第7話 奇っ怪山の未確認生物たち
「女友達から、未確認生物の新情報ゲットしたぞ! だから直樹、発見の旅に付き合ってくれないか、明日19時、その打ち合わせで、いつもの居酒屋で待ってるから、ヨロチクね」
帰宅途中、浩二からこんなラインが入った。
本当に驚きましたよ。
何がって?
それは未確認生物の新情報ではなく、浩二が言う『女友達』です。
だいたいヤツは定職に就かず、未確認生物をずっと追っ掛けてきてます。
お前は馬鹿か、働け! といつも言ってやってるのですが……。
だけど学生時代から付き合ってきた友ですので、ここはちょっと持ち上げて浩二を評すると、刀一本の野武士かな。
反対に
いずれにしてもそんな友人が――、女友達だって。
私は思わず叫んでしまいました。
「信じられな~い!」
一方私はまじめが得意の貧乏サラリーマン。
だけれども、結婚を夢見てコツコツと貯金してるぞ。
それなのに俺には女友達なんていな~い!
一体世の中、どうなってんだ!
この世に縁結びの神っているのか! と愚痴ってみても、余計に面白くなくなるだけ。
されどもここでちょっと思考を巡らせば、浩二と私は友達。
ということは、浩二の女友達は、友達の友達ってことじゃないですか。
割に近しいじゃんと思い至り、「新情報を肴に一杯飲むか」とラインで返しました。
翌日時間通りに居酒屋に入店。
するとですよ、すでに個室で、浩二と女友達が生中を仲良く呷ってました。
ムカッときましたが、彼女がどんな女性か興味もあり、「ヨッ、久しぶり」と二人の前に座りました。そこからは私もビールを注文し、胃に給油しながら一通りの挨拶をしました。
これが終わり、浩二はデレデレ眼差しを彼女に向け、馴れ馴れしく催促するじゃありませんか。
「未確認生物の新情報交換会、というか、そのコンパで気が合っちゃったんだよな。さあ、直樹に新情報を話してやってくれないか、
そこで私は、ブッ!
思わず口に含んでいた黄金色の液体を吹き出してしまいました。
確かに彼女は細身/色白/上品で浩二にはもったいないほどの
おいおい今は江戸時代じゃなく令和、気は確かかと、私は口を半開きにしたままでいますと、娑羅姫なる女性が自己紹介をしてくれました。
「直樹さん、初めまして、私は
さらに姫なる女性は浩二のデレデレ眼差しを無視したまま、淡々と続けてくれます。
「祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり、……、そのうんぬんはご存じですね。その沙羅双樹が奇っ怪山にはたくさん生えてるのですよ、その花は一日だけ咲き、落花します。それと同じように猛き者も儚くも滅びて行きます。これが森羅万象の条理、ですよね」
なんと知的かつ奥行きが深いお話しでしょうか。私は思わず「意義ございません」と同意致しました。
すると娑羅姫は瞳をキラキラさせ、「さあれどもですけどね、奇っ怪山には太古の時代から進化をし続け、しぶとくこの令和の時代を生きる――、皆さんにとっての、いわゆる未確認生物がたくさん生息しているのですよ」とさらりと紹介してくれました。
その結果、こんな奇妙奇天烈なお話しに、私の脳は発火。
その後すぐに「未確認生物の新情報、興味あります」と思い切り顔を前へと突き出しました。
が、ですよ、浩二はその横で腕を組み、「うーん」とただただ目の前の唐揚げを睨み付けてるだけでした。
これじゃここで話しが終わってしまいそう。そこで私は「例えば、どのように進化した生物がいるのか教えて下さい」と熱意満々に、そのついでですが、男らしくビールをグビグビと飲み干しました。
この効果があったのか、浩二の女友達、いや娑羅姫さまは次のようなことを女性としての慎みを崩さず語ってくれたのです。
奇っ怪山は20億年前に海底から隆起しました。そして日本列島が2000万年前に大陸から分離、それと同時に現在の形になったのですよ。
深い谷にはその名残があります。
それは『
ここに封じ込められた海の生物たち、その後たくましく進化しました。
つまり池を捨て、陸に上がり、生きる場を山に移したのです。
だから山深く入って行きますと、沙羅双樹に吸い付いた山ダコ、岩穴に入り込んだ山ウツボ、葉っぱをとにかく切り刻む山カニなどがいます。
それらは愚直に生命を繋ぎ、そして幾星霜を重ねた果てに、そう、幸運にも今に至ったと言っても過言ではないでしょう。
娑羅姫のこの語りに、私はおったまげ、「タコもウツボもカニちゃんも……、ファンタスチック! いや、アメージング!」と、どちらがこの場面で正しい表現なのかわかりませんが、何はともあれ上擦った声を上げてしまいました。
されども姫さまはさらに淡々と、鈴が鳴るような声で囁かれるのです。
「だけどね、大潮というか、満月の夜に、海の塩っ気を恋しがり、池に飛び込んでくる
私はいいようにじらされました。
がですよ、それがどことなく心地よく、答えとしてきっと妥当であろう「イルカちゃんかな」とクイック・レスしました。
すると浩二の女友達・魔界平娑羅嬢はフフッと鼻で笑い、「その子は――コウ――なんえ」と。
コウ?
