第55ターン 脱がされ、開かれ、覗かれて
「ふふふふふふふふっ……! やれぃっ!!」
村長から命じられ、この場の男共の中で特に体格の良い二名がオルファリアに迫る。彼らはオルファリアの両脇に立つと、各々彼女の左右の脚を摑み――それを軽々と抱え上げた。
「にゃっ!? ――きゃああああぃぃやぁぁああああああああああ――――――――っっ!!」
左右それぞれの方向へ脚を引っ張られ、持ち上げられた結果、オルファリアは大開脚状態で宙吊りにされることとなった。法衣のスカート部分がめくれ、Vの字を描く両脚の付け根さえ露わになるが、頭上で枷に囚われた両腕ではそれを隠すことも叶わない。穿いていたのがショーツではなく、ビキニアーマーのボトムスだったのがせめてもの救いか……?
(で……でも、面積的にはショーツとほとんど変わらないよぅ……!)
革の装甲からはみ出る自身のヒップラインへと、股間の土手の稜線へと
……その上、相手が邪教の狂信者共である以上、この程度で済むはずもなかった……。
「……邪魔ですな」
村長がオルファリアを指差し、朗々と祈りの言葉を紡ぎ上げる――
我らが主へ
偉大なる平等と奪還の祖神・アーネル様へ求め訴えます
正しくは我が物たるべき富を取り返す為
その力強き
「――《
「っっ!? ……ふぇっ……!?」
オルファリアは一瞬、自分の全身を不可視の何かがまさぐる感覚に囚われた。それが去った直後、今度は不可解な解放感を覚える。……その理由を、彼女は村長の手の中に見た……。
「ふむ……金属部分は真鍮。大部分を占める革は……オーク革ですな。なるほど、彼の
村長が鑑定しているのはビキニアーマーの上下一式であり、そのデザインはオルファリアには大変見覚えがあるものであった。
(……た、『他者の持ち物を自分の手元へと引き寄せる魔法』――そんな術式は、
それを使われて、装備していたビキニアーマーを奪われたのだとオルファリアは理解する。……そう、理解してしまったのだった――
「………………んぇっ!?」
トップス――ブラジャーはまだいい。締め付けから解き放たれたオルファリアのFカップは動悸にすら連動して微かに弾むものの、一応は法衣の下に収まっているのだから。けれど――ボトムスの方は? V字大開脚状態で、スカートさえも大きくまくれ上がってしまっている今のオルファリアが、ビキニアーマーの下を失ったら……どうなるか?
――
「??!!!?!?!!!!」
(え? 待って……待って、待って待って待って! わたし、今、下半身、何も……!? ア、アソコ……丸、見……ぇ……!? ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっ!!)
……
(……わ、わたし……もぅ……お嫁……に……い、行けない……よぅ……)
羞恥の熱で茹だる脳で絶望を味わい、引き結んだ唇を震わせるオルファリアの頬を涙が伝う。年端もいかない少女の尊厳を踏み躙り――しかし、邪教徒たちはこの程度ではまだ止まらない。
「一切生えていないとはいえ、ピッタリ閉じていて見え難いですなぁ。――お前たち! 開いてしまいなさい!!」
村長のさらなる命令に、オルファリアの両脚を抱え込んでいる両名が、その指を彼女の大切な大切な部分の左右に添える。
――ソコまでもが、右と左へ思い切り引っ張られた。
「っっぃぃいやぁぁああああああああああ駄ぁぁ目ぇぇええええええええええええっっ!?」
声の限り絶叫された拒否の訴えも空しく、くぱぁ……と御開帳されてしまうオルファリア。蝶の翅のように限界まで広げられ、何もかもを曝け出してしまっていた。
……もう一度言う――何もかもを、である。
「ふふふふ……ん? ……んんっ?」
真正面からオルファリアの中心部を眺めていた村長は、そこでふと何かを見咎めた風に目を細めた。オルファリアを抱え、『くぱぁ』させている巨漢たちにその状態の維持を仕草で命じると、彼女の前で身を屈め、問題の箇所と目線の高さを合わせる。
「……っ…………っ……っ……!?」
オルファリアはもう、首から上が融点を超えそうなほどに赤熱化していて、声も出せない。
村長は篝火が存分に燃えるこの場にあってさえ「《
振り返った村長は、
「同胞諸君、ここに来て恐るべき事実が判明しましたぞ! 今宵の我らが贄は――処女だぁぁああああああああああああああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」
「「「「「ぅぅぉおおああああぁぁああああああああああ~~~~~~~~~~!!」」」」」
「…………っっ!?」
村長から為された「オルファリアは初物❤」の暴露に、
(だ、だって……わたしが……
――要するにそういうことだった。
(っっっっ!? み、みみみみ見見見見ら見ら見ら見ら見られわたし自分でも見たこと無いのにそんな恥ずかしい所覗き込まれて男の人にばっちりしっかり見見見見られたっっっっ!?)
……純潔の証を。その色と形状を。今日初めて会ったばかりの夫どころか恋人でも何でもない……むしろ敵と言っていい男性に。見られ、観察され、詳細に把握された。……オルファリア自身さえ知らないことなのに……完全完璧に。
「っっっっっっ~~~~~~~~ッッッッッッッッッッ――――――――――――――!?」
羞恥心という領域を超えた、爆発的な、衝撃的な感情に、オルファリアは自分という人格が崩壊してしまいそうだった。
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