第13話 鑑定とは一体何を判定しているのか
色々有ったけど、まだ二日目は始まったばかりなのです。
……事故だから仕方が無い。
「美咲。慣れるまでは【鑑定】を使用する事を推奨します。スキルレベルが上がれば安全かどうかも分かる様になります」
と白銀に言われてしまいました。
確かに、海外旅行に何かでも生水は飲んじゃ駄目って言うのは鉄則だったわ。
「【鑑定】」
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『ホーソーン丘陵の水
ホーソーン丘陵を流れる川の水』
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はい、【鑑定】スキルさん無能も良い所です。
「【鑑定】」
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『美咲
レベル1 人族』
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うん、レベルと種族しか分からない。
「白銀。【鑑定】スキルって全然使えないんだけど、スキルレベル上がると使い勝手が良くなるの?」
この使えない鑑定結果を見続けるのは、割と精神的に宜しく無い。
「はい。レベル3から弱点が分かる様になる筈です」
との事だった。
低レベルの内は割と簡単にスキルレベルが上がるので、小まめにスキルを使うしかない。
それから、同じ対象では二十四時間経っていないとスキルアップしないらしい。
ちなみに魔力は一時間で一割回復するので、余らせておくのは勿体ないとの事。
とは言え鑑定しようにも、ダンジョンの中にはまだ何も無いから、直ぐに全部鑑定済みになってしまう。
「と言う事で、ダンジョン外に出て
宜しいでしょうか、ナオさん。とナオさんの前に正座をしてお伺いを立ててみる。
いやだって、幾ら【格闘】スキルが付いているとは言え、私レベル1なんですよ。一人で外に出たら死有るのみだわ。
ナオさんと二人で出て、弱そうな敵を選んで何とかって感じだと思うのよね。
ちなみにナオさんの鑑定結果は、
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『ナオ
レベル1 猫又』
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となっている。管理者の言っていた猫又になってるからって言ったのは本当だったのね……。
見た目は、何と尻尾が二本になっていました。
受け入れ難くて見ない振りしてたけど。
いやでも、猫又になっちゃったってのが何でよってだけで、尻尾が二本に関しては別に不満は無い。
可愛いが増えただけだからね。
まあ、尻尾以外は大きさも特に変わりは無いみたいです。
ナオさん曰く、爪の切れ味が増した気がするそうですが。
「分かったニャー! ナオさんに任せるニャー!」
獲物の山を築いてやんよ!とばかりに鼻息も荒いナオさんである。
箱入りのお嬢様の筈が頼もしい……。いやまあ、身体は小さ目だけど、運動神経は良かったしね。
「キ、キィー!」
何処からともなくちょろちょろっと出て来た蜥蜴が、自分もとばかりに自己主張の鳴き声を上げる。
外に出て獲物を狩る前に、ナオさんに狩られそうなんだけど、大丈夫かしら? ナオさんの目がキラリと光ってるわよ。
「えぇ~、あなたも狩りに出るの?」
こんなに弱っちそうなのに大丈夫かしら? と白銀に目配せして確認してみる。
ちなみに白銀はダンジョンコアだから外には出れないみたい。
「この周辺に土トカゲが狩れる様な獲物は居ないと思われます」
残念ながら。と白銀が首を横に振る。
「ほら、ね。無理しなくても良いから、白銀とお留守番してて」
良い子だから。宥める様に蜥蜴の頭を指先で撫でる。何せヤモリ程度の大きさしか無いのだ。目がくりくりとしてて愛嬌は有るんだけど。
撫でたらまたぷわわっと光る。撫でるの回復の発動って任意じゃ無いのよね……。
「美咲、土トカゲの様子が変ですよ」
白銀がいきなりそんな事を言い出した。
私は撫でただけなのに、一体何が起こったっていうの?
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