第11話 バイトと先輩とスタンプと

次の日に僕はバイトの面接に来ていた。

たまたま人手不足ですぐに面接したい、とのことだった。ツイてる…のかな。


斉藤久子の願いを実行していくには多分お金が掛かるだろう。

プラネタリウムなんか近くにないからリアルに星を見るしかない。と、なると天体望遠鏡が必要になるけど、互いに持ってないときた。

それに交通費だってバカにならない…予感。


効率よく達成していくのを考えて、ゲームセンターで働くことにした。

多分、プリクラを撮りたいとかヌイグルミが欲しいとかを叶えてあげるには都合がいい。


少し面接より早く着いたので、店内を覗こうかなと思っていたら、店内から出てきた女性に声をかけられた。


『もしかして、バイトの面接の人?』

「あっ、そうです」

『人が足りなくて困ってたの!救世主だよ』

「いや…まだ採用決まったわけじゃないし」

『大丈夫、大丈夫!私が推薦するから』


小柄だが明るくて八重歯の可愛い女性。

同い年くらいかもしれないな。


『よろしくね、あたし蜂谷圭はちやけい

「久保サトシです」


この後、すんなりと面接をクリアして、晴れてバイトになれた。帰りも何故か一緒に帰った。


それを夜にテレビ電話で斉藤に言うと、

何か面白くなさそうに電話を切られた。

プクッと頬を膨らましたスタンプが送られてきて、その日は終わった。



 


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