コウって、そんなやつ、海の生物にいてたかなと頭を巡らしましたが、思い浮かびません。
そこで「お姫さま、質問! そのコウってヤツ、和名で何て言うのですか?」と訊きました。
すると「コウって和名よ、漢字で書けば親孝行の前の
そう言われましてもね、私には思い浮かびません。そして事ここに至れば、「ビール、もう一杯注文します」と間を取るしかありませんでした。
こんな事態に陥った私を見かねたのか、浩二が「いいか、直樹、『孝』という漢字を分解してみろ」と助言してくれました。
そこで私は箸に醤油を付けて、テーブルにゆっくりと書いてみました。
「オッ、オッ、オー!」
私はまず1オクターブ低い発声をし、それから店内に響き渡るほど叫んでしまったのです。
「『孝』って、――、土・ノ・子、――、でっか?」
かくして私は驚き桃の木山椒の木状態になってしまったわけですが、姫さまは落ち着いた調子で、「そう、ツチノコです、『孝』、つまりコウは雪花風月を好む落人たちの……、趣き言葉なんですよ」と柔らかく微笑んでくれました。
「そうなんだよ、直樹、俺は学生時代からツチノコを追っ掛けてきたけど、ここは千載一遇のチャンス。なあ直樹、満月の夜に山頂からの
ここまで『孝』で盛り上がってしまえば、嫌だとは言えません。
「ヨッシャー! 元・未確認生物発見同好会の浩二会長のご要望とあれば、姫さまのエスコートでお伴させてもらいましょう」
私はついつい調子に乗って、こんな事を吐いてしまいました。その上にグラスを浩二のグラスにカチンと、とどのつまり『孝』に出会うことを祈念しての乾杯!
こんな成り行きに娑羅姫は「私どもの奇っ怪山に来ていただくことは嬉しいです。だけどね、条件があるのだけど……」と今度は微妙に顔をしかめられました。
「えっ、それ聞いてなかったぜ。何なの?」
浩二が真顔で聞き返しました。
このやり取りで私は、えっ、意思疎通できてないのか、ということは姫は女友達でなく、ただの知り合いってことじゃん、こう察知し、どことなく嬉しくなってきました。
そのせいか、思わずニヤリと。
だけれど浩二のただの知り合いレディは、私を一瞥し、淡々とあとを続けられました。
「壇ノ浦の戦いからすでに800年以上の歳月が流れました。その間私たちは落人として暮らしてきたわけです。さあれども、その間村人たちを分断してきた問題があります。それを両
魔界平娑羅という女性がわざわざこの居酒屋まで出掛けてきたのは、一種の取り引きのためだったのか、ガクッ!
されども、ジャ・ジャ・ジャ・ジャーン!
♡♡♡ 兄殿 ♡♡♡ 兄殿 ♡♡♡ 兄殿 ♡♡♡
この敬意ある言葉に浩二も私も舞い上がりました。
だって、兄殿の意味はもちろんただの知り合いではないし、ただの女友達という関係でもない。少なくともそれ以上ってことですよね。
浩二も私も今までの人生の中で、これほどまでに女性から心頼みにされたことはありません。
私たち二人は思わず口をそろえて叫んじゃいましたがな。
「妹君、お任せくだされ!」
されども考えてみれば、その解決すべき課題はまだ聞いておりません。ここは浩二元会長の出番、「何をさせてもらったら宜しいのでしょうか?」と
すると妹君は奇妙奇天烈なことを、特に臆することなく、イカ刺しを可愛いお口にお運びになられながら仰ったのです。
「『孝』、つまりツチノコはどんな生物から進化を果たしたのでしょうか? 実のところ村人の間では3説あります。1つは伊勢エビ、2つめは
かくして娑羅姫、いえ魔界平娑羅さんからこんな難題の解明の要望を突きつけられた私たち、まずは浩二が「ちょっとトイレ」と立ち上がりました。私も間髪入れずに、「ミーツー」と。
だって話しの展開が奇想天外で、尿意を忘れていたわけでして、というより、この難問にちょっと間が必要でありました。
こんな私たちに姫がしれっと宣われました。
「どうぞ、だけど両兄殿の連れションのあと、課題解決のための素案を聞きとうございますわ」
このような追い込みに合い、私たちは狭い洗面所で、ブレインストーミング/特性要因図/なぜなぜを4回繰り返しなどの課題解決手法を駆使し、素案を見事見つけ出したのです。
やったぜ、ベービー!
