2章 それぞれの関係

1話 夏休みの予定

 みんなと遊ぶこと以外で夏休みにやることがない。俺は毎日暇な時間を勉強かテニスの観戦に費やして日々を送っていた。今日も暇なので、テニスを見ていた時にインターホンが鳴った。




「大輔くんいますか?」




 インターホンを押したのがシャルロットだった。俺はすぐに家を出るとシャルロットがかわいい服装で立っていた。服装がすごくかわいくてドキッとした。




「学校が終わった日に大輔くんのお母さんが私のママになんか話してたんだけど、なにかあったのかなって思って...。大輔くん何かあったの?」




「うん。優輝にはいったんだけど、俺さ記憶なくしてるんだよね。だけどいつまでも後ろは向けないなと思って、学校が終わった日に母さんから俺の過去を少しずつ聞き始めたんだ」




「え? 大輔くん記憶なくしてるの? ごめん。不用意に聞いちゃって」




「いいんだよ。みんなにも言うつもりだったし。それで分かった事なんだけど、俺イギリスに住んでたらしいんだよね! もしかしたらシャルロットと会ってたかもね」




「え? そうなの! 私さ小さいころに日本人の男の子とすごく仲が良かったの! もしかしたら大輔くんかも! 面影が少しあるんだよね」




「そうなんだ。俺は覚えてないからわからないけど、シャルロットと小さいころからあってたら幼馴染ってことだね。外熱いし俺の家に入る?」




 俺が家に誘うと、シャルロットはビックリした顔でこちらを見てきた。その後すぐに平常運転に戻り




「じゃあお邪魔しようかな」




 と言い家に入れた。




「居間でいいよね?」




「うん。大輔くんの部屋もちょっと見てみたいけど...」




「さすがに俺の部屋には入れさせられないよ。付き合ってない女の子を自室に入れたらね...」




 すると顔を赤くして




「そうだよね」




 居間に案内するとすぐにゲームやアニメの話などが始まる。シャルロットは本当にアニメが好きで、少年漫画のアニメから深夜アニメまでよく知っていた。アニメの話をしていたら2時間たっていたので、お昼ご飯を作る。簡単な料理のスパゲッティだったけどおいしそうに食べてくれたので嬉しい。食べた後にシャルロットが私も今度ご馳走しますと言ってくれた。俺はその言葉が社交辞令と知ってるけど、期待してしまった。かわいい女の子から料理を出されたらなんでもおいしく感じられそう。お昼を食べた後はアニメがゲーム化されたのをプレイした。




 夕方5時になり、シャルロットが家に帰る時間になると




「大輔くん。勝負の事覚えてますか?」




 と尋ねられた。俺はもちろん覚えているので




「うん。覚えてるよ。俺と1日何するの」




「それはですね。私と水族館に行きませんか?」




「いいよ」




「日程はまた後日に決めましょう! 今日は楽しかったです。また遊んでください。バイバイ」




「バイバイ」




 シャルロットが家から出た。




 遊ぶ場所は水族館か。小さいころにしか行ってないから楽しみだな。クジラとかイルカが見たい。俺はそう思い、首都圏にある水族館を調べ始める。サンシャ〇ン水族館かアクア〇ーク品川はすごくきれいな場所で有名らしい。俺はその二つをより詳しく調べていく。アクア〇ークは15分間も音楽や照明に合わせたイルカたちの泳ぎがみれるらしい。それがすごく気になったのでここにするかどうかをシャルロットに相談しようと思った。




 水族館のことを調べた後は部屋でラノベを読む。今は待っているのは青髪の鬼の女の子が出てくる話で、グロいシーンなども多いがすごく面白い。読み進めてたらすでに11時。風呂にでも入るかと思ったら、グループチャットが来た。




 優輝 「来週の土曜に夏祭りがあるんだけどどう?」




  俺 「ok」




 伊藤 「いいよ。結衣にシャルちゃんは浴衣一緒にきてこ」




 森本 「浴衣ね。了解!」




 シャル「浴衣持ってないです」




 伊藤 「じゃあ買いに行こ! 結衣一緒にね」




 森本 「いいよ~」




 夏祭りの日程が決まったので、俺と優輝も個チャで甚平を着ていくことになった。夏祭りは家族では2年前ぐらいに行ったが、友達と一緒に行くのは初めてなのですごく楽しみだ。チョコバナナ食べたいな...。寝る前に母親に




「俺とシャルロットって小さいころにあったことある?」




 俺が尋ねると




「あるわよ。アークレイ家とはイギリスでもご近所さんで、仲がよかったのよ」




「じゃあなんであった時に言わなかったの?」




「あの時は大輔がまだ決心ついてなかったじゃない。だから私がオリビアに黙っててって頼んだのよ。シャルちゃんとは幼馴染だから大切にするのよ?」




「わかってる。大切な友達だから」




 俺が言うと母親はニヤニヤしながら




「大切な友達ね~」




 と言ってきたので、母親に気持ちを悟られないために自室に戻った。




 あっという間に夏祭りの日になった。俺は甚平に着替えて外を少し歩いていると




「あれ? 一ノ瀬じゃない? 私だよ。覚えてない? 岩下花音」




 そこに現れたのは中学時代によく話していた岩下だった。


読んでいただきありがとうございます。

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