第7話 とりあえずの拠点

 バラララララララ……。

 王宮に上がった盛大な花火を見届け、その場を離脱してから早1時間。

 伊織たち3人が乗るアパッチ・ロングボウは高度を2000メートルまで上げ、北西に針路を向けている。

 アパッチの巡航速度は約140ktノット(時速約260km)。グローバニエ王国の王都はおろかそろそろ王国の版図からも離れた頃合いだろう。眼下には鬱蒼とした森林地帯が広がっている。

 

 大陸西部であるこの辺りの地域は比較的温暖な気候に恵まれており、北部の山岳地帯から豊富な水が数多くの川を流れていることもあって開墾された土地が多い。

 とはいえ、それだけに自然も豊かで都市の周辺や開拓地を少し離れれば街道以外は森林地帯が大部分を占めている。

 そしてその森林地帯は狩猟を生業としている集落や少数民族の部族が点在して暮らしているだけでどこの国の領地とも見なされていない。

 海上も含めた全ての地域(南極を除く)に国境線が引かれている地球とは大違いである。もっとも、いずれはこの世界もそうなるのであろうが。

 

「い、伊織さ~ん…」

 英太が泣きそうな顔を必死に伸ばして後席の伊織を覗き込む。

「どうした? 訪問先で取引先の社長の子供に悪戯された新入社員みたいな顔して」

「例えが嫌すぎます! って、マジでツッコムのキツいんで! ど、どこまで行くんすか? 体勢がそろそろ限界っす! それと、寒すぎます!!」

 ヘリのコックピットは旅客機と違い与圧されていない。高度が1000メートル上がるごとに気温はおよそ6.5℃下がる。加えて高速で飛行すればさらに体感気温は下がる。

 もちろんキャノピーが閉じられているので吹きっ晒しよりはマシなのだが、それでもコックピット内はスーパーなんかの冷凍庫並に気温が低くなっている。

 

 さらに、英太は片膝を香澄の座っているシートの隅に付き、中腰で覆い被さっている状況である。

 香澄にのしかかるわけにもいかず、狭いコックピット内で半端な姿勢のまま体重を支えているのだから、いくら鍛えていても長時間は辛い。1時間もっただけでも大したものである。

 とはいえ、至近距離で香澄片思いの相手と顔を寄せ合ってその吐息や体温を感じているのだからある意味至福でもあるのだが。その分、色々と耐えなきゃならないのは思春期の男の子の業だったりする。

 

「もうちょっと待ってくれ。どこか丁度良い場所があれば……お、見っけ。あの辺りが良さそうだ。降りるぞ」

 英太の苦悩を余所に、のんびりと返していた伊織だったが、ようやく目当ての場所が見つかったらしく、アパッチの高度を急降下させた。

「うわっ!」

「キャッ! ちょ、英太!」

「い、今のは伊織さんが……」

「どこに顔押しつけながらしゃべってんのよ!!」

「痛ぇ!!」

 

 ………………

 

 程なくして伊織がアパッチを着陸させた場所は森林の中にある、瓢箪のような形をした湖の畔だった。

 対岸まで広いところで1キロ程度、狭いところでも数百メートルはありそうだが、瓢箪のくびれ部分数十メートルの範囲で元々は水面下にあったのか、少々の下生えが茂っている程度で木の生えていない広場のようになっていた。

 ローターの回転が止まるのを待って、まず伊織がキャノピーを開けてヒョイッと飛び降りる。

 次いで前席のキャノピーも押し上げられ、英太が転がり落ちてきた。

「ふぶぇ!」

 顔から落ちた英太が額を抑えながら痛みに耐える。

「ぶえっ!?」

「あ、ゴメン」

 続いて香澄が慎重に降りてきたが、最後の着地で英太の背中を踏んづけた。

 口では謝っていたものの、明らかに英太の背中目掛けてジャンプしたのを見た。気がする。が、美少女に踏まれるのもまたご褒美だろう。

 

「んじゃ、俺は野営の準備をするから、2人はまずは薪になりそうなものを集めてから焚き火でもしててくれ。結構身体が冷えてるだろうからな。んで、充分に体温が戻ったら周囲の確認を頼む。