私たちはこんな古臭い雄叫びを上げ、威風堂々と席に戻りました。
「ここは姫さまの命題解決の前祝いで、極上純米大吟醸で乾杯しましょ」
こんなとんでもない注文をしようとする浩二、これに対し姫君は目の前の焼き鳥を串の根元から可愛い八重歯でゴイッとしごかれまして、あとは数回モグモグと。
それからゆるりと、簡潔に述べられました。
「自腹で注文されよ」
これに浩二は「大吟醸、なんちゃって、……、撤回」と干からびた枝豆を口に放り込みました。
そんな動作に姫君はホホホと笑われ、あとは軽い調子で、「まずはご両人の素案をお聞かせ、たもれカレー」と。
これを聞いた私、紗羅姫はただの浩二の知り合い。
されども縁あって、今お話しをさせてもらってる。その上に、私たちに向かって、レトロちっくに、かつ、お笑い調に「お聞かせ、たもれカレー」と。
うーん、たもれカレーって……。
たもりカレーのことだよね。浩二も私も一気にたもりカレーのファンになりそうでした。
されどもです、この誘惑を浩二は力強く撥ね除け、ツチノコの祖先は何なのかはっきりさせる方法を自信たっぷりに語ったのですよね。
「奇っ怪山の『孝』、すなわちツチノコはイセエビから進化したのか、あるいはシャコから、もしくはナマコから進化したのか、はっきりさせることは実に簡単、――、要は捕まえて喰ってみれば、その味で判明するので~す、どうだ!」
最後に無理矢理合意を求める「どうだ」が付いた説明をじっと聞いていた姫、ビールをゴクゴクと飲み干し、10秒間の沈黙。その後ゆっくりと語ります。
「イセエビ、シャコ、ナマコは高級食材よ、ところで貧乏暮らしの兄殿たち、これらを食したことは――、あるんかい?」
ここで私たち三人の間に言い尽くせない長~い沈黙が。
やっとこの状況を打ち破って、その割に小さな声で浩二が囁きました。
「ございません」
「ならば、ツチノコは何味かわからぬ。まっ、よろしかろう、
私たちはこの娑羅姫からの再三のたもれカレーに、ただただ一言「御意!」で、居酒屋での『孝』ちゃん話しに終止符を打たせていただきました。
そしてしばらくの時が流れ、土曜日の夜半に浩二のオンボロ四駆車で出発。
日曜日の朝には奇っ怪山の麓に到着し、そこからは平家の落人村を目指してエンジンをふかせました。
何回か車ごと谷に転がり落ちそうになりながらも約2時間、鬱蒼とした木々に覆われた古いお屋敷の前へと辿り着きました。
今にも壊れそうな門をくぐり、玄関先で浩二が「頼もう!」と叫んだのです。
なにか道場破りのようで、勇ましかったのですが応答はさっぱりありません。仕方ないのでしばらく待ってますと、山から三人の供を連れて魔界平娑羅姉さんが戻ってきました。
「浩ちゃんに直ちゃん、こない鄙びたところによう来てくれはって、おおきに。さっ、中へ入って、今朝の猟で獲ってきた奇っ怪山名物、山トロぶぶ、さらさらとお食べやす」
あの居酒屋での姫から目線でない語り口調、やっぱり都人の血筋なんでしょうね、当たりがやわらか~い。
朝っぱらからハートマークがピューン、ピューンと飛びました。
当然お言葉に甘えて、ちょっと臭めの靴を脱ぎ、長い廊下を進み行きました。
案内された先は書院造りの離れ。
床の間には、うら若き乙女が川に身を投げてる掛け軸が飾られてあります。
浩二はどうも興味ありそう。とどのつまり「これ、めっちゃアンティークだね、おいくら?」と訊いてしまいます。
姫はこんな不躾な質問を受けても別段驚く風もなく、「その女性は宇治十帖の浮舟よ、国宝級で、お譲りできないわ。だって浩ちゃんは売っぱらって、生活費にしたいんでしょ」とズバリ。
これに浩二は「アイタタタタ、俺の心はバレバレか! だけど直樹も同じように、そう思ったよ」と私を盾にしてその場を乗り切ろうとします。
これに私は頭にきて、「何言ってんだ、俺は貧乏サラリーマンだが、生活費は充分過ぎくらいにある!」と、ここへやっと辿り着いた疲れからか、ちょっと辻褄が合わない言い草で返してしまいました。
こんなやり取りを聞いていたお姫様、「あらら、お二人には本当に飽きがこないわ、それよりも、さっ、ぶぶを」と、赤っぽい肉片が乗せられた一膳のご飯を差し出し、そこへ囲炉裏で沸き立ったお茶を注いでくれました。
ぶぶ、それは古都ではお茶漬けのこと、私たちはそれを思い出し、あとは空きっ腹であったため肉片を噛むと同時にさらさらと胃袋へと流し込みました。
それと同時に仄かな甘さが舌に残り、実に美味。すぐに浩二が「これ、何の肉?」と。
娑羅姫にとってはこのような反応は想定内だったのでしょう。
