第54ターン 危機、迫る
「何やら凄腕の冒険者とのことでしたが、恐れるに足りませんでしたな! こちらが提供した食事を疑いもせずバクバクと食べて……その中にたっぷりと睡眠薬や麻痺毒が混ぜられているとも気付かずに!! 我々が襲撃に行ったら、家の床でのたうち回っておりましたよ……!!」
「嘘……そんなはず……!?」
(クラッドさんが……負けた?
村長が語った事実が受け入れられず、オルファリアは混乱の渦中へと突き落とされる。……だが、震度を増す己の心の揺れと向き合っている暇は、彼女には無かったのだった。
「ふふふふ……この期に及んで恋人の心配とは健気なお嬢さんだ。ですが、彼氏の心配ばかりしていていいのですかなぁ? ふふふふふふ……! そのいたいけな顔がこれからどのように泣き叫んで――いつ諦めて快楽に蕩けるのか、今から楽しみですぞ!! なあ、皆!?」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおお――――――――――――っっ!!」」」」」
「…………えっ……!?」
村長の煽りに神殿がビリビリと震えるほど咆哮する
(そ……そうっ。さっきこの人たちは、クラッドさんも『お楽しみの真っ最中』って言ってたじゃない!
極論を言えば、自分たち以外の全ての者を略奪の対象とする
ただ、それを一概に「
――捕らえた異性を、同胞たちと輪姦するという文化・風習が。
(か……
労働力……或いは性欲の捌け口として。
村長の説明を信じるなら、今クラッドはその役割を
「な……何でそんな真似を!? 皆さんの中にも、好きな女性や愛する奥さんが居る人が居ますよねっ!? その人たちが同じ目に遭ったらと、そう考えたことは――あ……」
(……
――村長の本当の意味での妻ではなかったのだと、オルファリアは思い到る。故に、この場の男たちに伴侶の女性に対する貞節を説くのも無駄だと思い当たった。彼らには、同胞の女共がクラッド相手に楽しんでいることを咎める空気など無く、また、同胞の女性たちに配慮してオルファリアを犯すことを躊躇する者も皆無。それが
数十人もの男たちの爛々と輝く眼が、オルファリアの貫頭衣型の法衣に包まれた肢体を映す。一四歳を装う実際は一二歳の少女の、細く小柄な体躯の中で、それでも分不相応に発育した胸の膨らみやお尻の丸みに、特に欲望に滾る視線が絡み付いた。
「……ひっ……!?」
オルファリアの喉から小さく悲鳴が漏れ、奥歯がカチカチ鳴る。如何に本性が
蒼ざめて震えるオルファリアに、
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