事件簿8 温泉事件

とある平面世界に召喚された異世界の男が願った。


『温泉に入りたい』


ともえ様は、その願いを叶えてあげることにした。


しかし、その世界には火山はなく、普通の方法では実現不可能。


地下水をマグマで熱したものが温泉になる…と思ったともえ様は、


よりによって、平面世界に穴を開け、マグマを突っ込み、上から水をかけた。


…強烈な水蒸気爆発が起こった。


それは、底が抜けてしまったヤカンのようなものだった。


もちろん、平面世界が被った被害も甚大だった。


その日から、村が消え、町がなくなり、国が見えなくなった。


森が陥没し、湖の水がどこともなく消えていき、丘も山も平野に変わっていった。


平面世界は、板の上にある世界を指す。


つまり、火山がある訳がなく、そこに穴を開ければ、周囲の空間がそこに落ちていくことになる。



*

あら、あの世界。

いつの間にかに無くなってしまったわ。

私も温泉に行こうかしら、

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