第13ターン パン(ツ)は食べ物
「ちょ、待っ……!? と、止まりなさいっ! ――止まってぇっ!!」
オルファリアが金切り声を上げるが、皮肉にも魅了が効き過ぎたマンティコアは、最早彼女の声にも聞く耳を持たない……。
尻餅の姿勢のまま後ろへ這うオルファリアへ、発情したマンティコアが突撃した。
「ひゃああああっ!? やだっ、そんな所に首を突っ込まないで!!」
脇目も振らず、マンティコアの爺面がオルファリアの両脚の間へ突っ込まれた。サキュバスの少女はポカポカとマンティコアの禿げ頭を叩くが、相手は全く意に介さない。太股を全力で閉めてマンティコアの突入を阻もうとするオルファリアだが、獅子の四脚を踏ん張った向こうの方が力は強く、じりじりとマンティコアの頭部は奥へ進んでいく……。やがて――
「ひゃっ!? ――ぅあうっ!?」
ビィィィィィィ――――ッッ!!
……布地が裂ける音が土壁に反響した。オルファリアの下半身を空気の冷感が撫でる……。
「……ひゃ、ひゃうっ!? ……う、うぇぇ……!?」
身に纏っていた最後の布……ショーツを引き剝がされたオルファリアが、慌てて股間に両手を当てる。……が、肝心のショーツの行方は? 彼女は無意識に
「……ひっ!? ひ、う……!!」
――自分の鼻先数cmの所に見付けた。……正確には、元はショーツだった千切れた布切れを咥えた、マンティコアの顔面を。そして……。
――はぁむっ。モグモグ……ムシャムシャ……ゴクンッ!
「……は? え? ………………っっっっっっっっ~~~~~~~~~~~~~~~~!?」
……自分の穿いていたショーツだった物が、汗とか体臭とか、それ以上に恥ずかしいものも染み付いていたかもしれないモノが、マンティコアに頬張られ、良く咀嚼され……嚥下されたのを、オルファリアは至近距離から目撃した。
「……わ、わたし……パンツ……食べられ……え? えっ……!?」
目をグルグルと回し、断片的に呟くしか出来ぬオルファリア。頭からは湯気さえ上がりそうな様相である。……彼女の状況を慮れば、当然の反応――だが、些か無防備過ぎた。
――直近に、彼女へ欲情真っ盛りの野獣が居たのだから……。
「んぬぅぅぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお~~~~~~~~~~っっ!!」
「……えっ? きゃっ――いぃやぁぁああああああああああああああああああああっっ!?」
マンティコアの前肢が、オルファリアの両脚を強制的に大・開・脚・☆ 股間を覆っていた両手も、頭突きで跳ね除けられる。
見事にご開帳と相成ったオルファリアの大事な所は……彼女の名誉の為にも具体的な描写は避けるべきだろうか? ……その不毛の度合いが、マンティコアの頭以上とだけ。
――おかげで、マンティコアの目には何もかもが良く見えていた。
「いやああああっ!? きゃああああああっ! 離してっ……! 見ないでぇぇっ!!」
マンティコアの体重が掛けられ、一八〇度近い角度に押し開かれたオルファリアの両脚は、どれだけ力を籠めようと一mmも動かない。彼女が大声を張り上げ、翼や尻尾をバタつかせても、老面の赤獅子を退かせることは叶わなかった。
オルファリアの抵抗など
「いぃやああああああっ!? 嗅がないで! そんな所嗅いじゃ駄目ぇええええええええ!!」
薔薇色のセミロングヘアを振り乱し、オルファリアが泣き叫ぶ。目尻から飛んだ涙の粒が、流星のように宙へ弧を描いた。
オルファリアの悲鳴をBGMに、マンティコアが舌なめずりする。唾液を大いにまぶされ、ヌメヌメと照る肉厚の魔獣の舌が……オルファリアの大切な一筋へ――
――レロンッ。
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