第46ターン メイリンの本音
「やっ……ぁ……っ……!? ふ……太いぃぃ……っ……!!」
女性は、正面からよりも後ろからの方が深い位置にまで届くという俗説がある。少なくともメイリンはそうだった。内臓を押し潰されるような圧迫感に、メイリンは口をパクパクさせる。
「さあ、動くぞ、メイリン」
「やっ、いやっ、こんな犬みたいな格好――ああああっ!?」
メイリンの制止に聞く耳を持たず、クラッドは彼女の細腰を摑んで動き始めた。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……あっ、ああっ、あんっ、あぁっ!」
元々真っ最中だったとはいえ、小休止を挟んだとは信じられぬ早さで二人の身体の熱は高まっていく。シーツを握り締めたメイリンから、泣き声のような吐息が零れ落ちた。
「ひぁっ!? あひっ、あひぃっ、あひぃぃんっ……! そ、そこ駄目ぇ、あっ……❤」
「相変わらずここが弱ぇよな、メイリン。こっちはどうだよ?」
「ぅひぁっ!? やっ、やぁっ、ぃやぁっ! おかしくなるからっ……ぁひぃんっ……❤」
クラッドが動きを小刻みに変えて、メイリンを翻弄する。メイリンの声は鼻に掛かり、媚びるような音程を増やしていった。
二年間の関係で、メイリンのツボは完璧にクラッドに把握されているのである。……それどころか、彼によって開発されたモノさえあった。それらを手加減無く責めるクラッドの攻勢に、メイリンは急速に、否応なく高まっていく……。
「あっ、あっ、あ、あ、あ、あ、ああっ、ああああっ、ああああああっっ……❤」
「おらっ、観念しちまえ、メイリン!!」
「あ、ぁひっ…………ッッッッ――――――――っっっっ~~~~~~~~~~ッッっっ❤」
シーツに顔を埋め、くぐもった嬌声をメイリンが上げた。彼女の細い首筋、背筋、腰、お尻が、さざ波のように細かく痙攣する。
それを面白そうに見下ろしながら、クラッドはメイリンの痙攣が収まらぬ内にその肢体を抱え上げ、今度は自身が仰向けに寝転がった。
そんな彼の上に、メイリンも仰向けに身を委ねる姿勢となる。
「……それにしても、オマエ、本当に胸無ぇよな。仰向けになると本気で見当たらねぇ」
「よ……余計なお世話よっ……」
「でも、反応が良くて、オレは好きだぜ」
「あぅんっ……❤」
クラッドがメイリンの耳元へ囁き、彼女のその反応が良い部分を指で弾いた。電流を流された如く、メイリンの全身が跳ねる。
「んっ、あっ、んあっ、んんっ、ひぁんっ。……そ、そんなクリクリされたらっ……❤」
蜂に刺された如く腫れているメイリンのそこを、クラッドは容赦なく指先でこねる。敏感極まりない部位からの甘過ぎる刺激に、メイリンの震えが止まらない。
そこへ――クラッドは腰から下の動きも再開する。
「――あんっっ、あっ、はっ、はぁっ、くふぅっ、くひぃっ、あはぁんっ!」
ガスンッ、ガスンッと打突され、メイリンが喉元を露わにして喘いだ。
「あっ、あっ、ひぁっ、ひゃあっ!? 腰……力……入らないっ……あぁんっ❤」
……こうなっては、メイリンも今夜は抵抗の気力を折るしかなかった。後はクラッドの気が済むまで、好きに弄ばれる供物となるしかない。そう決めてしまうと、ゾクゾクとする感覚がメイリンの奥から這い出してきた。それは、
(そうよ……あたしだってほんとは気付いてる。自覚してないふりをしてるだけ……)
メイリンの心の何処かで、暗く歪んだ独白がされた。
(クラッド自身は好きじゃない、愛してる
「あ、ああっ、ああっ、あはっ、あはぁっ! はひゅぅっ、ひんっ、はひぃんっ……❤」
(クラッドとのこれは……とっても……気持ちいいのっ。とてもじゃないけどっ、あたしからは、やめられないのっ! ごめん、ごめんね、ガス……!!)
「ああっ、うぅんっ、ぃぁああぁぁんっっ……❤」
……メイリン自身、心の裏側では解っているのだ。自分がクラッドとの関係にハマっていることに。
一心に禁断の果実を貪るメイリンに、しかし、今夜のクラッドは一味違っていた。……或いは、先程までの問答が、やはり癇に障っていたのかもしれない……。
クラッドは『その魔法』の詠唱を開始した――
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