第14ターン 天国イキの門
「ひくぅっ!!」
跳ね上がりそうになったオルファリアの腰が、マンティコアの膂力で押さえ込まれた。
一舐めでこの好反応。サキュバス故に、オルファリアの感度は極端に高いのかもしれない。……何にせよ、彼女のこのリアクションは、マンティコアを調子付かせるには充分だった。
レロ……レロッ……レロレロッ……レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロッ……!
「ひゃっ!? きゃぅっ!? ひんっ、あっ……! やっ……ま、待って……そんなっ……あっ、あぅっ……あ、あっ、ああっ、あっ……!!」
オルファリアの両太股の付け根に頭を寄せたマンティコアの尻尾が、ご機嫌に左右に揺れる。最初は「駄目っ」とか「嫌っ」とか戸惑いと拒否を帯びていたオルファリアの声音が徐々に弱々しくなり……いつの間にか「駄目ぇ……❤」とか「いやぁん……❤」とかいう媚びた響きを含み始めた。
「ん……んっ……!? 駄目ぇ……駄目なのっ……こんなこと……あっ、あっ……!」
オルファリアの指がマンティコアのなけなしの頭髪を摑み、プチプチと千切るが、その程度のことでは翁の顔の魔獣は最早止まらない。
「わ、わたし……冒険、者……なのに…………
オルファリアの口から、温度の高い吐息と共にディアス、ロレンス、ピリポたちへの罪悪感が呟かれる。彼女の肩がピクッ、ピクンッと震えるのは、仲間の仇に弄ばれる悔しさからか、それとも……?
「ああっ、あっ……あぁっ……! お……お願い……許してぇ……。わ、わたしっ……こんなの……初めて、だからぁ……!! そ、そんな所……誰にも、触らせたこと……無かった……の……にっ……ふぁぁっ……あっ……あんっ……❤」
思わずといった風にオルファリアから為された「初物❤」の
――そんなことを告げられて、止まる男が居るわけがないのだから。
当然、マンティコアも……。
レロッ……レロッ……チュッ、チュッ……チュパッ……レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロォッ……!!
「あっ……!? あひゃっ、あひっ……あっ、あぁんっ、あひゅんっ……んっ、んんっ……あっ、ぅんっ……ああっ、あっ、あっ、あぁっ……きゃふっ……きゃぅんっ、きゅぅぅ……んっ❤」
マンティコアの首から上がますますオルファリアの左右の腿の根元へと肉迫した。密着状態に陥ったマンティコアの顔面とオルファリアの下肢中央部から、絶え間なく湿った音が漏れる。……オルファリアは口を金魚のようにパクパクさせ、次に耐えるように唇を噛み……ついには堪えられなくなった様子で、甘々に蕩けた喘ぎ声を上げ始めた。
「……あぁ~!? あぁああ~! やぁああっ……ひぃやぁああああああ~~~~んっっ❤」
オルファリアの華奢な肩がピクピクンッと、白磁の乳房がプルプルンッと踊る。宝石の粒の如き乳首はツンツンに尖り、首から上は耳の先まで完熟苺の色に染まっていた。半開きの鳶色の瞳には涙の膜が張って、トロンと焦点も定かではなく、虚空を見詰めている。
それは、初めての口付けに夢見心地になっている乙女の姿に他ならなかった。突如、下のお口に訪れたファーストキスの時。夢見るようなそれにオルファリアはメロメロになっている。
「あっ……うんっ……はぁっ、うぅんっ……! あっ、あっ、あっ、あっ……あぁっ……❤」
オルファリアの両手は未だマンティコアの頭部を押し退けようと儚い抵抗を続けているが、とっくに力が入らなくなっているそれは、相手の禿げ頭を愛おしげに撫でているように見える。彼女のお尻の下の辺りでは、洞窟の地面に甘酸っぱい水溜まりさえ生じ始めていた。
……オルファリアに限界が迫っていることは明白である――
「――あっ……❤」
刹那、オルファリアが一際高い声を上げた。
「ひっ……ぁ……!? ゃ……ま、待って……駄目っ……それだけ……は……あっ……❤」
オルファリアの全身にさざ波のような痙攣が走り、喘ぎ声の熱量が一段と高まる。
「駄目ぇっ……お願い、許してっ……ク、クるの……キちゃうのっ……ふ、ぁぁっ……❤」
自分がイクところまでイこうとしていることが、オルファリア自身にも悟れてしまったのだろう。どうにかそれを抑えようと身をくねらせるが……そんなことで止められる領域はとっくに過ぎ去っていた。
「ふぁぅ……ふぁぁぅっ……! ご、ごめん、なさいっ……堪忍、してっ……ナートリエル様……お救い、下さっ……!! た、す、けてぇ……お母さっ…………あっ……ああっ……❤」
冒険者として
「……ひぃっ……くぅっ……クぅっ……イクぅっ……! ぃ、イっちゃうのっ……キちゃう、のぉっ……! 凄い、のっ……こんなっ……知らなっ……凄っ、しゅごいのっ……本当にぃっ、キ、ちゃ……ああっ!? クるクるクるキちゃキちゃキちゃぅしゅごしゅごィクイクイクイクッ――――――――っっっっっっっっっっ~~~~~~~~~~~~ッッッッッッッッッッッッ――――――――――――――――――――~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~❤」
オルファリアが上げた絶叫は、途中から意味無き音の羅列と化した。サキュバスの
稀に見る盛大な艶姿を披露したオルファリアだが……彼女の試練はここまで至っても終わりはしなかったのである。ここに来てさらに湧き出した彼女の蜜を吸い上げるべく、マンティコアはより丹念に舌を駆使し始めたのだから……。
「っっっっ~~~~~~!? ッッッッッッ~~~~~~~~!! っっっっ――――――❤」
昇天中に極甘の追撃を喰らったオルファリアは、抗う術無くもっと上の次元へと押し上げられる。臨死体験のような意識の拡散を覚えながら、彼女は女性としての天国イキの門を開き、それを潜ったのであった……。
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