「さっき言った通り、山トロよ、太古池に閉じ込められたまぐろが足を生やし、今は森の中を素早く走ってます、その山マグロよ。どう、おいしっしょ」と。
「なるへそ、そうなんや」
これ以外に返す言葉が見つかず、あとは頓馬顔で、それはインスタ映え絶対しない――、♯ポカーンでした。
このリアクションに姫からは「今宵は中秋の名月、奇っ怪山の『孝』が孝の坂を転がり下りてきて、故郷の太古池に飛び込む夜なの、兄殿たちはその未確認生物・ツチノコをまずは観察、運あれば捕獲下され。その結果、『孝』の祖先はイセエビか、シャコか、ナマコか、その謎に決着付けるためここへと足を運ばれたのすよね」と再確認があった。
私たちはそれに「イエス、プリンセス」と即答すると、姫さまは一つコクリと頷かれ、言い放たれたのです。
「さっ、今から出掛けるぞえ、よってご両人、気を引き締めなされ!」
このキツーイ活に、浩二と私は「ハッハー!」と背筋を逆反りするほど伸ばさざるを得なかったのです。
こうして向かった奇っ怪山、鬱蒼とした木々で覆い尽くされて陰湿。しかも山道は急勾配で、心臓はパクパクでした。
だけれども娑羅姫はまるでアスリート。とっととっとと登っていかれます。
「おい、あいつひょっとしたら姫ではなく、ヤマンバの化身じゃないか。ひょっとしたら……、バテたところを首を絞められ、俺らを喰うのかもな」
浩二がこんな恐ろしいことをボソボソと呟くものですから、足がすくんでしまい、もう前へと進めません。
そんな姿を見て、30m先のヤマンバから「そこのボクちゃん、リズムは崩さず、ヨッコラセ、コッコラセ、ドッコイセと調子を取りながら登り来たれよ、さもなくば山サメに喰われるぞ」と声が飛んできました。
オーマイガット!
これって〈ヤマンバ〉 or 〈山サメ〉、その二者選択を迫られたということでしょうか。
そんな恐怖下ではありましたが、結論は「未確認生物『孝』を一目見たいで~す」と一応格好つけて、ヤマンバ疑惑の姫様に返させてもらいました。
そこからです、私はご指導通り、ヨッコラセ、コッコラセ、ドッコイセと足を前へと運びました。
このような登山で半日経過。
そしていきなり視界が開け、直径100mほどの池に辿り着いたのです。
水は碧く澄み、ただただ静寂の中に慎ましく御座候でした。
横にいた浩二は「この風景、インスタにUPすれば、絶対フィチャーされるぞ」と早速スマホをかざしてます。
「こらっ、浩ニィ、ここは神聖なる太古池、この存在を世に知らせば
浩二は野生人だが意外に怖がり、「異存ありません」と即答し、ブツを手渡しました。
すると娑羅姫は……。
ビ・ツ・ク・リ!
なんと水際で受け取ったスマホを、池に―― ポトリ ――と。
この状況を〈覆水盆に返らず〉風に表現すれば、〈スマホ手元に返らず〉でしょうか。
そんなことを思うや否や、まことに精度ある同心円の波紋が広がってゆきました。
そして約30秒が経過し、砕かれた水面は山々の風景を映す美しい
この状態を確認した姫が――、ニッ・コリ!
これに浩二も、少し歪んだ表情ではありましたが、ニコッ、ニコッ、ニコッと3つ。
これって無理矢理笑いってこと?
しかし、オモレー!
私の疲れはここで一気に吹き飛びました。
そして思わず、「娑ーちゃん、ダ~イスキ、サイコー!」と叫んでしまいました。
されどもです、この突然の告白に、私たちの間に重たい静寂が……。
そしてそれを破ったのがやっぱり娑羅姫でした。
それは池の向こうを指差しながら「ご両人、よろしいか、まずは大好きとかの邪心を払え、そして池の向こうに焦点を合わされよ、奇っ怪山の頂上から下り来る一本の緑の筋が見えるじゃろ、あれこそが今宵月光を背に受けて『孝』が転がり来る孝の坂じゃ!」とまことに力強く告げ知らしめなされたのです。
私たちは目ん玉をその方向へと移動させ、間髪入れずに「視認完了」と報告しました。 これを受けた平家のお姫さま、さらに私たちをドーンと追い込みなされたのです。
「今から捕獲の準備にかかりなされよ、よいか、私は肉体労働が苦手じゃ、だから其方たちの働きを見張っておることにする。さっ、出陣!」
「なんだ手伝ってくれないのか」
浩二がボソボソと吐きました。
されどもです、長年探し求めてきた未確認生物・ツチノコに会えるのですよ、浩二は満面の笑みを浮かべ、私に指示を飛ばしてきました。
「そこの若造、坂の下の池の縁、そこの雑草を刈って、飛び込み台を作って、その下に網を張る。だから粉骨砕身に労働せよ」と。
えっ、この命令って、私たち三人は……、1番は娑羅姫、2番は浩二、3番は私、言ってみれば部長/課長/ただの社員の順位になったってこと?
