第42話 印籠?の効力

「ふざ…けるな…!」

 静まりかえった中、押し殺したような声が響いた。

「私が…クズだと? ふざけるなぁ!!」

 感情のまま絶叫のような怒りの声をあげる司祭の男。

「神の教えに逆らう邪教徒が! もっともらしいことを声高に語り民衆を惑わす悪魔の使いめ!」

 その声は伊織に対してというよりも、周囲の人間に向けられたものだ。だがその言葉に向けられたのは戸惑ったような視線のみ。

 

 街の人々にも自分達を罪人だと断じた伊織に対する反発心と、その告発を否定したい心理は当然ある。だから上手く誘導することができるなら伊織達を排斥することも可能だろう。だが、正論に対して正面から論破することは難しいし、そもそも感情にまかせて邪教徒呼ばわりするだけでは説得力に欠ける。

 それにやはり幼い子供に対して自分達がしてきたことにまったく罪悪感を感じないわけではないのだ。

 人の出入りが少ない辺境の、それも情報通信も科学技術も発達していない環境では有力な者の言葉に盲目的に従うことはある意味当然であり処世術でもある。

 そうやって異端者を排斥して村社会の秩序を維持しているし、ある程度はそれが必要な部分もある。

 だから自分達は従っただけだという思いがある一方で、いくら左右色違いの瞳が気味悪く感じていたとはいえ何の罪も犯していない幼い子供を虐げるのが正しいと自信を持って言い切れるわけではない。

 だからこそ誰も動けない。

 内心では司祭の正しさを望みながらも冷静な部分で伊織の言葉こそが真実であると感じてもいるからだ。

 

「惑わされてはならない! 邪教は言葉巧みに人を破滅に導こうとするのだ!」

 言葉が虚しく響く。

 そのことに焦りを浮かべる司祭。

 これまでは自分の言葉に誰しもが常に耳を傾けていた。

 大陸西部で最大の勢力を持つ教会で司祭の地位にあるのだ。

 教会内ではまだ上がいるとはいえ、辺境都市の教会のトップとして実質的に街を支配しているとさえ言える自分の言葉が無視されることなど一度もなかった。

 それが、異国から来たひとりの男の言葉だけであっさりとそれが覆らされてしまった。

 司祭にとって許せるはずがない。ましてや他人の罪を裁く存在であるはずの自分が罪人扱いされ、あまつさえ民衆を扇動したクズとまで断じられたのだ。

 

 ガリッ。

 屈辱と怒りに奥歯が割れるほど噛みしめた司祭は、傍らにいた、そして騒ぎを聞きつけて集まってきていた聖騎士達に視線を移す。全身甲冑で直径60センチほどの丸盾と長剣を持った完全装備の者達である。

「キーヤ神様の名において司祭である私が命じる! 神の教えに背き民衆を惑わす邪教徒を征伐せよ! 彼等は悪魔の使徒として我が神に仇なそうとする神敵である!」

 結局司祭は最も単純にして短絡的な手段を選ぶことになった。

 いや、それしか方法がなかった。

 理路整然とした伊織の言葉によって司祭の言葉に対して猜疑心を持つことになった街の住民。

 その程度は様々であっても、少なくともある程度の期間は盲目的に司祭の言葉を信じることはできなくなったと言えるだろう。

 

 それを覆すには伊織の言葉を超える説得力のある言葉で払拭するか、記憶が薄れるほどの時間を掛けて教えを染みこませる、つまり言い方は悪いが洗脳するしかない。だが、宗教の教えというものは基本的に感情や心の弱さに訴えかけるものであって、道徳的な規範に関する事柄以外で理論的な説得力はほとんどない。

 では何故地球においてキリスト教が信徒を増やすことができたのか、それは武力による圧力や実利、それに教義の中に土着の宗教を組み込むことで反発を最小限に抑えた事によるある意味政治的理由が強く、教義に説得力があって広く受け入れられたというわけではない。イスラム教に関してはキリスト教の土台がある中でそのアンチテーゼとして受け入れられたという側面が強い。

