【お急ぎの方へ☆サクッとネタバレ】Episode3-B 食い物の恨み
結論、那美が盗み食いしていたのは半魚人の刺身。
幼き頃より、”超”犬猿の仲の姉弟、那美と仁志はともに二十歳を超えた今も実家で同居中。
姉・那美は、凄まじいデブスの上に不潔であるばかりか、わざと弟・仁志の嫌がることばかりをするという性悪だった。
仁志が共有の冷蔵庫に入れていた食べ物を那美が盗み食いするのも、ほぼ日常茶飯事といえた。
ある日、仁志が友人の魚崎(どこか冷たい目のイケメンで金持ちの息子)から分けてもらった刺身を持って帰ってくる。
案の定、刺身を盗み食いする那美。
その後も、仁志が刺身を持って帰る⇒那美が刺身を盗み食い⇒仁志が怒る、というループが何回か繰り返された。
だが、仁志はわざと那美に刺身を食べさせるように仕向けていたのだ。
「わざと仁志の嫌がることをする」ならびに「するなと禁じていることをしたがる」といった那美の性質を、仁志は逆手にとっていた。
さらに言うなら、那美が食べているのは”半魚人の刺身”……しかもまだ生きている”半魚人の刺身”であった。
以前、仁志と魚崎がクルージングに行った時、魚崎のクルーザーに半魚人がぶつかってきた。
仁志は、捕らえた半魚人を海外の研究機関に売りつけて金儲けを考えた。
しかし、魚崎は「傷を負ったこの半魚人を陸へと――俺の家の地下室へと連れて行く。そこでこいつには絶命するまで、俺の選りすぐりの拷問というゲームを受けてもらうことにする」と……
魚崎は、本物のサディストであった。
自宅の地下室に監禁した半魚人に対して、片方の目を抉る、ハンマーで殴りつける、皮膚をはがす、電気ショックを与る、火で焙る、塩酸をかける、”腕や足の肉をじわじわ削ぎ落す”といった、ありとあらゆる拷問を行っていた。
しかも、半魚人自体の生命力は尋常でなく強いため、これからも(那美に食べさせる)刺身ととして身を削ぎ落されるばかりか、サディスト・魚崎の凄まじい拷問を受け続けることは明らかであった。
そのうえ、半魚人の刺身を食べさせられている那美が、ますます半魚人ぽっくなってきていると仁志は言う。
魚崎はもう一体、半魚人を手に入れることができるかもしれない。
そして、仁志も”愛する魚崎”のためなら、(元から大嫌いであるが)自身の姉を差し出したって構わない、とも。
磯臭い地下室で、唇を重ね合い、舌を濃厚に絡ませあう仁志と魚崎。
そう、この二人はいわゆる”アッー!な関係”でもあったというオチも、最後についた。
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