8話 告白
始業式当日。シャルロットと学校に向かっていると、
「宿題見せていただきありがとうございました」
「いえいえ。内容わかった?」
「内容は大丈夫です!」
「そっかならよかった」
そんな話をしていると森本と登校中に会う。
「だいくんにシャルちゃんおはよう!」
女の子にだいくん呼びはなれないなと思っていながら
「おはよう」
「おはようございます。それで大輔くんのことをだいくんと呼ぶようにしたのですか?」
「そうだよ。この前遊んだ時からね」
「この前...。大輔くん後で少し話しましょうね?」
シャルロットの目が怖い...。
「ここで話せばいいじゃん!」
「いえ。後でじっくりお話させていただきます」
「ふーん。だいくんは夏休みに私と遊んだ以降は誰とも遊んでないの?」
「いや、海に行ったよ」
「「海...」」
二人の目が据わってる。俺海に言っちゃダメだったの? ひどくない?
「いや、男とだよ?」
「「ふーん。で女の子にナンパされなかった(よね? ですよね?)」」
「...」
「後でそのところもお話ししましょうね?」
「私も聞きたいな」
「...」
なんでこんなに怒っているの? 俺女の子と話すのもダメなの? そう思っていたら
「い い で す よ ね 」
今度は強めに言われた。
「はい」
その後も2人に問い詰めされながら学校に向かった。学校に着くと優輝と伊藤が
「私たち付き合うことになったよ!」
やっぱりかと思い
「「「おめでとう」」」
「ありがとう。お前たちも早くしろよ」
「え?」
「ゆうくんは余計なことはいわなくていいの!」
「はい」
二人は何を話してるんだ? もしかしてシャルロットと森本が付き合うのか? 百合ってことだよな? 俺はそうだとしても二人と友達はやめないぞ。 でも気になっている女の子たちがくっつくのは複雑だな。俺がそう思っていると、伊藤が話題を変えようと
「そんなことより、今日から2学期だよ! 文化祭も後2週間後! 楽しみだね」
「「「「そうだね」」」
でも文化祭よりも俺は生徒会の合否のほうが大切。今日発表だったな...。すると岩下から連絡が来る。
「今日の放課後遊ばない? 大切な話があるんだけど。」
「了解」
岩下に了解と送る。大切な話ってなんだ? そう思っていると優輝から
「今日の放課後に5人で遊ばない?」
「「「いいよ」」」
と俺以外のみんなが即答する。優輝、もうちょっと早く言いってくれよ。さっき岩下と遊ぶ約束しちゃったじゃん...。
「悪い。他のやつと遊ぶ予定がある。」
俺が断ると
「「(だいくん、大輔くん)誰?」」
「夏祭りにあった岩下ってやつだよ。」
「ふーん。シャルちゃんちょっと向こうで話さない?」
「いいですよ」
二人は俺の事をジト目で見ながら教室を出ていった。
「あの二人どうしたの?」
「まあじきわかるさ」
そんなこと言われても今気になるんだよ! そう思い優輝に続きを聞こうとしたら、伊藤が聞くなってオーラでこっちを見てくる。 聞いちゃダメなことなのか? と考えていると二人が返ってきた。
「大輔くん。後日3人でお話をしたいのですがよろしいですか?」
「うん」
すると先生がやってきてホームルームが始まった。文化祭の話などがされたが、特に今日はやることがないらしくて、すぐに解散になった。
「俺、生徒会の合否を聞きにいかなくちゃだから。バイバイ」
と言ってみんなと別れた。俺が生徒会室に入るとすでに生徒会候補者全員がいた。
「じゃあ合否を発表する」
緊張が半端ない。でも森本に振られたよりは緊張がないのでまだ自制心を保っていられた。
「男子は一ノ瀬大輔。女子は斎藤優花。今後は2年生の下について学んでもらう。以上」
受かった。そう思いホッとしていると落ちた男子が
「なんで俺じゃないんですか? 学年でも常にtop3にいましたよ?」
「君は学力は良いだろうけど、授業態度がよくない。授業中は話している時や寝ている時が多々あったと聞いているぞ?」
「...」
「そう言う理由で君を落としたんだ。女子の方は授業中に毎日鏡をみて髪の毛を整えていたらしいから、落とさせてもらった。理由は以上だ。受かった二人には明日生徒会室に来てもらい、仕事内容を伝える予定だ」
「「はい」」
今日はこれで解散になった。すでに岩下との集合時間が迫っていた。俺は生徒会室を一番に出る。すると斎藤さんもすぐに出てきて
「今後3年間よろしくお願いします」
俺は今後の仲間を無下にして、目の前だけを見て行動していたのかと反省をして
「こちらこそ今後よろしくね。明日から宜しく!」
そう言って帰宅する。岩下との集合時刻にギリギリ間にあって、岩下と合流すると
「一ノ瀬ギリギリだったね」
「今日生徒会の合否だったんだよ! 受かったよ」
「おめでとう! それで大切な話があるからそこの公園にでも行かない?」
「うん」
二人で公園に向かう。
「で、大切な話って何?」
俺が尋ねると
「一ノ瀬ってさ今彼女いる?」
「いないよ」
「そっか。じゃあ言うね。中学の頃から好きでした。私と付き合ってください。」
「え?」
俺は岩下から何を言われたかわからなかった。だがすぐに我に返り、岩下から言われたことを理解する。岩下のことは好きだ。だけどそれは恋愛的感情じゃなくて、友達的感情だ。
「ごめん。付き合うことはできない」
「そっか...。でもわかってたよ。それに私の気持ちを伝えたかったから。夏祭りであった二人のことが気になっているんでしょ?」
「あぁ」
岩下は俺が気になっている女の子がだれか分かっていたんだなと思った。そんなにわかりやすいか?
「別に気にしないで。今後も友達としてやっていこ?」
「うん」
「じゃあ私帰るね。バイバイ」
岩下は走って帰っていくのを見ることしかできなかった。俺はなんて言えばよかったんだ? 友達として一緒にいたい。だけど相手の気持ちに嘘をつくことはできない。振った後に友達としてやっていけるなんてめったにないと思う。俺と森本だってちゃんとした友達と言えるのか? 俺はまだ森本のことを気になっている時点で...。
俺はそんなことを考えながら家に帰り、ずっと岩下のことを考えた。
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