第14話 ヴァルキリーを統べる者

 天界時間16:24 聖皇都エデンクラウン内 ショッピングモール


 ベンチに座るケイン


 ケイン:それにしても、この子誰の赤ちゃんなんだろうか?


 ???:赤ちゃんでにゃんすぅ♡


 ケイン:ん?猫又族の女の子?


 ???:赤ちゃんでにゃんす、赤ちゃんでにゃんす♪


 赤ちゃん:ふっきゅ〜♡


 ケイン:あっ!思い出した!この子、精霊研究の権威ドナルド・ローエン博士の娘さんだ。名前は確か・・・ミオ・ローエン!


 ミオ:ほっぺた、プニプニでにゃんすぅ♡


 ミオに触れようとすると側で控えていた女性が鋭い目つきで睨む


 ???:閣下に気安く触れないで下さいけがらわしい!


 ケイン:な、何ですか貴女は⁉︎


 梓:貴女ではありません、私にはあずさという閣下からたまわった名があります!


 ケイン:さっきから閣下ってこの子の事?


 ミオ:梓さんは〜ヴァルキリーさんでにゃんすぅ♪


 梓:シングルナンバーズは詩織しおり様の副官、ミリオンナンバーズ筆頭No.11こと梓とは私の事です。


 ケイン:シングルナンバーズやNo.11って伝説級のヴァルキリーじゃないですか!


 梓:閣下は詩織様の主人あるじ様であらせられる!


 ケイン:その詩織・・・さんは?


 ミオ:詩織さんは〜、パンドラお姉ちゃんトコでにゃんすぅ。


 ケイン:パンドラ様って、人界宇宙を統べるあのパンドラ様?


 ミオ:むつかしい事は分かんないでにゃんす。


 梓:そうだ、人界宇宙の創造者パンドラ様だ。


 ケイン:そんな凄い御方をお姉ちゃんって。  


 ミオのホイッスルに興味を持つ赤ちゃん


 ミオ:聞くでにゃんすか?


 赤ちゃん:あ〜い!


『配送トラック内』


 配達員?:はい、運送会社のトラックに偽装してを搬送中です。明日の朝までにはお届け出来るかと・・・はい、お任せください。


 通話を切る配達員


 配達員?:さて、そろそろ行くか。


 ミオ:いくでにゃんすよ〜♪


 赤ちゃん:ワクワク♪


 軽快なリズムでホイッスルを吹くミオ


 ミオ:ピ〜、ピッピッ♫ピ〜ピッピッ♫ピッピッ、ピッピッ、ピ〜ピッピッ♫


 ミオのホイッスルに呼応するかの様にトラック荷台内のケースが一斉に動き出す


 配達員?:な、何だ?


 荷台のサイドドアを焼き切ってミオの前に駆け寄りひざまずくヴァルキリー達


 ケイン:な、何だこの人達は⁉︎


 ヴァルキリー達:なんなりとご命じ下さい閣下!


 梓:ふむ、私のデータベース上に無いタイプのヴァルキリーですね。ごく最近造られたものの様です閣下。


 ミオ:産まれたてでにゃんすか?


 梓:流石は閣下、左様にございます♡


 ミオ:ならミオの家族でにゃんす♪


 ヴァルキリー達:家族とは!なんと有り難きお言葉♡


 ケイン:お前達は何処で造られて何処へ運ばれる予定だったんだ?


 ヴァルキリー:貴様に話す義理は無い。


 ミオ:ミオも〜、知りたいでにゃんすぅ。


 ヴァルキリー:はっ!我々は地精重工グループの秘密工場で製造され猪倉源助の邸宅へ搬送されるところでした!


 トラックから逃げようとする配達員を指すヴァルキリー


 ヴァルキリー:あの者が我々を搬送していた配達員です!


 ケイン:ミオちゃん、あのお兄さんを捕まえる様にお願いしてくれ!


 ミオ:アイアイサ〜♪あのお兄さんを捕まえるでにゃんす!


 ヴァルキリー:閣下の仰せのままに!


 瞬間移動で配達員の前に立ち塞がり捕まえるヴァルキリー達


 ミオ:結衣お姉ちゃんトコに連れてくでにゃんすよ〜♪


 ヴァルキリー達:はっ!


 ケイン:結衣って、地獄界検事局の朝珠結衣あさたまゆい検事か。


 ミオ:みゅ?この赤ちゃんどっかで見た事あるでにゃんす・・・あ〜っ!この子、ミルフィーちゃんのお友達でにゃんすぅ♪


 ケイン:知り合い?


 ミオ:この子のお母さん知ってるから連れてくでにゃんすね〜。


 ミオの指示で赤ちゃんを抱き上げる梓


 梓:では私達はこれで。


 ミオと赤ちゃんを抱き抱えて空間転移する梓


 ケイン:結局誰の赤ちゃんか分からなかったな〜。

















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る