第4話 治してあげる
「銀髪病を…治す?」
『そう、治してあげる』
「誰が?」
『私が』
さすがに僕にもわかる。これは冗談だ。
銀髪病は今の時点では治し方がわかっていない。
そもそも銀髪病になるキッカケや理由すら未だにわかっていないのだ。
それを治す?
銀髪病のせいで余命ゼロのキミが?
治せるなら自分をまず治せばいいじゃないか。
『じゃあ自分を治せば?って顔してるわね』
…見透かされている。
いや、それくらい顔に出てしまっていたのか。
『…ダメなの。他人の銀髪病は治せるくせに自分のことは治せないの』
試し済みってことなんだろうな、やっぱ。
そりゃ治せるならまず自分を治すか。
いやいや、待てよ。
今の医学で治せない銀髪病を個人で治せるわけがないじゃないか。
「じゃあどうやって治すの?」
『それは企業秘密』
いよいよ、怪しい。
「治せるか怪しいのに取引なんかしないよ」
冷静な判断。僕は違いがわかる…はず。
すると斉藤さんはこんな提案をしてきた。
『なら、今回は特別。先に少し治してあげる。だから信用できたらお願いを聞いてほしいの』
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