第96話 1560年8月『茶室』(2)
尾張攻略戦。前半部分をさらりと流し、
竹中重治
という感じで、
これで
ですが、このままでは
伊東義益
佐久間信辰を織田信長の下へ送り込める訳ですから、彼を使って『三河守の官位を騙らせて嫌がらせ』は進められそうですね。
三河方面は十分すぎる成果じゃないですか。
最上義光
九鬼嘉隆と九鬼水軍も手に入れたんだし、
そうなれば北畠具教も
竹中重治
報告忘れていましたが、浅井賢政が六角義賢に戦を仕掛けました。うちが尾張攻略戦に乗り出すのとほぼ同時です。
北条氏規
野良田表の合戦か! 浅井賢政は予定通り勝利出来そうですか?
一条兼定
さすがにまだ分からないでしょう。
最上義光
史実通り勝利すれば北畠具教の牽制くらいにはなるでしょう。
竹中重治
何が起こるかは分かりませんが、順当に行けば浅井賢政の勝利は間違いないと思います。
(史実以上に兵力は充実しているし、火縄銃も五十丁程貸し出している。まず浅井賢政の勝利を信じて大丈夫だろう。さらに六角義賢から見れば、浅井賢政の背後を美濃が狙っているように映る)
安東茂季
俺はあんまり歴史に詳しくないけど、北畠具教は迂闊に動いて自滅しそうなイメージがあるな。
今川氏真
北畠とはまだ揉めて欲しくないな。
小早川繁平
何というか、災難でしたね。
北条氏規
竹中さん自身は何か腹案はあるんですか?
竹中重治
予定通り、
幸い、北畠家は織田家に対して悪感情を抱いています。当初の計画からすれば効果は悲しい程に低くなりますが、それでも何もしないよりはマシかな、と。
安東茂季
北畠からすれば、宿敵の織田家に攻撃を仕掛けていたら、突然、竹中さんが出て来て津島港を横取りされた感じか。
小早川繁平
トンビに油揚げをさらわれた心境かな。
伊東義益
津島港は油揚げどころの価値ではありませんから、さぞや悔しい思いをしたでしょう。
最上義光
もっと悪いよ。自分のところの軍勢をボコボコにされた挙句に総大将が生け捕りだからね。
(改めて他人の言葉として出て来ると、結構ひどい事したんだな、俺)
小早川繁平
最大の問題は北畠の軍勢と鉾を交えた事でしょうか? それとも、
伊東義益
どっちもでしょうね。木造具政は名門北畠家の人間ですから、戦に負けて生け捕らえられるなんて、我慢ならないでしょう。
北条氏規
木造具政は無傷で返すとして、大橋重長に
竹中重治
そこで一条さんにお願いがあります。朝廷から北畠具教に『竹中家と揉めない様に』との手紙を頂けないでしょうか。
一条兼定
OK。帝から北畠具教に直接手紙を書いてもらえるように頼んでみるよ。
追加で献金する事になるかもしれないけど。やる価値はあるんじゃないかな。
竹中重治
ありがとうございます! 一条さん、仲介をお願い致します。
伊東義益
なるほど、それは妙案ですね。
最上義光
帝の手紙一枚で言う事聞くかな?
安東茂季
北条氏規
ダメ元でもいいじゃないですか。やりましょう。それに北畠具教に効果があるなら、長尾景虎には間違いなく効果があります。前哨戦ではありませんが、試してみましょう。
今川氏真
ここで竹中さんが上洛できずに北畠具教と開戦って事になったら俺も北条さんも困るしな(苦笑
竹中重治
皆さん、ありがとうございます。
一条さん、宜しくお願いします。
一条兼定
OK。竹中さんが上洛するときに献金を持ってくる、ってことで話を進めても大丈夫?
竹中重治
はい、それでお願い致します。
帝からの手紙が北畠具教に届くまでは、のらりくらりとかわして戦争状態にならないように頑張ります。
北条氏規
そうなると、年内に交戦状態になるのは私のところと一条さんのところですね。目先の里見義堯に続いて長尾景虎。一条さんのところが
安東茂季
竹中さんは北畠との交戦を避けられれば、上洛は可能なの?
竹中重治
途中にある浅井と六角は何とかなるので、ある程度の軍勢を率いて行けば大丈夫です。というか、何としても上洛します。
東の
肝心の西側、京までのルートですが、近江は問題なく抜けられるので怖いのは三好くらいです。
一条兼定
OK、竹中さん。こっちからも圧力をかけるよ。
どうせ俺も竹中さんと同じタイミングで上洛するんだし、軍勢を引き連れていっちゃうよ。うちだけじゃなく、
伊東義益
タイミング的には西園寺攻略からの流れで上洛でしょうか? それなら西園寺攻略に出した援軍の一部をそのまま一条さんの上洛に同行させますよ。
数は少ないかもしれませんが、政略結婚をしたばかりの一条家と伊東家の関係が良好であることを中央に見せる良い機会じゃないですか。
一条兼定
お! それいいね。伊東さんも一緒に上洛しちゃう? 伊東家、一条家、長宗我部家の連合軍を率いての上洛、ワクワクするねぇ!
伊東義益
楽しそうですけど、どうでしょうね。まあ、タイミングが合えば(笑
竹中重治
一条さん、伊東さん、助かります。
安東茂季
伊東・一条・長宗我部が海から、陸からは竹中さんの軍勢!
小早川繁平
それは凄そうですね。竹中さん、浅井賢政にも軍勢を出してもらう事は出来ませんか?
どうせなら、思い切り目立ちましょうよ。
最上義光
警戒されない?
一条兼定
おお! いいねー、それ。派手に上洛しようか。
安東茂季
警戒されるよりも、脅威と受け取られるんじゃないかな? もしそうなら、正面切って仕掛けて来なくなる可能性の方が高い?
今川氏真
警戒されるとか、されないとかじゃなくさ、俺たちの繋がりが周囲に悟られる方がデメリット大きいんじゃないの?
北条氏規
長宗我部や浅井のように我々と無関係な勢力と一緒に行動する方がカモフラージュになって、我々の繋がりを勘繰られずに済むかもしれませんよ。
一条兼定
それに連名での献金をしているんだし、俺たちに何らかの繋がりがある、と感づかれるのはそれ程先じゃないと思うな。
竹中重治
少なくとも、茶室の存在を想像出来る人はいないでしょう。想像出来て、裏で同盟を汲んで密書のやり取りをしている、程度。
今川氏真
なるほど。俺たちの優位は変わらないか。むしろ、軽はずみにちょっかいを出してくる連中がいなくなるメリットの方が大きいかもしれない。
伊東義益
その代わり、準備万端整えて仕掛けて来る勢力が出てくるでしょうね。
北条氏規
ここはつまらないデメリットではなく、メリットを考えて行動しませんか?
竹中重治
賛成です。私の方は上洛の際に形だけでも軍勢を同行させてもらえるよう、浅井賢政にお願いしてみます。
伊東義益
了解です。私も同盟を結んだばかりの
一条兼定
派手になってきたなー。上洛が楽しみだよ(笑
(凄いな。もし構想通りの上洛が実現すれば、全国に戦国大名として名乗りを上げたに等しい事になるんじゃないか、これ)
最上義光
それじゃ、次はこの流れで一条さんのところの西園寺攻略でいいかな?
北条氏規
賛成です。うちが一番込み入った話になるでしょうから、それでお願いします。
一条さんの西園寺攻略作戦に話題が移った。
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