第18話 病院でのまさかの出会い
『それじゃ、またな』
部屋から大久保が出てきた。
デジャヴってやつか?と思ったが、ここは学校じゃなく病院。出てきた病室は、久子の病室だ。
『お?よう!』
こちらに気付いた大久保はすぐにこちらにくると、何故か機嫌が良かった。
「大久保、久子と知り合いだったんだね」
『まあな。知り合いどころか、クラスメイトってやつだ。学校来ないから会わないけどな』
「学校来ないのは、お前もだろ」
『違いない(笑)』
すると少し大久保は真面目な顔つきで言った
『…銀髪病ってなんで治らないんだろうな』
「……だな」
『俺が言うのもなんだけどよ、また見舞いに来てやってくれよな』
銀髪病は治る。
僕は久子に治して貰ったんだから。
でも二人の秘密だから言わなかった。いや、言えなかったのかもしれない。
大久保は帰り際にサラッと聞いてきた。
『斉藤久子が好きなのか?』
なぜか即答出来なかった。
笑いながら『じゃあな』と手を振って帰る大久保を見送る。
やめろよ、大久保。
変に意識しちゃうじゃないか。
今から独りぼっちの遊園地での話をするのに。
───斉藤久子が好きなのか?
僕の無意識でありたい部分をこじ開けるなよ。
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