06.我慢弱い
今日はもう眠たいの。
彼の欲望を押し切ろうとすれば、分かりやすく唇を尖らせた彼が視界に映った。何でだよ、ケチ。まるで子どものような言葉が飛んでくる。
「明日でも良いでしょ」
むす、と不貞腐れた顔。ぎゅう、と抱きついて甘えた声を出す。それ、オンナが高級バッグ買ってもらう時にやるやつだよ。と、口には出さないけれど。
なぁ、だめ? キスをいくら落としたってダメなものはダメ。一度でも甘やかしてしまっては、これからの人生で苦労することが目に見えている。
「じゃあ、あたしは寝るから勝手にして」
「何でだよ! 寂しいじゃん!」
はて、あたしが相手にしているのは小さな子どもだったか。はたまた、世間的に『重い』と言われるタイプのカノジョだったか。
「もう! 俺はこんなにもアイスが食べたいのに!」
あたしの「知るかバカ!」が響き渡る深夜零時。
(200111)
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