第9話『地区大会予選、その想いは伝播していく』
マスクよし、サングラスよし、
ウィッグよし、フード付きコート(ちょっと暑い)よし
バスを乗り継ぎ、西高校に向かう。
私の かっこ を見てヒソヒソ声を立てる人が居る・・・
無理もない
私は決して コンビニ強盗 に行くのではない。
そうテニス部の同級生の応援に行くだけなのだ。
今日は黒峰君の地区大会予選
都大会、全国大会と続く、大きな大会の予選である。
うう・・・注目を集めている・・・見ないで、私は単なる影だから・・・
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一回戦、二回線となんなく突破していく黒峰君
よし!よし!
黒峰君の実力ならば余裕だ。
やっぱり・・・
カッコいい・・・いつまでも見ていたい。
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黒峰君は喜ばない。
いつも苦しそうだ。
なぜ・・・わかっている・・・
好きな人がいるからだ・・・その好きな人は・・・おそらく別の人が好きで・・・
また暗い気持ちが沸々と湧き出てくる。
三回戦・・・
強い相手
黒峰君が押されているのがわかる。
暗い気持ち・・・しんどい気持ち・・・
それでも私は もう めげない、
頼子ちゃんの言葉を思い出す・・・すると、不思議と勇気が湧いてくる。
・・・
ああ、またミス
頑張れ黒峰君・・・あなたはこんな所で負けるほど弱くない・・・
私の知っている強い黒峰君はきっと全国大会にだって行ける!!
頑張れ・・・
頑張れ・・・・・
「黒峰君!!・・・ガンバレー!!!!」
気が付けば
張り裂けんばかりの大きな声で、私は叫んでいた・・・
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