5話 テスト返却と転校生

 中間試験の1週間前になり、クラスメイトが焦り出して来た。今日ラストの授業で




「先週行った休み明けテストを返すぞ」




 と立川先生がいいテストが返された。返却後に伊藤さんが




「一ノ瀬くん、上野くん、結衣ちゃんテストどうだった?」




 問いかけてきて、優輝が




「俺は全体が53位、英語が12位だよ。他は真ん中よりちょい上だったな」




 学年全体が359人で53位だと上位20%に入っている。




「私は全体が270位、全てがだめだったなー」




 伊藤さんがそう答えると、森本さんが




「私は全体が11位、国語と英語がTOP10だったわ」




 と言われた。森本さんって頭いいんだな。最後に俺は




「全体が9位、数学が3位だったよ」




 と答えた。そしたらみんなが




「「すご」」




 伊藤さんと優輝が二人答えてきて、森本さんが




「...」




 「優輝飯一回奢りな!」




「負けたわー、順位が一桁とか反則だろ」




 とか言いつつ、飯の約束をした。また生徒会に入る第一段階はクリアしたからほっとしていたら、先生が




「突然だがイギリスからの転校生が来た。シャルロット・アークレイさんだ。仲良くするように、席は今から席替えをするから。」




 男子はリアル金髪美少女、巨乳、スタイルがいいだのと騒ぎ、女子はお人形さんみたいと騒いだ。




「今日からよろしくお願いします。シャルロット・


アークレイです。英才教育を受けていたため、日本語が話せるので気軽に話しかけてください。」




 シャルロットさんが小声で挨拶をすると




「では席替えをするが方法は公平性を考えてくじ引きだ」




 くじ引きが終わって、俺の席は窓側の一番後ろの席で、隣がシャルロットさん、前が優輝、斜め前が森本さん、森本さんの前が伊藤さんとなった。




 「隣になった一ノ瀬になんでも聴いてくれ、後一ノ瀬はシャルロットさんが困っていたら助けること。」




 と周り的には金髪美少女と話せるから役特だと思われているが、俺的にはまだ振られた後だからなんとも言えない。別に金髪美少女と話せるから理想なのだが気持ちの整理ができていない。




「よろしくねシャルロットさん、俺は一ノ瀬大輔、前のやつが上野優輝。」




 そしたら伊藤さん突然会話に入ってきて、




「私伊藤雪奈、でこの子が森本結衣ねよろしく!」




 シャルロットさんが小声で




「よろしくお願いします...」




 と答えた。




 俺はここ最近この4人で一緒にいるけど、振られている身としては森本さんとはあまり話したくはない。だけど俺が告白してから森本さんはクラスで浮いてしまって、話す相手が女子では伊藤さんしかいない。俺ら含めてもこのメンバーしか話す人がいないから友達が増えるまでは自分の気持ちを抑えてでも話そうと思っている。




 ホームルーム後はクラスメイトがシャルロットさんに質問攻めをしていて、シャルロットさんがタジタジしていたので、




 「今日の質問は女子だけにして、明日以降は男子からも質問をするって感じにしようよ。シャルロットさんも困ってるしさ」




 と答えると、




「そんなの不公平だよ、女子だけずりーよ」




 などの声が聞こえたが優輝が




「女子同士で話した方が気持ち的にも楽だし、今質問攻めしても男子は苦手意識やら最悪嫌われるぞ!





「まあ、そうゆう理由なら...」




 男子はみんな帰っていった。




 そして女子の質問攻めを受けていたが、伊藤さんがうまく対処してくれて今日の質問攻めは終わってから俺が




「今はテスト期間で部活動がやってないからテストが終わってから紹介するね。もし俺が無理なら伊藤さんにでも頼ってね。話す相手も向き不向きがあると思うしさ」




「わかった...」




 俺はそう言って帰宅した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る