5話 お盆

 お盆の時期になり、おばあちゃん家に来た。おばあちゃん家に入ると




「あ、だいにーにが来た! 一緒に遊んで」




 と5歳の女の子---一ノ瀬美香と7歳の男の子---一ノ瀬修也が俺のところに走ってくる。




「ちょっと待ってて。今おじいちゃんにお線香あげてくるから」




「えー。遊んでよー。ゲームやろー」




「すぐ終わるからさ」




 俺はそう言って仏壇に向かう。高校に入ってからの話を心の中でおじいちゃんに言う。その後すぐに美香とお修也のところに向かおうとしたら




「久しぶり兄さん」




 話しかけてきたのは1個下の従妹---一ノ瀬未海。今年受験生なので未海とはあまり会えていなかった。




「久しぶり未海。勉強の方はどう?」




「嫌なこと聞かないでよ。でもまあまあかな。兄さんのところに入れるように頑張ってるよ」




「え? お前俺の高校に来るの? まあ未海ならいけると思うから頑張れよ! 俺先輩か...」




「そう。今度から兄さんじゃなくて先輩って呼ぶね!」




 学校で兄さんって呼ばれるのは恥ずかしいけど、身内に先輩って呼ばれるのもなんか。そう思っていると




「だいにーに。み―ねえねと話さないで遊ぼうよー」




「あぁ」




 そう言って遊び始める。一緒にス〇ブラやマ〇オ〇ートをやってあげる。久しぶりにやると面白いな。ゲームをした後は携帯をいじっていると森本からチャットが来ていた。




「今週の木曜日に映画でも見に行きませんか?」




 映画の誘いだ。でもなんでオープンチャットじゃなくて個人チャットだなんてどうしたんだろう? 送り間違えたのかなと思い




「ここ個人チャットだよ。それとも二人で行くの?」




 そう送るとすぐに返信が返ってくる。




「うん。シャルちゃんはイギリスに戻るって言ってたし、雪奈と上野は二人でディ〇ニーに行くって言ってたからさ」




 とうとう優輝のやつ、伊藤に遊ぶ誘いができたんだな。これは夏休み明けは付き合ってるとか? そう思いつつ




「じゃあ二人でいっか。見たい映画とかあったら後で教えて」




「わかったよー」




 チャットが終わると後ろに未海がいた。




「兄さん彼女できたの?」




「いやいや、いつも遊んでるメンバーの一人だよ。メンバーが全員遊べないらしくて二人で遊ぶだけ」




「それ絶対故意的に他の子たちが遊べないって言ってるよ」




「そんなわけないよ。それにこの子には俺振られてるから」




「兄さん振られてるんだ。私が慰めてあげようか?」




「やめろ。逆にきついわ」




 二人で話していると夜ご飯が出てきた。刺身や肉など豪勢な料理が出てきて、みんなが来てすぐに食べ始める。ご飯を食べ終わると未海から勉強を見てほしいと言われたので勉強を教える。未海は数学が苦手らしくて、苦戦していたので原理から教えたら最後にはちゃんとわかってくれたのでよかった。




 家族全員で家に帰ろうとした時




「兄さん、今日はありがとう。今度は高校入学の時になると思うけど宜しくね」




「あぁ。勉強が分からなくなったら連絡よこせよ。」




「うん!」




 そう言い別れた。帰宅途中に森本から連絡が来ていて




「今アナと〇の女王2がやってるんだけど見に行かない?」




 その作品は俺も見たことがあったので




「了解!」




「楽しみにしてる」




 俺がスタンプを最後に押して話を終わらせる。その後はラノベを読んで就寝した。




 翌日の朝、ランニングをしていると橋本純と会った。




「こんなところであうとはな。走ってんの?」




「まあそんなところ...」




 するとしかめっ面で




「中学の頃は悪かったな。お前の友達に言われてあいつらみたいな対応ができていればなって思ったよ」




「...」




「でも今更友達になろうって言いたいわけじゃない。でも一言謝りたかった。俺の自己満足だけどさ」




 そう言って去っていった。あいつってあんなこと言えたんだな。でも俺の心情的に友達にはなれないから、ああいってもらえてよかった。そう思いながら走ることを再開する。帰宅後はシャワーを浴びてテニスを見始める。その後シャルロットと少しチャットをした。




 木曜日までは毎日ランニング。後はみんなとチャットをして1日が終わる。




 木曜日になり、集合場所に向かう。いつも通り5分前に着くとすでに森本がついていた。だけど森本は男性2人組と話している。嫌がっているっぽいので




「俺の連れに何か用ですか?」




「この子の彼氏か?」




「そうです」




「ち、彼氏持ちかよ。いこーぜ」




 そう言って立ち去ってくれた。喧嘩になったら絶対負ける自信がある。そう思っていると




「助けてくれてありがとう」




「こっちこそ遅れてごめん。後彼氏って嘘ついてごめん。怖かったろ? そこの公園にでも行こう」




 森本は足が震えていた。だから俺は無理やり座れるところに連れて行った。

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