4話 水族館デート?
シャルロットと水族館に行くための準備をする。この前買った服装に、美容師さんから教わった方法で髪にワックスをつける。いつもの俺と違うなと俺自身が感じる。人は髪形と服装でここまで変わるのか。準備が終わって家を出る。まだシャルロットがいなかったので待っていると
「お待たせしました」
シャルロットに目を奪われる。いつもながら会うたびにかわいいなと実感する。俺はこんな女の子と幼馴染で近所なんだ。ラノベの主人公じゃないか! と少し勘違いをしそうになった。
「待ってないから大丈夫! 今日もかわいいね。似合ってるよ」
すると顔を赤くしながらモジモジし始めて、すぐに
「大輔くんもかっこいいですよ。髪切ったのですね! 似合っています」
二人で褒め合いながらアクア〇ーク品川に向かう。向かっている途中では夏祭りや水族館の話をする。現地に到着すると入場券を買う。二人別々で買うのは面倒なので一緒に買う。二人で4600円。
「お金何円でした?」
「払わなくていいよ」
「そんなわけにはいきません。何円でした?」
「夏祭りのお礼ってことじゃダメ? あの時は本当に助けられたからさ」
「ダメです。おごりはよくありません」
「じゃあお昼を奢ってよ。それでチャラじゃダメ?」
「うーん。ではそれで手を打ちましょう」
少し不満そうではあったが、納得してもらった。入場後にまずは2階に行く。リ〇ルパラ〇イスには色とりどりの魚がいて、内装もすごくきれいだった。
「大輔くん大輔くん。クマノミですよ! あっちはチンアナゴ!」
こんなにはしゃいでいるシャルロットを初めてみた。
「かわいいね」
「そうですよね。私も家で飼いたいです!」
俺たちはそんな感じで話して、次のエリアに向かう。次はパンフレットで書いてあった通り、ロマンティックな海中トンネルであった。
「こんどはエイですよ! おっきい」
「そうだな! すごくきれい。神秘的だ」
二人で呆気をとられていた。俺は永遠とみていられると思うほどすごかった。その後は次々とエリアを回る。カピパラやピラルク、イグアナなどを見ていたらお昼になる。
「お昼食べにいこっか」
「はい」
俺たちはお昼が食べられるエリアに行き、お昼を食べた。食べている最中にイギリスの話になった。
「私はね。前にも言ったかもだけどイギリスにいた時に大輔くんに似た子に助けてもらってるんだ。私の予想だと大輔くんなの。だからお礼が言いたくて。あの時は本当にありがとう!」
「そう言われて覚えてないからな。でも本当に俺だったら、昔の俺によくやったって言いたいね」
笑いながら言うと
「絶対に大輔くんだよ。あの男の子と似てるもん。ママたちに聞いてみよ?」
「了解。俺も聞いてみるよ。それでその男の子どんな感じだった?」
「優しかったよ。あまり話したことがなかった私を助けてくれたし、助けた後もいつも一緒にいてくれた」
「そうなんだ」
その後もその男の子の話が続いた。もしその男の子が俺だったら、昔の俺は正義感がつよかったんだな。正義感が今も無いと言えば嘘になる。でももしシャルロットをいじめていた奴らが俺をいじめていた奴みたいだったら? 助けにでれただろうか? 俺はそんなことを思っていた。
ご飯を食べ終わって、会計をしようとしたらシャルロットが朝言ったことを覚えていて、奢ってもらった。
会計後はまた水族館を回り始めた。魚とは違い、カワウソやオットセイ、アザラシ、ペンギンを見た。二人ともペンギンを見た時はここにきて一番盛り上がる。その後すぐにペンギンのミニパフォーマンスが始まる。席に座ってみていると飼育員さんから
「そこのカップルさん。ペンギンに餌をあげてみませんか?」
そう言われた。俺も少しやりたい。そう思っていたらシャルロットはやりたそうだったので
「カップルじゃないんですけど、大丈夫ですか?」
「男女出来ていたら誰でもカップルですよ。こちらに来てください」
俺たちはそう言われてペンギンに餌をあげる。
「大輔くん。これどうやって上げるの?」
「俺に聞かれても...」
「彼氏さん。ちゃんとしてください! こう言うのは前もって勉強しておくものですよ!」
この飼育員は何を言ってるんだ? 普通は水族館に来るって知っててもペンギンの餌やりの勉強なんてしないだろ! 俺はそう思いながら
「教えてください」
そう言って教わりつつ二人で餌をあげる。
餌やりが終わり、席に戻ると
「かわいかったね! ペタペタ歩いてたし!」
「あぁ。めっちゃ可愛かった」
なんやかんや楽しかったな。いい体験ができた。ショーが終わり、最後のエリアに向かう。
この水族館名物のイルカショー。
ウォータ―ガーデンや照明に合わせてイルカが演出するのを見てすごいと思った。ショーが終わり
「すごいねすごいね。私こんなの初めて見た!」
「俺もだよ」
二人でショーの話で盛り上がる。水族館で見ることもなくなったので帰宅する。
「今日は楽しかったね」
「うん。楽しかった。また来たいね」
「うん。でも今度はまた違うところに行きたいな」
「じゃあ今度は違う所にいこっか。」
「日本に居れるうちにいろいろなところ見たいし...」
「え? 日本に居れないの?」
「違う違う...」
俺は突っ込んでいいかわからなくてこれ以上は聞かなかった。家に着く前に
「私、1週間ぐらいイギリスに帰省するから」
「そうなんだ! じゃあ次遊べるのは夏休み最後だね」
「うん! お土産期待してて」
笑いながら言い、家に入っていった。俺はさっき言っていたことは帰省の事なんだなってホッとした。
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