 大陸西部においてもキーヤ光神教が勢力を伸ばしたのも似たような理由だ。

 

 司祭の命令に、騎士達は一斉に腰の剣を抜く。

 突然の剣呑な状況に周囲の民衆が悲鳴を上げて距離を取った。

「やれやれ、自分の間違いを認めることもできず、思い通りにならないと癇癪を起こす。まるで分別のつかない子供だな。虐げられても懸命に生きてきたルアと比べるのも腹立たしいほどのクズっぷりだ。いやここまでくると逆に褒めた方が良いのか?」

 真顔で感心するように言う伊織だったが、その煽るような言葉にも騎士達の表情は変わらない。どうやら何かのスイッチが入ったようだ。

 おそらくは司祭の口にした“神敵”というのがキーワードだったのだろう。

 宗教の持つ負の面である思考停止と罪悪感の消失が如実に表れたわけだ。

 

 ルアを抱いたまま呆れたように肩を竦めた伊織の前に、最初に声を掛けてきた騎士二人が剥き身の剣を突きつけた。

「さんざん我々を愚弄していたが、これ以上貴様に勝手な口は叩かせん。光神教を侮辱した罪、死んでキーヤ神様に直接裁かれるがいい」

「抵抗は無駄だ。我等の剣と盾、甲冑にはキーヤ神様の加護が掛けられている。いかなる攻撃も通用しないし貫けぬ物も無いのだからな」

 どうやら彼等は『矛盾』の故事を知らないらしい。ついでに仮拠点で剣をポッキリ折ってしまっているのも都合良く忘れているようだ。

 

 エノクの脇にいる英太、香澄、リゼロッドも十数名の騎士に囲まれる。

「っ!」

 ルアが騎士達の殺気に怯えて伊織の胸に強く顔を埋める。しがみつく手も恐怖で震え、服を掴んだ手は真っ白になるほど力が込められていた。

 伊織はまったく気にした様子もなくルアの背中をポンポンと叩いて落ち着かせる。

 まるで騎士達などただの羽虫に過ぎないと言わんばかりに余裕を見せる態度に、沸点の低い騎士が真っ先に感情を爆発させた。

「死ねぇ!」

 聖騎士などというご大層な呼び名は何処行った? と訊きたくなるような野盗のごときかけ声と共に剣を袈裟懸けに振り下ろす。

 伊織はその動きに合わせて滑るように騎士の右側を抜ける。上体がほとんど上下しない見事な摺り足だ。しかも早い。

 だが相手は一人ではない。

 

 すり抜けた先にいた騎士は真正面に来た伊織に驚くも、それでも一応は日々訓練を行っているだけあってすぐに反応する。

 ただ、右上から左下に向かって袈裟に振られた剣は鋭さに欠ける。

 伊織は同じようにスルリと左に躱したかと思うと、空いている右手で騎士の剣を持つ手を掴み、引く。

 伸ばしきった腕が引かれたことでつんのめった騎士だったが辛うじて体勢を立て直し抵抗した瞬間、今度は押し込まれ、腕を捻られる。

 次に騎士の目に映ったのはわけも分からないまま景色が上下逆転した風景だった。

 それを理解する間もなく頭から地面に叩き付けられた騎士の意識はそこで途切れた。

 

 伊織がしたのは騎士の体勢を崩してから逆向きに力を加えて捻る投げ技だ。

 腕以外に身体に触れることなく投げることから別名『空気投げ』などと呼ばれる、講道館で柔道の神様と称された三船久蔵十段(当時は七段)が編み出した“隅落すみおとし”である。

 本来は片手でするものではないし、実戦で使うのはかなり難しいのだが、近接戦闘で盾を使うことから見ても騎士達の力量が低いのは明らかなので、まぁ、こんなものだろう。受け身すらろくに取れなかったようだし。

