第7話 2度目の病室

学校では少なからず好奇の目に晒された。

今のところ治せない病にかかったのだから当然なのかもしれない。

目立つ方じゃなかったから、こんな目立ち方は居心地悪かった。


だからなのか、放課後が待ち遠しくて、すぐに病院へと足が向いた。


病室のドアをノックする


『どうぞー』


返事を聞いて病室に入るとベッドには誰も居なかった。あれ?と思った瞬間だった…。


『わっ!!』


横から驚かされる。

正直、驚かなかった。

むしろに驚いた。


『ビックリした?』


…なんだよ、ちょっと可愛いじゃないか。

でも、恋愛経験も乏しい自分には


「はいはい。ビックリしたビックリした」

『あー、なんかヤな感じ〜』


そんな返しが精一杯で。

それを上書きしたくて、本題を持ち出すしかなくて。


「じゃあ、早く治してよ…銀髪病」

『その前に約束して?お願いを聞いてくれることと、私が治せることを秘密にすること』


なぜ、秘密に?とも思ったけど、誰も治せない病を治せるとなれば苦労するのかな?

理解ある僕に感謝して欲しい。


…今、気づいた。


治してもらえることに期待してるんだな…僕は。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る