第6話 放課後の呼び出し

「…もしもし」

『あ、まだ起きてた!』

「もう寝るとこだよ。それよりなんだよ銀髪美少女って…。」

『見たままだし覚えやすいでしょ?』

「………」

『何よ、そのは』

「それより何か用?」


誤魔化しつつ、話題を変えてみる。

せっかくの日曜は病院での検査やらで消費してしまった。明日は月曜日なのだ。

もう寝ないと明日は学校だ。

高校生は大学みたいに昼からの講義なんてことはないから、朝は早いのだ。


『明日学校でしょ?終わったら病院に来てよ』


彼女の言った銀髪病を治せるって言葉が気になってたし、母のあの背中を見たら銀髪病が治るならすがってみてもいいような気がした。


「わかったよ。…銀髪病治してくれるんだろ?」

『もちろんよ。だから私の頼みも聞いてね?』

「治してくれたら、ね」


明日の予定が決まった。

美少女?の見舞いに病院に行くなんて、ドラマみたいでカッコいい気もする。

カッコ悪いのは自分も病気で、治してもらいに病院に行くってことか。


今の医学で治せない銀髪病。

治せるもんなら治してみろって感じだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る