第13話 夜空に出現!バックベアード?
先日、子供達と一緒にゲゲゲの鬼太郎を見ていたら、バックベアードと言う巨大な目玉の妖怪が出てきました。それを見た時、私の脳裏にフッと、昔聞いた奇妙なお話しが浮かびました。友人の山野君(仮名)の体験談です……。
友人の山野君は、なかなか複雑な家庭環境で育ちました。と、言うのも、お父さんが、なかなかのアナーキーな方で、若い頃のお話しですが、公共機関への妨害活動で、新聞に載ったりと……。マア、普通の方ではなかったんですよね。しかし子供への教育は熱心で、かなり厳しかったようです。自分のように、警察の御世話になるような人間にはなってほしくない!そんな思いが強かったんでしょうね。そのせいか山野君は、横路に逸れることもなく、真面目で人当たりの良い、みんなから愛されるような人に育ちました。しかし小さい頃は、お父さんの言い付けを守らず、厳しく叱られたこともあったそうです……。
──小学校低学年の頃でした。ある日の夜、山野君はお父さんの言い付けを守らなかったために、大目玉をくらいました。そして、山野家の躾のお決まりコースなんですが、外に出されて、玄関の鍵を閉められました。それはいつものことなので、慣れっこです。特別、夜外に出されるのが怖いと言う分けでもないので、庭の外灯の下で、ほとぼりが覚めて家に入れてもらえるまで待つことにしました。退屈なので、座りながら庭に向かって石を投げたり、落ちている木の枝で、地面に落書きをしたりして過ごしました。時間もだいぶ経ったことだし、もうそろそろ家に入れてもらえるかな……。そう思って立ち上がり、夜空を見上げたその時です!
「あっ!」
見上げた上空に、巨大な目玉のような物体が浮かんでいて、山野君をじっと見ていたそうです。それには山野君もさすがに怖くて、パニック状態に陥りました。
「お父さん、お化けがいるよ!早く開けて!」
山野君は泣きながら玄関のドアをバンバン叩きました。
さすがにお父さんも、これは尋常じゃないと思い、玄関の鍵を開けて山野君を家に入れてあげました。
「どうした!」
「何か大きな目玉みたいなお化けが空から見てるから、お父さんも見てよ!」
山野君はお父さんと一緒にもう一度空を見たそうですが、その時はすでに消えていたそうです。
その話しを山野君に聞かされた時、正直、私はウソだろうと思いました。はたして目玉だけのお化けや、妖怪っているの?マンガの世界じゃあるまいし、ウソだろうと思いましたよ。頭だけの霊や手だけの霊は、目撃例もありますし、心霊写真なんかにも、よく写ったりしますよね。でも、さすがに目玉だけのお化けってのは……。信じられませんでした……。
私は山野君に、
「いくらなんでも、巨大な目玉のお化けなんているの?ウソでしょ!」
と、突っ込みましたが、
「ウソじゃねえって!だいたいこんな作り話を人にしたところで、なんの得にもならないでしょ。あれは、マジで怖かったよ……」
と、山野君は、いたって本気でした。先に申したように、山野君は大変真面目な方でしたし、その反論の仕方を見てもウソではなさそうでした。しかし、当時の私はどうにも信じられなかったんですよね。目玉だけ……。しかもデカい……。まさか……。
バックベアード!?
しかし、今になって考えた時、ふと思ったんですよね。それって霊的な物ではなく、フライングヒューマノイドや、フライングワーム等のような異形の未確認飛行物体なのではないかと……。もしかすると、地球外の知的生命体が送り込んできた、人類を観察するための偵察機のような物体だったのかなあ……。
私はそんな風に思いましましたね。
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