第7話 やはり内助の功
結局今回も、乙女座での接点に助けられそうな予感。
そこで勘太郎は、またまた乙女座の店内防犯カメラの映像を確認し始めた。
木田も、もちろん同席している。
ただ、今回は、鑑識が2人来ている。
『案の定、来てますね。』
水田七奈美と、その仲間達。
たこ焼きパーティーの参加者も、写っている。
その間にも、数個の空コップが運ばれて来ている。
水田七奈美と、付き合いのあった人物が来店している。
鑑識2人が、手際良く指紋を採取していく。
木田は、現在来店中のカメラを見ている。
『小林、連れて来たら良か
った。
小便交代も、ままならん。』
木田は、ぼやいたが。
確かに、ガチガチに見張るのなら、一瞬の見逃しが許されない。
『警部補・・・
録画してますので、後から
見られますよ。
まだまだ、先は長いんです
から、そこまで頑張らん
でも。』
それを聞いて、安心したような顔で、トイレに行った木田と入れ違いに、萌が、たこ焼きと焼きそばを持って来た。
『お腹、空きますでしょう。
近くに、たこ焼きとお好み
焼きと焼きそばの専門店が
開店しましたので、お近づ
きに、出前してみまし
てん。』
『粉物ばっかりで、祇園で成
り立つんやろか。』
勘太郎には、疑問であった。
『粉物屋淡路と、申します。
どうぞ、ご贔屓にお願いい
たします。』
そこに、木田が帰って来て。
『おっ・・・
流石、萌ちゃん。
気が利くなぁ・・・
勘太郎に、爪の垢飲ました
って。』
『もう、警部補さん・・・
あっ・・・
淡路さん、こちら、京都府
警察本部捜査1課の木田警
部補さんどす。
隣が、私の主人で、
その隣は、鑑識課のお2人
どす。』
と紹介した時、勘太郎が。
『ちょうど良かった。
淡路屋さん、ちょっと教えて
もらえますか。
ヒョウモンダコって、値段
は高いですか安いですか。』
それを聞いて、淡路は。
『そんな危ないもん、使えま
すかいな。
使う知識と技術のある職人
雇わなあきませんし。
ヒョウモンダコ自体、市場
に出回りませんので。』
『ということは、一般的な仕
入れは難しいですか。』
『難しいどころではありま
せん。
我々でも、不可能です。
だいたい、漁師さんが、漁
場で捨ててしまいますよ。』
よほど親しい漁師がいて、頼み込んでも、相当金額を積まない限り譲ってもらえない。
万が一、事故でも起これば、漁師も罪に問われる可能性がある。
『これは凄い情報やで、勘
太郎。』
木田は、すでに次のステップを考え始めている。
『ところで旦那さん・・・
なんでそんなこと。』
勘太郎は、事情を打ち明けた。
すると、淡路は、激昂して。
『たこ焼きを、そんなことに
使うやなんて許せません。
私で出来ることなら、なん
でもご協力させていただき
ます。』
淡路は、心底たこ焼きを愛しているようで、並々ならぬ愛情を持ってたこ焼きを焼いていることがわかった。
『ほんで、後片付けだけして
あったんですか。
たこ焼き器を何やと思てる
んでしょう。
たこ焼き器だけやないです
けど、鉄板いうもんは、あ
る程度、冷ましてからしか
、洗ろたらあかんのです。
熱いうちに水かけたりする
と、少しずつ縮んでしまい
ますねん。
そのうち壊れて、使いもん
にならんようになってしま
います。』
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