 一応、降りるときに見えた範囲では近い場所に人が暮らしている形跡はなさそうだったけど、何かあっても困るからな」

「わかりました。でも、確認って何を見ればいいの?」

「人がいる形跡っすか?」


「ああ、色々と話すこととかやることがあるからしばらくはここを拠点にしたい。この辺は川や湖が多いみたいだから近くに集落でもない限り人と出くわす可能性は低いとは思うけどな。あと、大型の野生動物なんかの痕跡も確認してくれ」

 伊織の言葉は至極真っ当なものだったので香澄と英太は頷いて了承の意思を示す。

 2人にしてもまずは王国から逃れられたことで少し落ち着きたかったし、伊織にも聞きたいことが沢山ある。

 野営するのに重要な食料は、事前に十分な量伊織が準備していると聞いているし、水は目の前にいくらでもある。

 何より、英太が訴え、伊織も指摘したように今でも震えが出るほど身体が冷えているのでまずは暖まりたかった。

 

 

 

「……英太……」

「………………」

「野営って、言ってたわよ、ね?」

「……た、多分」

 英太と香澄は伊織の指示通り、薪になりそうな枯れた倒木や枝を集めて魔法で火を着け、充分に身体を温めた後、安全のために2人一緒にこの湖畔の原っぱと周辺の森を2、300メートルほど入りながら人間や大型野生動物の痕跡がないか確認した。

 原っぱは精々100メートル四方程度の面積だったが、見落としの無いように注意深く森を探索すればそれなりに時間が掛かる。

 一通り見回って、人間の痕跡も危険のありそうな動物の痕跡も見あたらなかったことに安堵しつつ、湖畔まで2人が戻ってきた頃には空の色に朱が混ざり始めていた。

 

 そうして見通しの悪かった森から出た2人だったのだが、目の前の光景に呆然とするしかできなかったのである。

 何故なら、森の縁から15メートルほど離して原っぱを囲むように幅3メートル高さ1.5メートル程のコンクリートの土台に10センチ間隔で鉄の格子が付いた土台を含めた高さ5メートルほどのフェンスが隙間なく並べられていた。

 しかも、それは岸からさらに10メートルほど湖に入ったところまで続いている。

 一カ所だけ出入りのために開けられていた(こちらも格子の門の様なものがあったのだが)ところから中に入ると、大型コンテナを改造したような形の家が3棟。

 確かトレーラーハウスというのだったか、まるでリゾート地にある別荘のような佇まいで、大きめの窓と屋根にはソーラーパネルまで完備されている。

 さらに奥側には小さな物置のような小屋とそこから直径30センチほどのパイプが湖の中にまで伸びている。おそらく水を吸い出して濾過する給水装置だろう。

 

 どこからどう見ても『野営』などという言葉とは似ても似つかない光景が広がっていた。

 まさしく湖畔のリゾートそのものである。もっとも、無骨で頑丈そうなフェンスに囲まれているのであまり優雅さはないが。

 そして、この光景を造りだした張本人である伊織はというと、トレーラーハウスの裏手に“HITACHI”のロゴが眩しいホイール式ユンボ(車輪がキャタピラではなくタイヤタイプのパワーショベル)で穴を掘っていた。

 

「あ、あの、伊織さん?」

「ん? ああ、戻ってきたか。ちょっと待っててくれ。浄化槽を埋設しちまうから。コレやっとかないとトイレと風呂使えないからなぁ」

 英太が呼びかけるも、伊織はごく普通の受け答えである。

 あれ? コレって普通なの? え? 俺って間違ってる?

 などと英太が自身の価値観と葛藤したりしているのだが、無理もない。

 香澄も頭痛を堪えるような表情をしているし。

 因みに英太と香澄は王国から脱出したときの服装のままだが、伊織はいつの間に着替えたのか派手な和柄の長袖シャツに白のニッカポッカ、同色の地下足袋に捻り鉢巻き姿である。まんま土建屋のオヤジだ。やってることもそう違いはないが。

 

 それからさらに小一時間。

 空が赤から紫になり湖畔が薄暗くなってきた頃、重機類(ユンボやフォークリフト、クレーン等)とアパッチ・ロングボウをあの不可思議空間に戻し、代わりにこちらも軍用と思われる汎用ヘリ1機と貨物用コンテナ2つを運び出して作業を終えた伊織は、英太と香澄をそれぞれトレーラーハウスに案内していた。

 3棟をひとつの浄化槽に繋いでいる関係か、それぞれのトレーラーハウスは近い位置に並んでいる。

 

