事件簿7 洪水事件
一般的に、人々は困っている事の解決を神さまにお願いする。
日照りで困っていれば、雨を降らす。
暑さで困っていれば、涼しい風を起こす。
寒さで困っていれば、温かい日差しを上げるなど。
しかし、砂漠地方で喉が渇いたとなれば、井戸などで飲み水を渡すと考えるのが普通。
しかし、ともえ様は普通ではない。
飲み水はどれだけあっても困らないと思ったらしく、
豪雨と言ってもいいほどの雨を一気に降らせた。
砂漠は水を吸って、どんどん湿っていく。
降ってくる雨を飲み、感謝の念が届けば、一層の感謝をもらうべく、さらに雨を降らせる。
いつしか、砂漠はたっぷりの水をもらい湖と言ってもいい風景になってしまった。
砂漠に水が豊富にあり、その水を蒸発して元通りにならないように砂漠に常に雲があって雨を降らせるように組み替えた。
そう、ともえ様がやったのは、飲み水を与えることではなくて、気象制御…気候改変だった。
その後、そこに住む者達は、元通りにしてほしいと願ったが、元に戻ることはなかったという。
*
せっかく雨を降らせて感謝されたのに、元に戻ったら元通りじゃない。
そんな面倒くさいことはしません。
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