「き、きさ、フゴッ?!」

 同僚が地面に叩き付けられる音で慌てて振り向いた、最初に斬りかかった騎士の言葉も続けて放たれた伊織の回し蹴りでミドリ安全社製の鋼版入り安全靴(ブーツタイプ)のつま先が首に直撃し中断された。

 騎士はその場で悶絶して動くことができない。いや、動いてはいるが真夏のマンホールに焼かれているミミズのような奇妙な動きしかできていない。

 

 だがあっという間に二人の騎士が倒されたことで他の騎士達が色めき立つ。

 さらに数人が向かおうとしたのを伊織はのんびりとした声で制する。

「おいおい、こっちにばかりかまけてて良いのか?」

 そう言った次の瞬間、騎士一人ひとりの足元にもれなく魔法陣が浮かぶ。

 慌てて騎士達がその出元を探そうと周囲を見回すが時既に遅し。

 身体が何倍もの重さになったかのような圧力が加わり騎士達が膝を着いた。片膝の者が多いが、中には倒れ込んでしまう者もいる。

「な、なにが?」

「まったく隙だらけね。伊織さんばかりに注意払ってるから」

「しょうがないよ。高レベルの煽り耐性持ってなきゃ伊織さん相手に冷静さを保つ事なんてできないだろうし」

「カスミ、折角手入れしてた小銃使わないの?」

「流れ弾が恐いし、ルアちゃんがビックリしちゃいますからね。それにファンタジーの世界に来てるのに現代兵器ばっかり使ってるのもアレだし」

「そういうメタ発言止めない?!」

 

 まるで何事もなかったかのようにのんびりとした会話を続けながら、リゼロッドが手渡してくる手錠を使って英太が騎士達を後ろ手に拘束していく。

 もちろん抵抗しようとするのだが、英太もグローバニエで勇者とまで呼ばれ、さらに日々伊織に扱かれているのだ。香澄の魔法で行動阻害されていてろくに身動きができない騎士の抵抗など無いに等しい。

「ば、馬鹿な……精鋭たる聖騎士達が何もできず……しかも魔法、だと……」

 10分も掛からず集まっていた30数名の騎士達全員が芋虫のように転がるのを呆然と見ていた司祭が呻くように呟きながら立ち尽くす。

 この小さな街に派遣されている教会の騎士はほとんどがここに集まっていた。

 もちろん他にも治安維持のため正規の警備兵は居る。だが人数は半分程度に過ぎないし練度も低い。

 辺境の小さな街の日常的な事件やトラブルなど普通ならその程度で充分なのだ。外部から盗賊や危険な動物が近づいた場合には教会の聖騎士が対応し、対応しきれない場合は時間を稼いでいる間に近隣の教会に応援を呼ぶことになっている。

 

「精鋭ねぇ。盾を持って戦おうとする時点で素人丸出しなんだが、まぁいいや。で? ご自慢の聖騎士さん達は何の役にも立たずに転がってるんだが、これからどうすんだ?」

 一服しようと右手でポケットをまさぐっていた伊織がしがみついているルアの存在を思い出して名残惜しそうに諦めつつ、顔色を失った司祭に尋ねる。

 今度は煽りではなく、純粋な質問だ。

 一大宗教の司祭という立場で、素性も何も知らない外国の旅行者を“神敵”と認定し、私兵をけしかけたのだ。

 伊織達を排除できていれば、教会の影響力をもって罪を着せることも闇に葬ることも容易いだろうが、現実には逆にごく簡単に聖騎士達を一蹴されただけで終わっている。それも、30数名の聖騎士が、たった4人の男女に、武器すら使わずに、だ。

 そうであれば次に取れる手段は限られたものになる。

 すなわち、教会の上層部に報告して本当に伊織達を教会の敵対者と認定させるか、何らかの罪を着せて王国に処罰させるか、それともこのまま全てに目を瞑って大人しく伊織達が去るのを待つか。

 

「くっ、おのれ……ぎ、行政官、バストン殿! 光神教司祭として正式にこの無法者の処断を要請する! 貴殿も見ていたであろう、この街の治安を与る聖騎士達に不当な暴力をもって抵抗したのだ!

