展示NO.7 真円
至高にして唯一、空刻イズムの到達点
失意の入院生活の中、空刻は意外な人物と再会します。
空刻の新しい担当医。それは彼の家庭教師だった医学生だったのです。彼女は医師として、偶然空刻の入院した病院に勤務していたのです。実に二十年ぶりの再会でしたが、彼らが旧交を温め直すのに時間はいりませんでした。
空刻は彼女への素直な気持ちを打ち明け、彼女もそれを受け入れます。病状が回復し退院が決まると、二人は結婚しました。
国内を巡る短い新婚旅行が終わると、空刻はすぐに新作の創作に取り掛かります。
四日間工房に篭った彼は、このメガネを生み出します。
正確に真円を描くレンズは左右それぞれ二枚の、純度イレブンナインの極薄水晶で構成されており、その間に不凍糖ペプチド液が封入されています。フレーム、ブリッジ、テンプル部分は空刻の作品としては珍しい檜材の削り出し。それをバーナーを用いて焼き目を付けてありシックな風合いの中にも温かみを感じさせます。美術メガネ界の巨匠、カウオーノ・イッチーブをして「メガネオブザメガネズ」と言わしめた空刻至高の逸品です。
彼はこれを完全オーダーメイドで受注生産とし、その予約は彼が鬼籍に入るまで絶えることはありませんでした。
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