私は不満でブーと口を尖らせると、浩二が嫌みたっぷりに「いいじゃないか、お前会社で慣れてるだろ」と。
この瞬間に重苦しい空気が辺りに一帯に。
されどもそれを打ち破るかのように姫がつかつかと近寄ってきて、耳元で囁いてくれたのです。
「直樹さん、今は貧乏スタッフだけど、将来は社長さんよね。私、何事にも頑張る男らしい姿を見てみたいわ、それによっては……、お嫁に行ってもよいのよ」と。
なんだこの艶めかしい話術?
アンタはクラブのチーママ・娑羅ちゃんか~い?
てなてなことが一瞬脳裏をかすめましたが、彼女いない歴ウン十年、いきなりお嫁さんになってもええって? おっ、おっ、おっ、――、ブラボー!!
私は握りこぶしで筋肉少な目の胸板をドンと叩き、「血を吐くまで頑張らせて、いったらきま~す」と。
あとは網走番外地の名優・高倉健さんが乗り移ったかのように、向こう岸の坂へと先頭切って歩き出しました。
孝の坂は巾5mほど。奇っ怪山の頂上から鬱蒼として森を一直線に
ゴツゴツした岩は見当たらず、背丈30cmほどの雑草が坂の上から下まで覆う。
なるほどこれならツチノコが転がり下りてきても、傷を負わない。
だが水際近くとなると、高さ1mを超えるブッシュが伸びたい放題。これでは池への飛び込みは難しいでしょう。
そこで浩二と私はまずその辺り一面の草を刈りました。そして山から切り出してきた枝木を組み合わせ、長さ7mほどの板状の台を作成しました。
それをヨッコラセと池へ向かって張り出させ、つまりにわか飛び込み台を設置したのです。
以上のような据え付け、簡単に述べさせてもらいましたが、まさに、言うは
すなわち重労働、我がチーム内順列の2番手と3番手は3時間滝のような汗を流しました。
一方、1番手の娑羅姫はどうだったかと言いますと、肉体労働は苦手と言い放ってたのですが、突然海女さん姿に変身。
その後は素早く山に閉じ込められた太古の海にダイビング。その成果として、少し小粒でしたが縄文アワビと縄文サザエを――、大漁!
きっと私たちの労働以上にきつかったでしょう、なのにね。
その上にですよ、姫さまはこれらに串を通し、手際よく醤油焼き。あとは召し上がれとふるまってくれはりました。
山の稜線上にぽっかり浮かんだ淡紅色の大きな満月。その柔らかい月光に包まれながら――、美味と美姫。まさに至福の時でした。
ホント、浩二の単に知り合いの女性はOMOTENASHIを愛する姫でした。その心持ちに惚れ惚れしました。
そんな思いを抱いてから小一時間ほど経ったでしょうか、月は中天へと。
月面の黄色はフェードし、ゆっくりと青白い光を放つようになってきました。
その変容のせいか、奇っ怪山の頂上から太古池への一帯は神秘なベールに包まれてしまったような感が否めません。
そんな折りのことです、遠くの高い岩場から「ワーイ、オーイ、ヤッター」と奇妙な鳴き声が聞こえてきました。
一体あれは……、何?
反射的にその方向へと視線を向けますと、月光の中にシルエットが。
それはおどろおどろしい野獣のような?
私は恐怖で鳥肌が立ち、オシッコちびりそう。
そこで先っぽをキュッと摘まみ、「あの遠吠えのヤツは?」とマドモワゼル・娑羅に身震いしながら尋ねました。
これにうら若き乙女は面白そうにフフフと笑い、「あれはね、人面山イルカの――、まさに月に吠えるよ、直樹君、恐いの? まだガキッチョね」と。
その後は八重歯丸出しでの、ハハハと高笑い。
こっちの方が恐いよ思ってる内に、それは収まり、仰ったのです。
「これこそが『孝』の転がり開始の合図なのよ、さっ、両兄殿、網を持たれよ!」
この力強い下知に、浩二も私も背筋が――、シャキッ!
