事件簿6 時間逆行事件

とある世界で過去を悔やんでいた者がいた。


あの時、こうしていればとか


この時、こっちを選択していればとか。


その者は祈った。


今を忘れ、過去に戻れば今よりももっと良くなるのだと。


ともえ様は、と言うことで、力を貸すことにした。


過去に戻す代わりに、今の記憶を無くす。


気に入るまで何度でも。


結果、未来を忘れているため、何度でも同じ行動をするし、


何度でも同じ選択をする。


何度でも同じ未来になって、


何度でも神に祈る。


ともえ様は、しばらくして思った。


面倒くさい。


自動応答にしようと。


結果、忘れられた者は、他の神が異常な状態に気がつくまで、同じ過去と同じ未来を行ったり来たりしていた。


身体はともかく、魂が著しく消耗していたのは仕方が無い。


*

あら?

そんなことがあったのね。

すっかり忘れていたわ。

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