第113話 1560年9月『茶室』(2)
じゃあ、上洛&即位の礼に参加するのは俺と竹中さんの二人が決定で、多分、伊東さんも来るという事でいいのかな?
はい、私は何としてでも上洛するつもりです。もちろん即位の礼にも参列する予定です。
伊東義益
そうですね。今回のは只の上洛じゃなく、即位の礼に続いて
安東茂季
御大典? 何それ?
小早川繁平
私も御大典は知りません? 何か特別なのでしょうか?
一条兼定
即位の礼は、みんな知ってるよね?
じゃあ、大嘗祭は?
安東茂季
そこからお願いします。
小早川繁平
私もそこからです。
一条兼定
大嘗祭の前に。
で、即位の礼の後に行われる最初の収穫祭を大嘗祭って呼ぶんだ。
ここまでOK?
安東茂季
OKです。
小早川繁平
私もOKです。
一条兼定
御大典はこの即位の礼と大嘗祭をひとまとめにした呼び名だよ。
まあ、一人の帝で一回しか行わないから、歴史的なイベントと言えば歴史的なイベントだな。
小早川繁平
一条さん、ありがとうございます。
おお! それは凄いですね。私も参加は出来ずとも遠くから見たいものです(羨望
安東茂季
一条さん、ありがとうございます。
俺も参加したいけど、長尾景虎が来ている関東を往復する勇気はないなあ。
最上義光
自殺行為ですよねー、安東さん(白目
伊東義益
知らなかった。新嘗祭なんて初めて聞く単語だ(笑
竹中重治
一条さん、詳しいですね。
一条兼定
詳しいというか、勉強したり中央とやり取りしたりしているうちに自然と憶えた。
伊東義益
本当、変わりましたよね。人って環境で大きく変わるんだとしみじみ感じています。
竹中重治
そうですねー。一条さん、最初は自分が誰かも分かっていませんでしたからね。
北条氏規
そうそう、「俺だれ?」って聞かれた時には、『こいつ、ダメだ』と思ったものです(笑
一条兼定
皆、酷いなあ。
今川氏真
人間成長するってことで、いいんじゃない?(笑
北条氏規
大丈夫、今川さんはもっと変わったから(笑
安東茂季
一番変わったのは今川さんだよね。
最上義光
ええ、そう思います。桶狭間の前と後では『茶室』を通じても分かるほどに変わりました。
小早川繁平
実際に会っていませんから、『茶室』を通じてしかしりませんけどね。
安東茂季
そうかあ。『茶室』じゃなくさ、いつか実際に会って酒を酌み交わしたいな。
伊東義益
そうですね。全国を平定したら八人全員で思い出話なんていいですね。
竹中重治
そうかあ、北条さんと今川さんは会っているんですよね。それと一条さんと伊東さんも。
最上義光
そうか、まだ誰ともあってなかったな。
安東茂季
お、今度会う? 最上さん。
最上義光
東北で共同戦線を張るときに会いましょうか? それとも両側からトンネルを掘るみたいに街道を整備を進めて中間地点で打ち上げでもしますか?
安東茂季
なんだか夢のない会談だねぇ。
一条兼定
竹中さん、私と伊東さんと竹中さんは即位の礼で会えるじゃないですか。
伊東義益
そうですねよ、一条さんと竹中さんのお二人とお会いするのが楽しみです。そのときは三人だけで酒を酌み交わしましょう。
竹中重治
三人だけで、ですか? 家臣に怒られそうですね(笑
一条兼定
真っ先に
竹中重治
私も真っ先に
今川氏真
やっぱり皆、頭が上がらない家臣がいるんだな。
北条氏規
そりゃあ、いますよ(苦笑
傍から見れば若造ですし、中身も戦国の常識を知らない困ったちゃんですからね、私たちは。親身になって怒ってくれる人はありがたいです。
最上義光
妹の顔が真っ先に浮かんだのは内緒だ(笑
一条兼定
最上さんはシスコンだからねぇ。
伊東義益
ロに続いてシか。まだまだ出てくるのかな?
安東茂季
伊東さんも十分にロの
伊東義益
いやいや、この時代なら普通ですよ。私や竹中さんは。ね、竹中さん?
(うわー、何かチラッと予想はしたけどこっちに話が来たよ)
竹中重治
嫁さんの話は後にしませんか?
(また北条さんが騒ぎ出して話が逸れそうだし。ってか、既に逸れている気がするが、あからさまに軌道修正すると突っ込まれるよなあ……)
一条兼定
さあ! 話を再開しようか!
それで即位の礼に参加出来そうな人は他にいない? 今川さん、名代を立てるとかもしないの?
今川氏真
名代かあ……ちょっと考えておくよ。
北条氏規
武田信玄と相談して、うちと今川さん、武田の三家は名代を出すようにした方がいいかもしれません。
そうなると長尾景虎は即位の礼には不参加・名代も無し、となります。
今川氏真
なるほど! それなら近隣勢力にも声を掛けて、俺や北条さんの名代が率いる軍勢に同行させよう。参列は出来ないとしても挨拶の品物を朝廷の誰かに渡すくらいは出来るだろ?
