6話 両家に報告
一瞬シャルが何言っているのかわからなかった。でもすぐに我に返り、周りを見回すとシャルが俺の事を見ていた。目を合わせると枕を置いて手を広げてきた。
俺も決心して、顔を赤くしながらシャルを抱きしめる。するとシャルも腰に手をまわして抱き返してきた。
はっきり言ってやばい。ハグをする前は余裕と思ってたけど、いざ抱きしめてみると想像以上にやばい。シャルの小さい体が可愛い。そう思うだけならよかった。でも雑念が出てきた。シャルの匂い。そして胸が体にあたってくる。極め付けには、上目遣いで俺の事を見てくる。
こんなかわいい生物を見たことがない。
「ずっとこうしてたいな」
声が出てしまった。今以上に顔が赤くなっている気がする。でもこんなにかわいい人とずっと一緒にいたいと思うのは普通。
「私もずっとこうしていたいです」
シャルも俺が言ったことに対して返答した。枕を持っていた時から顔が赤かったけどそれ以上だ。今がお互いピークなんだろう。1分ぐらいハグをしたところで
「そろそろ居間に戻らないか?」
「私はもう少しこの状況を楽しみたいです。大くんは違いますか?」
「えーと。そうだね。もうちょっとこうしていようか」
「はい」
もうプラス1分間ハグをしたところで俺が離れようとする。だがシャルが離してくれない。そのところにソフィアさんがやってきて部屋のドアがあく。
「早く居間に来なさい。夜ご飯で~...。」
「「...」」
「まあイチャイチャしたいのはわかるけど、もうちょっと二人っきりの時にやりなさい。早く居間に来なさいよ」
「「はい」」
ソフィアさんに見られてしまった。お互いが顔を見合わせると、自然と笑ってしまった。
二人で居間に行く。居間には父さん、母さんがすでについていた。またアレスさんとオリビアさんも居間にいて、両家族全員集合していた。
「遅くなりました」
俺たちが席に着くとオリビアさんが
「はいはい。じゃあ夜ご飯にしよう。明日クリスマスだからクリスマス料理にしました!」
オリビアさんが言うように、クリスマス感たっぷりの料理が出てきた。クリスマスプティングにローストビーフ、七面鳥、ローストベジタリアン。イギリスのクリスマス料理って感じですごかった。特にケーキがショートケーキじゃないことに驚いた。
どれもおいしそう。俺たちが席に着くと、みんなで食べ始める。俺が食べ始める前に
「シャルと付き合うことになりました。今後もよろしくお願いします」
みなさんに報告する。すると
「「「「「おめでとう!」」」」」
「ありがとうございます」
「やっとだね。もうちょっと早く付き合えたらよかったのにね」
「そうですね。でも自分たちのペースがあるのでこれでよかったと思います」
「シャルの事宜しくね」
「はい」
ソフィアさんに頼まれてから、オリビアさんたちにも頼まれた。頼まれなくても、大切にするつもりだけど、シャル一家から頼まれたら、より一層決心がつく。
すると俺の家族からも同様の言葉をシャルに言っていた。シャルも顔を赤くしながら頷いていた。
ご飯が食べ終わり、家に帰ろうとするとき、シャルと二人きりになる。
「明日で学校が最後だけど、冬休みもいっぱい遊ぼうな」
「はい」
「後、明日どこに行きたいか一緒に決めような」
「わかりました。楽しみです!」
「俺もだよ。じゃあバイバイ。おやすみ」
「おやすみなさい」
家に帰ると父さんと母さんからいろいろと質問攻めを受けた。最初の方はまじめに返答していたけど、30分以上も続いたので、疲れてきた。なので切りのいいところで話をやめて自室に戻る。
ベットに入り寝る。だけど付き合えたことが嬉しすぎて、睡魔が来ない。するとシャルから電話がかかってきた。
「どうした?」
「今お時間いいですか? あまり眠くないので少しお話でもしませんか?」
「俺も眠くないからいいよ!」
30分程度他愛の無い話をして、電話が終わった。
電話をして実感する。彼女できたんだな。その後、今日あったことを思い出して笑みを浮かべてしまう。はたから見たら気持ち悪いだろう。でも今は許してほしい。初めて出来た彼女。こんな幸せが今後味わえるかわからないから。
明日はクリスマス。そして初めてのデート。一番のイベントを二人で楽しめたらいいな。
いろいろと考えていたら12時を回ってしまい本格的に睡眠するように目をつむり、就寝した。
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