07.白魔道士
お風呂上がりの彼。冷めないうちに入ってこいよ、なんて優しい言葉に「んー、」と唸って言葉を返す。
「今日はなんか怠いからやめておく」
ありのままを言葉にしただけ。けれども、途端に彼は眉を下げ、子犬のような表情をするのだから、可愛くて少しだけHPが回復された。
「大丈夫? 体調悪い?」
「いや、疲れてるだけだと思うから大丈夫」
「そう……?」
それでもどこか納得のいっていない様子の彼に「お風呂入らないと臭い? 嫌いになる?」と聞けば、千切れそうなほどにぶんぶんと首を振って。
「そんなんで嫌いになるわけないじゃん!」
なんて、少し涙目で訴える。それがあまりにも必死で、面白くて、思わず「ふはっ」と声が漏れた。嫌いに慣れないのは、あたしだって同じ。
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