第10話 私は後衛職になりたかったのに
白銀が残り
パンもそのまま地面の上に出現するのは頂けない。
しかし、ちょっと早まっただろうか。もう既に手持ちのPの一割強を使ってしまった。
「残り880Pね……。白銀、これは先に取っておいた方が良いっていうスキルとかあるかな?」
スキル一覧も一応見せて貰ったんだけど、多過ぎてどれを選んで良いのか分からなかったのだ。
白銀は自律型のダンジョンコアだからか、ダンジョンに関する事について、半透明なプレートの様な物に映して映像や文字として見せる事が出来るらしい。
「そうですね、生活魔法等は有ると良いかと思います。攻撃等には使えませんが、点火や灯や浄化等が出来るので便利です。美咲の世界の人は綺麗好きなのでしょう?」
毎日お風呂に入ると聞きました。と言われれば、確かに必要なスキルだと思う。取得コストも100Pと許容範囲だし。
「後は、攻撃系のスキルでしょうか? 運用できる
ナオさんと私はダンジョンマスターとサブマスターだから、ダンジョン外で獲物を倒しても飛び地として認識されるのでDPが取得出来るとの事。但し、獲物の吸収自体はダンジョンに持ち込まないとされないらしい。
それから、ダンジョン外で死んだ場合は蘇生の対象にはならないので、十分注意しないといけないとの事。
「ああ、でもナオ様も美咲も攻撃系のスキルは既に所持している様ですね。それならば、当面は保留にして必要な時に使用すると良いかと思います」
ナオさんは【爪+】で私は【格闘】のスキルを所持しているらしい。
ナオさんの
白銀に聞いた所、DPを増やすには魔素を吸収する必要があるらしい。
ダンジョンを公開して冒険者達が入る様になると、ダンジョン内に滞在するだけでも多少魔素を吸収するらしい。勿論倒せば沢山吸収する事が出来る。
とは言えそれは公開後の事だ。
当面はナオさんと私でダンジョン外で稼いでくるしか無いのである。
「美咲は【鑑定】のスキルも持っていますから、一人なら自分と同じレベルか、ナオ様と二人でなら一つ上のレベルぐらいまでの相手を選ぶと良いと思いますよ」
と白銀がアドバイスしてくれる。
「よし、じゃあ生活魔法だけ取得して、明日からナオさんと一緒に周辺の探索に出る感じかなあ。……ナオさん、それで良いかな?」
よく考えたら帰宅して夕飯を食べて一息付こうとしていた所を召喚されたのだ。しかも週末で一週間分の仕事の疲れも溜まった状態で。
疲れてるし眠いし、本当ならお茶か何かを飲んでほっとしたい所なのだ。Pがカツカツだから出来ないけど。
ダンジョン内(と言っても今はまだ自分がいるこの空間一つだけらしいけど)を見回すと、隅っこの方にローテーブルと座布団と、湯飲みと果物ナイフとガラスの器とりんごが一個有った。
見慣れたあれらは、どうやら召喚に巻き込まれて一緒に付いて来た私の物らしい。
ガラスの器にナオさん用の天然水を注ぎ、自分用の水は樽の中から湯飲みで汲み上げる。
後は座布団を折り畳んで枕にでもして寝るしかないだろう。
「そうそう、言い忘れていましたが、今日から十日の間はスタート記念ガチャが一日一回回せるそうです。ダンジョンモンスターやちょっとした消耗品等が出るそうですよ」
確率は低いがボスモンスターも排出されるとの事。
あのクソ管理人が何を参考にしてシステムを作ったのか、問い詰めたい所だわ。
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