15話 前を向くために
生徒会室に入るとすでに1年生が3人いた。
「君が最後だね。まず生徒会について説明しようか。うちの学校は生徒会長と副会長が1人づつで、幹事と庶務が2人づつの計6人なんだ。生徒会長と副会長が3年で幹事が2年、庶務が1年にやってもらうことになる。今いるのは男女2人だから、男女1人ずつ落ちるってことだね」
「俺が、生徒会長の柊湊。副会長が時枝七海。幹事が神代仁と橘楓だよ。今日はこのメンバーを紹介することが目的で、選考方法として、俺たち4人と生徒会担当の先生方と話して決める。じゃあ結果は2学期の最初になると思うから気長にまっててね」
俺たちは生徒会長に言われた後すぐに生徒会室をでる。その後誰とも話さずに帰宅をした。
今日の話で言っていたが2分の1で落ちるってことだもんな...。まあ入れなかったら入れなかったってことでいいんだけどやっぱり落ちたらショックだろうな...。後2日学校に行ったら夏休みだから一旦生徒会のことは忘れよ。
次の日は特に何もなく終わり、学校最終日。
家を出るとシャルロットが待っていてくれて
「ごめん。いつもいつも待たせて」
「いいんですよ、行きましょ。今日で最終日ですね。」
「そうだね」
俺たちはいつも通りの会話をして学校に向かう。学校に着くとすぐ、荷物の整理とクラスの掃除が始まる。掃除と言っても机やいすの底についてるホコリをとる作業なのですぐに終わった。みんなが終わったころ合いで先生が
「今日で1学期は終わりだ。夏休みは思いっきり遊べよ! 来年からは受験を意識して、思う存分遊べない奴とかいるだろうからな。じゃあ成績を返すが評定は3学期に出るため、今返すのは中間期末の平均点だ」
俺はどこか安堵をしながら成績表を返された。返された後は特に何もなくホームルームが終わる。俺はいつもの5人に
「今から昼ご飯でも食べに行かない?」
みんなに提案する。すると全員がokを出したのでお昼を食べに向かう。今日食べる場所はガ〇ト。俺はチーズインハンバーグを頼んだ。女子たちは全員魚介のクリームパスタを頼んでいて、優輝は300gのステーキだった。頼んだら伊藤が
「一ノ瀬と上野って昼から肉食べるんだね。私じゃ無理」
「まあおなか空いてたらいつでも食べれるだろ」
「いやいや、俺は朝から脂っぽいものは食えない」
なんの変哲もない話をしてご飯を食べ終わると
「そういえば、大輔は生徒会どうなった?」
「男女2人の合計4人いて、男女1人ずつが受かるらしいから50%の確率で落ちるな。合否は2学期はじめだってさ」
するとシャルロットと伊藤が
「そうなんですね。でも入れなかったとしても学校がつまらなくなるとかじゃないので気楽に待ちましょう」
「そうそう。落ちたって私たちがいるじゃん」
と慰めてくれた。その後みんなと散歩をしていたら、俺と森本の二人にされた。森本は真剣な顔で俺に
「一ノ瀬。私たち今友達だよね?」
「うん」
「これ以上はもうない?」
「これ以上とは?」
「その...。恋人とゕ」
最後の方は聞き取りずらかったけど、恋人って言わなかったか?森本は俺の事を振ったのに俺と付き合う可能性があるって言ってるのか。俺は今のところ誰とも付き合う気はない。
「それはわからんな。でも今は誰とも付き合うつもりはないから。だから今のところ恋人は作らないつもり。森本のことを恋愛的に見てないわけじゃない。まだやっぱり少し気になってるし」
「そっか! わかった。夏休み楽しもうね」
俺たちが話し終わったタイミングでみんながこっちに来た。まあ友達とは言った後、あまり話せてなかったからいい機会をもらったなと思った。俺がみんなに
「じゃあ今度集まるときは夏休みだな」
「「「「うん、おう」」」」
と言い、シャルロットと帰宅した。帰宅途中に
「大輔くんは今のところ彼女を作るつもりはないって言ってましたが、本当ですか?」
おれはさっきの話を聞かれてたのかって思い、顔が赤くなる。
「うん。今のところはね」
「そうですか。じゃあ夏休み楽しみましょう!」
シャルロットと別れた。家に帰ると俺は勇気をもって
「母さん、父さん。俺の過去を少しずつでいいから教えてほしい。」
すると母親と父親は驚いた顔を見せて、母親は泣き始めた。
「大輔が小さいころに海外に住んでいたって言ったよね? 海外とはイギリスのことよ」
やはり予想通りの回答だった。
「じゃあシャルロットたちと一緒のところに住んでたんだね」
「向こうの話は長くなるから後日に追い追い話すわ。他には正義感が強い子。」
その後もいろいろ話してくれたが、最後に
「大輔には日本に来てからずっと一緒に遊んでた友達がいるわ。」
え? と思いながら
「男? 女?」
「男の子で橋本純って名前の子よ」
俺はその子が誰だか思い出せなかったので考えていた。すると母さんがシャルロットのお家に行ってくると言いいえを出た。シャルロットの家でなにするんだろう...。
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