第8話「繋がる」
「ねえ、静流」
ある夜、私はある事を思いつき、静流に相談してみる。静流もきっと、よろこんでくれるお願いだ。
「どうしたの? もう眠いんだけど……」
そう言って目を擦る静流は、既に身体を左右に振り、今にも寝落ちして倒れてしまいそう。そういう些細な仕草が、やっぱり可愛い。
「うん、前に私の愛が足りない。もっと感じたい。って言ってたじゃない。だから、一つ思いついたんだ」
私が自信満々に胸を張るが、静流は眠いのを早く何とかしたいようで、ムッとしてしまう。
「早く教えてよ~、ここで寝るよ?」
それはいけないと私は慌てて提案をまとめる。
「今日から一緒の布団で寝よう。抱き合って」
私がわざと耳元で囁くようにそう言うと、静流はビクリと身体を硬直させ、次第に頬を赤くしてしまう。これは、結構いい反応だ。
「い、良いよ。一緒に寝る」
そう言って静流は私に両手を伸ばし、寝室への誘導を促す。私はそれを取り、二人で寝室に向かう。これまでは布団を一人一枚使っていたが、今日から二人で一枚か、ちょっとドキドキしてきた。
「じゃあ、おやすみ」
「うん、おやすみ」
私たちは互いに言い合い、抱き合う。人の温もりはやはり素晴らしく、ほっとする感覚があった。それと共に、鼓動がふたつ聞こえる。私のと、静流の鼓動。どちらも早く、今日はすぐには眠れそうにはなかった。
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