その緊張が消滅しない内に私たちは、先端の直径1mの網から伸びてくる長さ10mの柄、その手元をしっかり握りしめました。
「直樹、いよいよだぜ、さっ、飛び込み台の先で待ち受けし、ヤツが空中へとジャンプし、池に着水するところを、キャッ、キャッ、キャッチするぞ」
興奮で、浩二の言葉がビシッと決まりません。
私は浩二の気持ちがわかります。我が友は学生時代からツチノコをずっと追い掛けてきました。
しかし、いつも空振り。
その悔しさからか、今は範疇を広げ、未確認生物なら何でもいらっしゃーい状態に。
それがここへ来て念願のツチノコに会える、いやそれ以上に、運が良ければ捕獲できるかも知れない。
いえいえ浩二のことだ、居酒屋での提案、『孝』の祖先はイセエビかシャコかナマコかを解明するため、未だ食すことを諦めていないだろう。
しかし一方、あの時娑羅姫は、いずれも高級食材、味わったことのないあなた達には『孝』が何味か識別できないでしょ、と一蹴されました。
私はあの時のやりとりを突然思い出し、思わずプププと吹き出しました。
それでも一途な友にシンパシーを感じ、「未確認生物発見同好会の元部長、互いに頑張りましょう」と声を掛けました。
これに浩二の応答は一言。
「時成りぬれば、今はとて」
えっ、えっ、えっ、何じゃ、それ?
この古風な言い回しは、この場面において合ってるのか?
私は小首を傾げてると、横から娑羅姫が「あら、ちょっこし風流ね」なんて言うものですから、私は余計にこんがらがって……、頭ボー。
そこへ姫から声が上がりました、「シュツ、ジ~ン!」と。
かくして、若干不明瞭なところが残ったままでしたが、ツチノコ捕獲作戦が始まったのです。
さっそく浩二と私は網を飛び込み台の先へと持って行き、待ち受け完了。それから湖面に淡く映る青白い満月、その神秘な揺らぎを眺めながらしばらくの時を過ごしました。
そしていきなりでした。再び「ワーイ、オーイ、ヤッター」と摩訶不思議な鳴き声が。
そう、それは人面山イルカの発声、つまり『孝』の転がり行動の催促です。
「さあ、始まり始まり」
水際に楚々とたたずむ娑羅姫からVサインが送られてきました。
それとほぼ同時だったでしょうか、コンコロコン、コンコロコン、……、と坂の上の方から聞こえてきたのです。
もしこれがツチノコが転がる音だとしたら、どうも皮膚はかなり硬そう、その上転がる体形はまん丸でなく少々
こんな事を想像しながら待っていると、音はどんどんと大きく、つまり近付いてきました。
その事態は確かだと感じた時、私の口から思わず、「あっ、あっ、あっ、これこそ、ツチノコだ」と。
それと同時にはっきりと目視しました。
尻尾の先をくわえてるのか、直径1mほどの太い輪っか状態。
色合いは褐色だが、月光の当たり具合でメタリックに赤、青、緑に輝いてる。
その転がり音はと言うと、近くになったせいか、コンコロコンから変化し、ゴンゴロゴン、ゴンゴロゴンと地響きし――、ちょっと痛そう。
それでも止まることなく、太古池へと一直線、まさにローリング・ストーンだ。
その後、あれっ、あれっ、あれっ、と唸ってる内に目の前を通過して行き、飛び込み台へと。
されどもです、さすが浩二、未確認生物のプロ、セットしたカメラのフラッシュをパチパチパチと超高速連写。
「お主、やるじゃないか!」
こう叫んでも、浩二のヤツ、私を無視したまま。
これにはちょっとムカッときましたが、そこからはただただ呆然と。
なぜなら信じられない事が起こったのです。
それは……、
転がり来たツチノコが飛び込み台の根元でピヨーンと跳ね上がりそのまま宙返り4回、そしてその一連の結末に巾20cmの細い先端に見事着地。
オッオッオー!
その決めポーズは尻尾を逆反りさせ、長い口先を水平にした垂直立ち、てなことをやらかしよりました。
これを体操床運動として評価すれば、新月面4回宙返り
こんな美技を見せつけられた娑羅姫も浩二も、もちろん私も思わずパチパチパチ、要はビッグハンドでした。
この太古池の静寂を破る三人の万雷の拍手に、ヤツは私たち人間どもへと振り返り、ニッと笑いやがりました。
それから一拍おき、今度はその場で垂直に何回も飛び跳ねます。
もちろんそれと同時に飛び込み台は上下に振動し始めました。
オットットット、今度は飛び込み競技か?
私たち三人は予想外の展開に、もう拍手どころではありません。ただただ拳を握りしめ、ただただ上手くやれよと口を開けてるだけでした。
そしてツチノコは私たちの期待に応えるように、網の向こうへと飛び上がり、そこからですよ、前宙返り5回転抱え型を。
その技をさらりとやってのけて、まさに水面にスポッ!
