第13話 雛形の相棒
魔界時間20:13 公安超大国ポリスティア合衆国 政府直轄警察犬訓練場
静:すまんな、こんな夜分に。
飼育員:大丈夫ですよ♪ですが、天界の警察の方は神獣をパートナーに選ぶのに・・・
静:変か?
飼育員:いえ、ただ珍しいなと思いまして。
静:地獄界のケルベロスや、この国の巨獣プリズンドーベルの眷属カンシュドーベル警察犬亜種は警察犬の2大巨頭と4界宇宙で名高い種類だからな・・・ん?
部屋の隅で丸くなって寝ている仔犬に気付く静
静:あの仔は?
飼育員:どの仔ですか?
静:あの部屋の隅で丸くなって寝ている仔だ。
飼育員:ああ、ボタモチちゃんですね。
静:ボ、ボタモチ?
飼育員:首輪の鍵の色が銀色なので大人になると警察犬種のポリスドーベルに進化する筈なのですが、あの仔は他と見た目が違うのでおそらく変異種ではないかと獣医さんは仰っております。
他の仔犬と見比べる静
静:確かに違うな、通常の仔は赤ん坊ながら凛々しい顔立ちにスラっとした体格に対してあの仔は・・・なんというか、身体に丸みを帯びてるというか・・・ずんぐりむっくりというか、顔はつぶらな瞳に凛々しいというより
飼育員:戦闘能力は他の仔より遥かに劣りますし、ご覧の体型なので足は全然速くないです。ただ・・・
静:ただ?
飼育員:あの仔、嗅覚と知能だけがこの施設の中で群を抜いて優れているんです。
静:ほぉ。
飼育員:まぁ、あの愛嬌たっぷりな顔と人懐っこさからこの施設のマスコットですよ。それに、名前の由来は
静の前に立ち尻尾を振るボタモチ
静:何だ?私が気に入ったのか?
ボタモチ:キャンッ♪
嬉しそうに静の周りを駆け回るボタモチ
ボタモチ:キャンッ!キャンキャン♪
静:変わった吠え方だな。
飼育員:これも変異種の特徴らしいです。
ボタモチを抱き上げる静
静:そうかそうか、そんなに私が気に入ったか♪
ボタモチ:キャワ〜ン♡
ボタモチをじっと見つめ考え込む静
静:ふ〜む・・・
じっと自分を見つめる静を不思議そうに首を
ボタモチ:キュン?
静:よしっ!決めた、この仔を私のパートナーにする♪
飼育員:えっ!本当に良いのですか?
静:この仔を立派な警察犬に育ててみたくなった♪
ボタモチ:キャンキャ〜ン♪
施設を出るのを察したのか静の腕から降りて多次元リュックに自分の荷物を入れて戻って来る
ボタモチ:キャン♪ハッハッハッ!
静:本当に頭良いな♪それにしても、何が入ってるんだ?
リュックの中身を見る静
静:犬用ベッドにこの異様に多い重箱は・・・全部が牡丹餅か。それと・・・なっ!お前タブレット使えるのか⁉︎
ボタモチ:キャウン♪
静:本当に凄いな。
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