第47ターン 《お前がママになるんだよ》
この身に宿りし
我が意に従いて女の
子を育む宮にて
新たな生命の礎となれ――
「――《
「あっ、あっ、あはぁっ………………んぇっ!?」
瞬間――メイリンは自身の下腹でドクンッ……と強い脈動を聞いた。熔けた鉄が渦巻くような熱を感じ、自分の中で何かが急速に、決定的に変容したことを覚える……。
魔法使いであるメイリンは、その原因がクラッドの使った魔法だと察した。
「ちょ……何……? クラッド……何、したの……?」
「何、こないだ遺跡で見付けた魔法を試しただけだ。――『強制オメデタ魔法』」
「………………えっ?」
真っ赤に蕩けていたメイリンの顔面が、瞬時に蒼く凍り付いた。
「
そのような現代では存在が失われた古代の魔法を『
「さっき、オルファリアの話にも出たマンティコアな。ああいう『複数の生き物の特徴が混在する魔獣』は、その古代文明が実験動物や生物兵器として作った生き物らしいぜ。そして、今使った魔法は、それらを生み出す為に使われてた魔法だそうだ。……哺乳類と魚類とか、爬虫類と昆虫類とか、本来は交配させても子供なんて作れねぇ生き物同士の組み合わせでも、強制的に子供を誕生させられる……そんな魔法らしい。面白ぇだろ?」
クラッドの楽しげな解説が脳へ刻まれていくにつれ……メイリンは危機的状態を悟る。
本来子供を作れるはずがない生き物同士の交配でも、子供を誕生させてしまう魔法――それを、元から間に子供が作れる者同士に用いればどうなるか?
「……ま、待って! お願い、ちょっと、早く……や、やめてぇっ!?」
「――おらっ!」
「んはぅっ!?」
行為の中断を頼んだメイリンへ、クラッドは真逆の突貫を喰らわせる。――それを初撃に、クラッドは二撃目、三撃目とメイリンへ刺突を打ち込んだ。
……メイリンの焦りとは裏腹に、彼女のカラダは嬉しそうにビクビクッと跳ね回る。
「あっ、あっ、やっ、ぃやぁっ! お願っ、待っ、お願っ、ほんとに今は駄目ぇっ!!」
普段の、クラッドに弄ばれている最中でさえ剝がれなかった気丈さをかなぐり捨て、涙まで零して行為の中止を頼み込むメイリンだが、クラッドの側は何処吹く風だった。
「いいじゃねぇか。アニエももう三歳なんだろ? そろそろ弟か妹を作ってやろうぜ? ――まぁ、パパが違うけどなぁ」
「いやぁぁああああああああっっ!?」
余計に激しくなるクラッドの動きに、メイリンは世の終わりのように泣き叫ぶ。
体勢は、今も仰向けのクラッドの上に、こちらも仰向けのメイリンが重なる形だ。メイリンはいくらでも逃げられそうに思えるが……この体位へ持ち込まれた段階で、メイリンは腰が抜けていたのである。そこからさらに行為を繰り返されて……とうに彼女の腰から下は、自分の意思では全く動かなくなっていたのだ。……そのような状態では、メイリンが自力で今の局面を打破することなど出来ようはずがない……。
「は、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あん、あぅ、はっ、はぁ、あ、あ、ああ、あっ……!!」
メイリン自身の脳からの命令には全く反応をしないくせに、彼女の身体はクラッドが恵んでくれる刺激には即座に反応し、腰を浮き上がらせてしまう。
もう、己の力で脱出が叶う目は無い中、メイリンに出来ることはクラッドへ哀願するのみであった。
「許、してっ、流石、に、ガスにっ、ばれ、ちゃぅ……!!」
「ん? ああ、確かにオレは
「ひ、あ、あ、ぅあ……ぃああああぁぁああああああっっ……!!」
クラッドの根拠無き主張に、メイリンはいやいやと首を横に振る。
「……そういや、アニエはドワーフの特徴は表れてねぇけど、髪と目の色はガストムそっくりだったか? じゃあ、今度の子供の髪と目の色がガストムの焦げ茶じゃなく、オレみてぇな黒と金だったら、エルフでもガストムの血を引いてねぇってバレちまうな」
「ぃやぁぁああああああああああっ!? 無、責任、な、ことっ……言わない、でっ!!」
「
冷酷に言い捨てて、クラッドの運動はより加速していく……。
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