 司祭が選んだのは2番目。

 とはいえ、実質的に他に選択肢は無い。残りの2つを選べば自分の立場は完全に失われるだろうからだ。

 だがそれは司祭の力だけでできることではない。だから行政官のバストンに協力を仰がねばならなかった。

 

「……しかし、先に手を出したのは聖騎士の方々では? 辛辣な批判をしたからといってそれだけで外国から来た者に強権を振るうわけにはいきませんな」

 少し考えてから、バストンは司祭に答える。

 建前上は何の権限もない私兵が勝手に旅行者を襲った上にあっさりと撃退された形であるので伊織達を罪に問うのは難しいし、そもそも30人からの聖騎士をあっさりと戦闘不能にした伊織達に街の警備兵で対処できるはずもない。

 とはいえ、教会と行政官の関係が良好であれば伊織達が街を去ってから犯罪者として中央に告発することもできるだろうが、前述したように教会と地方の行政官の関係は悪い。

 バストンとしてはこの件で司祭に協力するメリットを見いだすことはできなかった。

 

「ちょっと良いかしら? まだ私たちがこの街に来た目的を言っていないのだけど」

 司祭と行政官の駆け引きを打ち破るようにリゼロッドが口を挟む。

「そう、ですな。この街に来た目的と滞在期間などを聞かせていただけますかな?」

 バストンの立場も難しいものだ。

 今回の件は明らかに司祭の男の暴走ではあるのだが現実問題として教会の協力無しに街の運営をするのは難しい。

 さりとてこれまでの確執を考えれば伊織達のような正体不明の危険人物と事を構えてまで教会に肩入れするようなことになれば街の役人達から不満が噴出することは疑いないし、バストン自身気に入らない。

 伊織達の目的次第では教会に協力するかどうかの理由付けができるかも知れないと考えて、司祭との交渉を中断しリゼロッドの話を聞くことにした。

 

「まずは、私たちの身分を明らかにしましょうか」

 リゼロッドは意味ありげに薄く笑みを浮かべると、エノクから30センチ四方程の豪奢な装飾が施された箱を持ち出して英太を呼んで手渡し、バストンの目の前で開かせる。

「私はリゼロッド・シェリナグと申します。バーラ王国で魔術師・錬金術師の傍ら遺跡の研究を行っている者です」

 魔術師・錬金術師の言葉が出た瞬間、バストンが驚きに目を見開き、司祭や地面に転がっている騎士達からざわめきのような呻きが漏れる。

 その反応に一瞬リゼロッドの眉が顰められるが、特に何かを問いただすことはせずに話を続けた。

 

「そして、あそこでルアちゃんを抱っこしてるのはイオリ、それからカスミとエータの3人の身分はオルスト王国、グローバニエ王国、バーラ王国が保証しています」

 そう言って英太のもっている箱から羊皮紙のような巻物を取り出し、広げてバストンに見せる。

 そこに書かれた文字を目で追っていたバストンは今度こそ腰を抜かさんばかりに驚愕の声をあげる。

「ま、まさか、これは……」

「理解できないなら読み上げてあげましょうか?

