第6話 次なる標的

 魔界時間20:00 シーラント諸島連合国 都内焼肉店


 亜紀:なあ。


 焼肉を頬張るケイン


 ケイン:ん〜?


 亜紀:創造主さくしゃの書くこの世界ってさ、ナレーターいる筈だけど何でここだけ代役すら居ないわけ?


 ケイン:ふぁあふぁさあな〜。


 由紀:まぁ、我等が気にする事はあるまい。すまんが、そこのカールスのタン塩取ってくれ。


 由紀に渡す男性


 ???:どうぞ〜。


 由紀:すまんな。


 亜紀:ま、その内決まるっしょ。あれからどうなったんだ?


 ケイン:雛形の姐さんに逮捕された後は御前裁判の真っ只中さ。あ、そこのトンテクのタレ取って。


 ???:はい、トンテクのタレですね〜。安価で庶民に手の届くし、その上美味しいですよね♪


 ケイン:そうそう、人界の豚肉にソックリでさ・・・ん?

 

 男性を見る3人


 ケイン:うおっ!朝倉総裁⁉︎


 亜紀:何しれっと居んだよアンタは。


 善景:いやはや、案外気付かないものですねぇ♪


 由紀:用向きは次なる的の件か?


 善景:先ずは地精重工グループのブライ・ドルトンの件、ご苦労様でした。早速次の特別出向先ターゲットですが・・・


 腕型の台座に輝く指輪の映った写真を見せる善景


 善景:今回はこの指輪・・・の台座です。  


 亜紀:その持ち主は?


 善景:魔界宇宙最大の製薬会社、妖凱製薬ようがいせいやくグループのライバル企業・・・と言っても当人が勝手にそう思っているだけなのですが。天界宇宙最大の製薬会社ドラッド製薬グループ社長、レオパルト・ツェッペリン氏が所有者です。


 由紀:ふむ、もしもその台座がヴァルキリーの身体の一部なら天界宇宙のみならず、4界宇宙を揺るがす大スキャンダルだな。


 店員:追加のカールトンの塩、お待たせしました〜♪


 ケイン:だ、誰!カールトンなんて頼んだの!銀行員だからって払える額じゃないって、一行員の給料なめんな!


 善景:あ、それ私です。ここは私から成功祝いの奢りなので皆さんも遠慮なくどうぞ♪


 亜紀:いよっし!お姉さ〜ん!私カールトンのタレと塩、あとそれとヤーメルの塩!


 由紀:待て亜紀、カールトンは醤油が合うと聞く。店員、私はカールトンの壺漬け醤油だ!


 ケイン:ちょっ!もう少し遠慮ってものを・・・あ、ヤーメルのタレを。


 店員:は〜い♪


 善景:店員さん、私は黒烏龍茶を♪


 由紀:む?酒はたしなまぬのか?


 善景:私は下戸なんですよ。


 店員:追加のお肉お待たせしました〜♪


 由紀:うむ、美味い!


 亜紀:ちょっとソレ頂戴♪・・・うおっ、美味っ!


 由紀:では私も少し貰うぞ・・・ほぉ、塩も良いな♪


 ケイン:総裁、他にもあるんじゃないんですか?


 善景:・・・今はまだ言えません、まだ確証がありませんからね。


 ケイン:では確証がもてたら教えて下さいますか?


 善景:勿論ですよ。さ、どんどん頼んで下さい♪







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