竹中重治
いい考えですね。傍からは関東の諸勢力が北条さんや今川さんの
一条兼定
実際、こういうのって傍からどう見えるかが大事なんだ。是非、やろう!
北条氏規
では、私は諸勢力の取り込みと並行して、『即位の礼への同行』をチラつかせましょう。
今川氏真
楽しそうだな、それ。俺もやろう(笑
竹中重治
私は浅井家、朝倉家、北畠家を伴って上洛します。一応、六角家にも声を掛けるつもりですが、怒られそうです(笑
それとですね、妻の恒殿を連れていきます。
北条氏規
嫁さん同伴で上洛? 前代未聞ですね(笑
今川氏真
それも面白そうだな。何だか無性に上洛をしたくなってきた。
伊東義益
嫁さん同伴で上洛かあ。何だか余裕がある感じがしていいですね。
一条兼定
やろう! 伊東さん、俺たちもそれ、やろう!
伊東義益
え? 阿喜多殿を連れて行ってもいいんですか? 危ないことは危ないですよ?
一条兼定
伊東家、竹中家、一条家の連合軍相手に何か仕掛けて来るとか考え難いよ。実際に仕掛けてきたら返り討ちに出来るだけの兵力を用意しよう。
仮に留守中に城を奪われても俺たちが無事ならすぐに奪い返せるよ。
竹中重治
ある意味真理ですが、何とも乱暴な話ですね。
伊東義益
いや、元凶は竹中さんですからね。
竹中重治
いや、すみません。まさか同調されるとは思いませんでした。
安東茂季
同調するだろ(笑
俺だって嫁さんを連れて上洛出来るならやってみたいよ。そして驚き、あきれる他の大名たちを
最上義光
上洛組が羨ましい。地方なのが、遠いのが恨めしい。
一条兼定
じゃあさ、竹中さん。弟さんの嫁さん選び、竹中さんの奥さんにも同席してもらってそのときにやっちゃおう。
お菓子をエサに公家の娘を集めるから、その席に奥さんも参加させてよ。もちろん、うちの嫁や伊東さんのところに嫁いだ妹も同席させるから嫁さん選びだとは分らないって。
今川氏真
いや、分かるだろ、それ。
小早川繁平
なんだか、楽しそうになってきましたね。
北条氏規
公家の娘を集める? 嫁さん候補? 本当にやるんですか、一条さん!
一条兼定
元々計画していた事だし、こんな機会滅多にないからやるよ。
北条氏規
よし! 私も上洛します。何とか頑張って長尾景虎の足止めをします。今川さん、竹中さん、最上さん、協力してください!
今川氏真
北条さん、あんた総大将だろ?
最上義光
協力はするけど、さすがに北条さんが上洛するのは無理でしょ。
竹中重治
それは北条さんが即位の礼に参列したら長尾景虎は悔しがるでしょうが、それって火に油を注ぐだけですよ。
北条氏規
それはそれとして、上洛出来るようにギリギリまで頑張るつもりです。いよいよとなったら、諦めます。
伊東義益
何というか、『頑張ってください』としか言いようがありませんね。
(伊東さんが匙を投げた)
一条兼定
俺も少し悪乗りしたかもしれない。北条さん、考え直さないか?
北条氏規
何か策を講じましょう。具体的にどうするかは後で考えます。
小早川繁平
影武者?
北条氏規
それだ! 影武者です! ありがとうございます、小早川さん!
(なるほど、上の二人の兄が存命だから影武者は立てられそうだな)
今川氏真
影武者かあ……
北条氏規
(いや、それ無理がある)
小早川繁平
もはや、影武者でも何でもないような……
安東茂季
長尾景虎を舐めてない?
最上義光
舐めてるね。
今川氏真
長尾景虎の脅威よりも、ロリ姫の魅力か。
竹中重治
総大将としての人望が消し飛びませんか?
北条氏規
ご心配ありがとうございます、竹中さん。でも大丈夫です! 表向きは即位の礼への参列と朝廷とのパイプ強化。戦の
細かい設定や演出はこれから考えますが、人望を失う方向には向かせません。
伊東義益
利用するつもりではあるんですね。
一条兼定
よし、分かった! 北条さんの決意に応えよう! 公家の末端まで含めてロリ姫を集めて見せるぜ!
北条氏規
おお! 一条さん! よろしくお願いします!
一命を賭して京へ向かいます!
最上義光
おお! 二人が燃えている。
安東茂季
なんとも羨ましい話だなあ。私と最上さんは完全に蚊帳の外ですね。
今川氏真
もし北条さんが上洛するなら、そのときは俺も早川殿を連れて上洛するわ。
伊東義益
なんだか賑やかになってきましたね。
一条兼定
これは気合をいれて準備をしないとな(笑
小早川繁平
あのー、盛り上がっているところ申し訳ありません。
皆さんの上洛に併せて、私も毛利領を脱出しようと思っています。行先はかねてから声をかけて下さっている一条さんのところです。
その相談をしてもよろしいでしょうか?
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