『イオリ・トーグージ、カスミ・シンジョー、エータ・ササキ、上記の者をオルスト王国において王族と同等の権利を有するものと認め、その身分を保証する。オルスト王国国王アレクシード・オ・デス・オルスト』

 まったく同じ内容でグローバニエ王国のものと、バーラ王国のは王族に準ずるだったかしら、その2国のもあるわね。

 身分保証としては十分だと思うけど、どうかしら?」

 

 リゼロッドの言葉に、バストンはもちろん司祭も言葉を発することができない。

 正式な国交が結ばれているわけではない離れた国の書簡など本物かどうかを判ずることがこの辺境の街でできるわけもない。

 ましてや正式な使節として訪れたわけでもない人物の身分を証明するものとしては甚だ怪しいとも言えるのだが、割と頻繁な交易が行われているバーラ王国、それには及ばないまでもそれなりに商船が行き来するオルスト王国のことは役人であればある程度は知っている。

 特にオルスト王国は南部(大陸中西部)の雄と呼ばれるほどの国力を有し、グローバニエ王国はその国と長年争えるほどの武力を持ち周囲の小国を次々に併呑するような好戦的な国だと伝え聞いている。このビヤンデの街が属する大陸西方の諸国のひとつに過ぎないタカラ王国とは国力が比較にならない。

 万が一この書簡が本物であったとしたらそれこそ国家を揺るがす大問題に発展しかねない。

 

 光神教にとっても同じ事が言える。

 司祭は教会内でそれなりの地位だが、それでも上級職としては一番下であり、まだ上に司教、主教、大主教、総大主教が居る。

 そんな司祭に他国の王族を明確な根拠も無しに神敵と断じる権限などあるわけがない。ましてや、南部には光神教の影響力は及ばないのだ。

 3カ国で同時に王族と同等或いは準じる権限を持つなど俄には信じられないし荒唐無稽にすら感じられるが、羊皮紙には複雑な意匠が施され国璽こくじと思われる印章も押されているし、これまでに伊織達が見せてきた道具や設備を考えれば単なるペテン師とも思えない。

 ならば、騙されないように細心の注意を払いつつも書簡通りの扱いをする以外に方法がないのだ。

 

「伊織さん、いつの間にあんなの用意してたの?」

「いや、俺じゃないぞ? 指示した覚えもないし、リゼが元ブタさんやオルストの王様とかと何やら話をしてたのは知ってるが情報収集だと思ってたからな」

 エノクに戻ってきた伊織に香澄が問うが、聞かれた方は苦笑いを浮かべながら首を振った。

 この男は必要と思えばいくらでも周到に準備するが、そうでなければ徹底的に無頓着だ。

 伊織としては情報通信の整っていない中世然とした異世界で国交もない国の身分証明がそれほど役に立つとは思っていなかったし、そもそも余計なトラブルを避けようとする考えが欠片もないのだ。

 

 そんな伊織と一緒にいるのはまだ年若い英太と香澄の高校生コンビ。性格は及第点であっても世間知らずで経験不足のふたりと問題中年を何かと補佐しているのが、実は生活能力皆無ながらも酒と遺跡が絡まない限りは意外と常識人であるリゼロッドなのである。

 今回も必要になったときに備えて、伊織達に借りのあるオルストとグローバニエ、バーラにそれぞれ身分保証を用意してもらうように交渉したのだ。

 ただ、想定よりも遥かに高い地位を保証したのは伊織達を恐れているのと同時に何かあったらまた力を借りたいという意思表示でもあるのだろう。

 とはいえ、これはリゼロッド・・・・・が頼んだことであって伊織達に対する貸しにはならない。という屁理屈の元にこれまで話していなかったのだった。

 

 呆然と立ち竦むバストンと地面に膝を着いた司祭。

 これで慌てて跪いたりしたらお茶の間お馴染みの光景になりそうだ。

「なんか、この○○が目に入らぬかぁ~! ってシーンみたいだな」

「伊織さんがあのお爺さんくらいのブッ飛び方ならまだ気楽なんですけど?」

 おっさんとJKのコメントはともかく、とりあえず教会も街長も簡単に結論を出すことが出来なくなる効果はあったようだ。

「そ、その、こ、ここではゆっくりと話もできませんので、行政府まで来ていただけますか?」

 何とか気を取り直したバストンがそう切り出したことで場所を変えることになった。

 

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