第26話 パンドラの箱

 善景:人間の皆様、如何お過ごしですか?妖魔銀行総裁の朝倉善景あさくらよしかげにござきます。未だナレーターが居ないので冒頭の語りをしております。さて、今回私がケインさんに渡すのは1つの小さな箱なのですが、それは敵にとってはかなり面倒な代物の様です。


 魔界時間14:04 地獄界妖魔銀行本店じごくかいよぅぎんこうほんてん


 秘書:総裁、ケイン・Y・天利あまり様がお見えになりました。


 善景:通しなさい。


 ケイン:失礼します。


 善景:暫く誰も入れない様に。


 秘書:畏まりました。


 総裁室を出る


 善景:さて、今日ここに呼ばれた理由は把握してますね?


 ケイン:はい、今回のにあたり直接渡したい物があるとか。


 善景:そう、それが・・・


 肖像画の目を見つめると絵が消えて金庫が現れそこから小箱を出す


 ケイン:それは?  


 善景:君はパンドラの箱をご存知ですか?


 ケイン:パンドラ、正式な名前はパンドーラー。人間のギリシャ神話に登場する女性の名で、神々によって作られ人間の災いとして地上に送り込まれた人類最初の女性ですよね?パンドーラーのパンは全てのものを表し、パンドーラーは全ての贈り物を意味する。


 善景:そう、しかしそれは神々が都合の良い様に事実を捻じ曲げて人間に吹聴ふいちょうしたもの。


 ケイン:その箱には悪意や憎悪といった負の感情が封じ込められていて人に災厄が訪れないよう封じたとありますが、それも嘘だと?  


 善景:その通りです。その実態は、天界宇宙の宇宙文化遺産に指定されている聖皇庁地下に隠されたが公にならない様にしたもの。


 ケイン:そのある物とは?


 善景:残念ながらそこまでは。そこで、天界宇宙に巣食い政府を牛耳る老害達の恐れるある物の正体を突き止め入手してほしいというのが今回のミッションです。


 ケイン:分かりました。


 善景:因みにその箱、色々と試したのですが、なかなか開かなくて中身が分かりません。先ずはそこからお願いします。


 ケイン:開かずの箱・・・ですか。


 善景:中身を知るにも先ずは無事に天界へ持ち込む事が最優先となります。


 ケイン:それは分かりますが、こんな凄い物一体どうやって入手したんですか?


 窓の外を眺める


 善景:世の中には、知らなくて良い事だってあるのですよ。


 ケイン:そ、それ以上は詮索しません。


 善景:宜しい♪では、頼みましたよ?


 ケイン:はい。


『妖魔銀行前広場』


 ケイン:と〜は言ったものの、コレどうやって開けるのかな〜?


 ???:あら、懐かしい物持ってるわね貴方♪


 ケイン:だ、誰?


 次回へ続く・・・


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