すなわち水しぶきはなし、ですよ。
私たちは心底感動しました。
だって、『孝』ちゃんは人類が未だ、いや決して出来ない技を簡単にやってのけたのです。
三人類の震えが止まりません。
そして少し収まった時に娑羅姫が物申されたのです。
「今回の目的は、『孝』の祖先はイセエビかシャコかナマコか、その論争に決着を付けるため両兄さまに解いて欲しいと頼みました。だけど、あんたたちの方法は捕まえて食べればその味でわかるって事でしたよね。イセエビもシャコもナマコもお値段高すぎ晋作で、食べたことがないくせに。もっと言わせてもらうわ、あんなに素晴らしいパフォーマンスが出来るツチノコへと進化した『孝』君を炭火焼きにして味わう、そんなこと出来るっ――、ちゅうの? このクソバーカ!」
浩二も私も、もう返す言葉がありません。ただただモジモジと。
それでも姫は「そのためのお前さんらの最終捕獲作戦は、網に飛び込んでくるのを待って、キャッチ? これではっきりしたわ、とっくに進化が止まってるご両人では、『孝』の祖先解明、不可能ってことね」と止まりません。
こんな言いたい放題に合って、もう浩二は、せっかくツチノコに出会えたのに、ショボ。
しかしですよ、私は違いました。
こんなにボロンチョンに言われることって、勤め人にとってはよくあることですよね。
とどのつまり、慣れてます。
だってパワハラの最終追い込み言葉、「あそこに枝振りの良い松がある、そこで首吊ってこい」とまでは言われてないのですから。
私はむしろ怒る紗羅姫さまが可愛く見えてきて、「ご指導ありがとうございます、されども『孝』の祖先解明のため今しばらくの御猶予を」と訴えました。
すると姫は意外に「直樹君、さすが貧乏サラリーマン、割にしぶといのね、いいわ、1時間あげるから結論出して、チョンマゲ」と微笑むじゃありませんか。
怒りからいきなりの柔和笑み、私はこのギャップに胸キューン。
これは今話題のギャップ愛だとハッと気付き、もちろん即座に「御意」。
それから振り返り、「ツチノコの転がりを全部録画してたんだろ、何かヒントがあるかも知れないので、一緒に観てみないか」と浩二に声を掛けました。
多分ヤツも同じ思いだったのでしょうね、「任せなさ~い」と同意してくれました。
それからです、私たちはコンコロコンから始まり、近場ではゴンゴロゴンと転がり来るツチノコの映像を目を懲らして再確認。
この必死にパッチの結果、最終的に『孝』ちゃんは飛び込み台先端に新月面4回宙返り極細1点着地、その決めポーズは――。
尻尾を逆反りさせ、長い口先を水平にした垂直立ち。
浩二と私はこの決めポーズを再々確認し、その立ち姿に「オッオー、これって」と声を上げ、何回も目をこすりました。
それから深~い呼吸を一つして、雄叫びを上げたのです。
「タツノオトシゴだ!」
かくして課題の結論に至りました。
早速私たちは謹んで紗羅姫にご報告申し上げました。
「奇っ怪山の『孝』、つまりツチノコは海底の隆起により出来た太古池、そこに閉じ込められたタツノオトシゴが陸に上がり、想像を超えるエボリューションを。詰まるところ山暮らしにうまく適応し、今の姿へと、いわばほぼ高等生物へと進化したのです。だけど刻まれたDNAにより、中秋の名月の夜、大潮の揺らぎシグナリを感じ取り、一夜だけの
こんな若干理屈っぽい解釈を微笑みながら耳を傾けられていた紗羅姫、まずは頬にかかる髪をさらりと
その後珍しく真面目な表情となられ、「各々方、ご苦労だった、心より感謝申すぞ」と礼を言ってくれはりました。
私たちは姫の難問解決の一助になったことが嬉しくって、野郎同士ゴツゴツした手と手を取り合っての小躍りです。
そんなヤッター感一杯の時に、紗羅姫がボソボソと呟きました。
「タツノオトシゴは池から山へと、だったらあいつはこの反対バージョンだということね」
えっ、あいつって???
反対バージョン???
私たちは姫が口走られたこれらの言葉の意味が飲み込めず、脳内は「何のこっちゃ?」の嵐となりました。
それがやっと収まり、「ねっ、あいつについて、もう少し分かり易くお願いします」と迫りました。
すると紗羅姫は悪びれる風もなく、「あらっ、話してなかった、ゴメン。中秋の名月の夜、つまり今夜ね、池の底から山頂に向かってあいつが飛び出して来るのよ。これも故郷帰りね」と。
それから真顔となり、「そろそろ村に帰りましょ、喰われるかも」と仰るではないか。
そしてその言葉とほぼ同時に、水面がいきなりゴッゴーと噴き上がったのです。
高さは10mはあるでしょうか、その水柱の中にはあいつが……、浩二も私も目撃したのです、月光に輝くドラゴンを!
もう腰はフニャフニャ、いわゆる腰抜けで、動けませんがな。
ああああ、喰われてしまう!
