11 めぐる優しさ2



 それから月日がたつ。


 旅の男は、この国にやってきて生活をはじめた。

 生活する時に、とある宿にお世話になる事にしたが、その日その宿の主人が困っているのを見かけた。


 どうやらその宿の主人には、どうしても遠くへ届けなければならないものがあったらしい。


 旅の男は、日ごろの世話になっている恩返しに、申し出た。


 自分が変わりにその品物を届ける、と。


 宿屋の主人から荷物を預かった旅の男は、数か月かけて離れた所にある国に到着。


 そして、とある旅芸人の前に立っていた。


 その旅芸人は、自慢の芸を披露しながら、恋人の病を治す薬を探している身だった。


 旅の男がわけを話し、荷物を預けると、旅芸人は大層よろこんだ。


 なぜなら届けたその荷物が、長年探し求めていた薬だったからだ。


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