かが死んだとか直接ダンジョンに関係の有る事に関しては天の声が表示されるんだけど、個々のレベルアップとかスキル取得何かに関しては白銀は知り得ないんだそうだ。
つまり、大事な事は申告しましょうって事ね。
「美咲。鑑定のスキルレベルを上げると、詳しい事が分かる様になるかもしれません」
と言う事で、振り出しに戻る。スキルレベルを上げるためにダンジョン外に打って出る事になる訳です。
私も、白銀に聞いて
「それで、岩トカゲさんは外に出ても獲物を狩れそうなの?」
進化したとはいえ、まだまだ手の平サイズでは、獲物になる方じゃなかろうか。
「あのねー、しっぽのさきをぴかってひからせると、むしがよってくるから!」
寄って来た所をぱっくり食べるそうです。成る程ねえ。
危なくなったら直ぐにダンジョン内に逃げ込む様に言い聞かせて、そっと送り出しました。
でも尻尾を光らせるなら夜までは獲物を呼べないんじゃないかなあ。
「ナオさん、我々も行きましょう!」
「任せるニャー!」
とは言えレベル1コンビなので、私が鑑定を使って相手のレベルを確認してからとか、退路をちゃんと確保するとか、ダンジョンから離れすぎないとか、心配なんで色々注意事項を並べたら、ナオさんに鼻に皺を寄せられました。
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