このような絶体絶命の場において、紗羅姫は宙に浮かんだドラゴンに、なんとなんと、「シッ、シッ、……、あっちへ行きなさい」と命令なさるではありませんか。
一体これは、どういうこと?
もう訳わかりませ~ん。
いずれにしてもですよ、なんとドラゴンは私たちをギョロッと3秒間睨み付け、その後月が照らす山頂目掛けて飛んで行きました。
が、当然浩二も私も失神一歩手前。
そんな事態に陥ってる時に、紗羅姫は仰ったのです。
「800年前に村で飼っていたムカシトカゲが池に入り、進化を遂げたのよ」
ムカシトカゲがドラゴンに……、確かにツチノコの反対バージョンです。
なるへそ!
恐怖の中で妙に感心していると、さりげなく「さっ、山を下りましょ、もしこのまま固まったままでいると、明け方に戻ってくるドラゴンに喰われてしまうわ」と宣われます。
これに野生人・浩二はすぐに意識を戻し、ブルッと身震いを一つしてから「えっ、そうなの。いずれにしても、ありがとう、お陰で念願のツチノコに会えたし、ドラゴンも見ることが出来たよ。さあ直樹、片付けて、すぐに引き上げよう」と部長としての指示を飛ばしてきました。
もちろん私はこれに逆らうつもりはありません。
されどもです、一つだけ言っておきたいことがありました。
「なあ浩二、今まで未確認生物発見の、俺だけが割を食う旅によく付き合わされたよな、だけど今回は結構面白かったぜ。なぜなら今まで見たことのない未確認生物に遭遇したからだよ」
私はちょっと遠回しに感想を述べました。
「それって、何が言いたいんだ?」
浩二は私の本意が読み切れず、顔を私へと突き出してきました。これに私は痩せた身体全体を引き気味にして、言ってやりました。
「今回の一番の収穫は、平家の落人村の……、娑羅姫だよ。だからこれからのお前との未確認生物の捜索の旅は、姫も一緒じゃないと、俺は――、行きませ~ん!」
こんな突然の宣言に、娑羅姫にはちょっと手前勝手すぎるかと思い、「これからもよろしくお願いします」と頭を下げました。
こんなやり取りの後は、当然、場はシーン。
私はちょっと我を押し出し過ぎたかなと、ちょっと反省したまま棒立ち状態。
また浩二は、私から今までの未確認生物の旅の不満を聞いて、多分ムカッときたようで、口を真一文字に結んだまま遠望にある頂上を睨み付けてます。
一方娑羅姫は平家の末裔らしく、岸辺で
このようにちょっとチグハグ状態で、だんまりがしばらく続きました。
そしてそれを破ったのが姫こと魔界平娑羅さん、ぼそりぼそりと語り始められました。
「今回縁あってお二人にツチノコ、またそれ以外に奇っ怪山の未確認生物を紹介させてもらいました。それらの中で、お二人にとって最も驚きの出会いだったのは……、ひょっとして平家の落人だったのかも知れませんね」
私は思わず「当ったりー! しかもお姫様にね。お前もそう思うだろ?」と浩二に振りますと、「ああ、平家の落人の娑羅姫は『孝』ちゃんよりも珍しい生き物だったかもな」としみじみ呟きました。
こんな結論に、姫は「あ~あ、捕まっちゃったわ。なぜなら、浩二さんと直樹さんのコンビ、いとおかし、だったからよ。だから直樹さんの提案通り、兄殿たちのこれからの未確認生物発見の旅、私も参加させてもらって――、いい?」と、まずは会長の浩二を見つめ、その後私をじっと……。
これで私の心臓はパクパク。
それでも出来るだけ大きな声で「もちろん」と答えようとした時に、浩二は奇っ怪山にこだまするぐらいの大声で吠えたのです。
「ワーイ、オーイ、ヤッター」と。
私は訳がわからず、「何だ、それ? 気は確かか?」と問うと、浩二はさらに大きな声で。
「ワーイ、オーイ、新チームのスタートだよ、ヤッター」
この時私は思い出しました、そういえば『孝』の転がり開始の合図は人面山イルカの「ワーイ、オーイ、ヤッター」の遠吠えだったなあと。
あの時は恐怖でオシッコちびりそうになりましたが、今回はブッと吹き出しました。
そして横を見ると、浩二の女友達の魔界平娑羅嬢も艶めかしくも「ワーイ、オーイ、仲間入りだよ、ヤッター」と叫んでおられるじゃないですか。
こうなると仲間外れにされると困りますので、ちょっと長文ではありましたが、私も思い切り声を張り上げさせてもらいました。
「ワーイ、オーイ、浩二のただの知り合いの女性とのマリアージュ、スタートじゃ、ヤッター!!」
短編集・未確認生物 鮎風遊 @yuuayukaze
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