お店を作ろう編
第273話 お店の設計をしよう!
さーて。
拠点に帰ってアマト氏、ついでにプラナとサハド君をピックアップして王都に向かうか。
道中でベン君と打ち合わせしつつ、設計図を書く。
ソードは私のやることが超気になるぽくて、お気楽メンバーのシャノンに先導させシャールを自動追従にし、私の設計図を見ている。
しばらくして、ソードが真剣な顔で聞いてきた。
「虫にはしねーよな?」
…………。建物だよ!
「警備システムは一部虫っぽいけどな。別世界で〝ドローン〟と言われていたものだ」
「あ、アマトから聞いた。空飛ぶんだろ?」
私はうなずいた。
「こっちだと血を吸う羽虫をなんと言う?」
「え。キラーモスキートみたいなやつなの!?」
と、言うらしい。
「たぶんソレだ。血は吸わないが、動きはあんな感じだな。荷物を運んだり、あと、迎撃用に麻痺弾を撃てるようにする」
「…………魔物と間違われねーように祈るわ」
「大丈夫だ。基本は光学迷彩化……つまり可視化しないようにするのでな」
さて、名前をなんてつけようかなぁ。
これも並列化しようっと。
フンフン歌いながら思いを巡らせる。
「ファンタジック且つ異国情緒あふれる感じにしたいな~。近未来的なのはつまらない。気品あふれる建築にしーようっと」
ソードはきっと近未来的建築が好きだろうけど、王都でそれが建ったら周囲から浮くし、周りとの調和がないもんね。富豪をターゲットにするだろうから、無駄に彫刻した柱とか棚とかの方がウケると思うのよ。
「天井はアーチ型、吹き抜けにしよう。柱はレストランと同じ型だな。浮遊する紙ランプを天井に浮かせるか。あとはシャンデリアと……。階段や一部柱は漆塗りだな!」
「ふーん……。お前にしちゃ、フツーだな」
とか言ってるぞ。変わったのを造るとグリグリやるくせに。
「うーむ、じゃあ、ワインセラー及びワインの販売所は近未来風にしてやろうか。そのアンバランスさも面白いかもな」
そう言ったら、ソードの瞳がキラキラし出し、身を乗り出してきた。
「どんな風にするんだ?」
「モダンデザインの特徴は、明け透けなくらいに開放感を出し、現実感がないくらいに物を置かず、まったく機能性を考えないようなデザインでありながらも機能美を出すことだ」
ソードに説明した。
まず、ガラスもしくは透明な板を多用し、酒瓶を飾り付ける。浮いてるんじゃないかってくらい透明感を出す。あとは、細かい雑多なものは決して見せないように配置する。
配色は、白や灰色、あるいはメタルカラーにする。灯りも、出来るだけ見せないように光を灯すようにする。
商談のカウンターも、部屋の真ん中に殺風景に置く。フカフカのソファなど論外、金属で作ったスツールだ。
「――もちろん、商談のやり取りを記述するのは紙ではなくタブレットだな。さらに、出血大サービスで、ドローンが注文した商品を棚から持ち出してテーブルに運ぶのだ!」
ソード、眉間に指を当ててイメージをひねり出している。
「ドローンが運ぶってのは、面白そうだな」
って、そこだけイメージ出来たらしいソードが言った。
拠点に戻ってアマト氏らをピックアップ。
「とりあえず、ベン君と細かな打ち合わせをして、拠点に戻って材料を加工し、また王都に戻って組み立てる。今回は下見だな」
全員を連れて一路王都へ。
さらに途中でスカーレット嬢をピックアップ。
「今回のお店は、我が屋敷のリフォームの参考にさせて頂きますわ!」
鼻息が荒いぞスカーレット嬢。
「アイデアも出してくれ。大体は設計したが、ソードの希望で酒の商談ルームは近未来風……SFチックな内装にすることにした。……とは言っても私のイメージにも限界があるし、いいアイデアがあったら積極的に採用していきたい」
「うーん、私も近未来的ってピンときませんわ。ガラスとかアクリルとか、透明素材を多用してて、ライトなしでもぼんやり明るいイメージですわよね?」
やっぱそうだよねー。
「無人化で、ドローンとかロボットが接客してそう」
うん、ドローン案も出したよ。
「……やっぱお前等って同じ世界から来たんだ?」
二人の意見を聞いていたソードがボソッと言った。
同じかはわからないけど、似た環境にある世界にはいたようだよね。
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