「間取りは全部1LDK。玄関入って正面がリビングとキッチン、左側が寝室、右側がトイレと風呂だな。ガスはプロパンが繋がってるし、電気も太陽光発電と蓄電装置で普通に使える。もちろんトイレや風呂も合併浄化槽を埋設したから問題なく使えるぞ。因みにウォ○ュレット完備な。

 電波が来てないからテレビは見れないが、キャビネットの中に映画とかドラマ、アニメのDVDが何十本か入ってるし、ゲーム機も繋がってるから好きに使ってくれ。それと、一応パソコンもあるけどネットは使えないんだよなぁ。

 あ、一応濾過装置で水は浄化してるけど、飲んだりするのはウォーターサーバーの水にしてくれ。予備もたっぷりあるから」

「………………」

「………………」

 

「あ、着替えはあそこに置いてある左側のコンテナに種類ごとに箱に入ってるから適当に漁ってくれ。女性物や下着類もあるはずだし靴も何種類か置いてあったはずだから。タオル類は各部屋の浴室にいくつか置いてあるし、乾燥機能付きの全自動洗濯機も脱衣所にある。

 それから、食事は当面俺が準備するから心配しなくて良い。けど、一応キッチンに保存食とかお菓子類も常備してあるから、小腹が空いたらそっち食ってもいいぞ」

「………………」

「………………」

 

「後は、そうだな、火の元と戸締まりは確実に。それと、朝は7時に俺の部屋のリビングで食事、ん~と……」

「あのっ!」

「ん?」

「これって、野営、なんですか?」

「え? 香澄ちゃん、テントに飯盒炊飯、湖で水浴びの方が良かった?」

「い、いえ、そうじゃないですけど」

 そんなわけはない。快適な方が良いに決まっているのだが、そういうことじゃないのだ。

 香澄も英太も、文句があるわけじゃないのだが、微妙に納得がいかないというか、不条理というか、とにかくモヤモヤした感じがやり場もなく渦巻いていた。

 髪をかきむしりながら叫び出したいくらいだ。さすがにやらないが。

 

「まぁ、色々と聞きたいことや言いたいことはあるだろうけど、もうここはあのクソみたいな王国とやらじゃない。とりあえず、風呂にでも入ってゆっくりと羽を伸ばすと良い。その間にメシを作っておくから、そうだな、2時間くらい経ったら、そこの俺の部屋のリビングに集合な。話はそれからだ」

 そう言って、伊織はニカッと明るく笑うと2人の頭をグシャグシャと乱暴に撫で、「ご苦労さん。よく頑張ったな」と何とか聞こえる程度の声で小さく呟き、踵を返して自分のトレーラーハウスに入っていった。

 

「……もう、何なのよ、あの人……」

「ヤベェ、不意打ちだろ、あんなの……」

 真っ赤な顔で俯く香澄も、片手で顔を覆って空を見上げた英太も、しばらくその場で肩を振るわせていた。

 

 

 

 チャポン。

「はぁ~~~~……」

 お約束のサービスシーンである。映像をお見せできないのが残念でならないが、あれから香澄と英太はまず、指定されたコンテナに行き、その中に山積みになっていた段ボールから着替えとなる衣服を選んだ。

 種類ごとに表示されていたのでさほど苦労することもなく目的の物を探すことができた。入っていたのは全国的な某ファストファッションブランドの製品で、全てが新品。それほど多くの種類ではなかったが、色も何色かありサイズも揃っていた。

 ゆっくり見ているとキリがないので、とりあえず寝間着代わりになるスエットや使い勝手の良さそうな服、下着などを数枚ずつ確保し、ついでに靴やスリッパなども選ぶ。

 

 服選びを終えると、それらを手にそれぞれ割り当てられたトレーラーハウスに入る。

 もちろん別々の部屋だ。

 王国では引き離されたりするのを避けるためにできる限り一緒に行動し、部屋も同じ場所で過ごしていたのだが、王国を脱出した今はもうそれを警戒する必要はない。

 伊織のことはまだよく分からない部分が多いが、彼が香澄たちを害する意思があるのなら他にいくらでも方法があるだろう。

 それに伊織が設置した堅牢そうなフェンスもあるから、外部の人間に不意打ちされる危険も少ないように思える。

 となれば、2人ともやはりひとりでゆっくりとしたいという気持ちが強かった。

 いくら付き合いが長く、信頼している相手であっても四六時中共に居ては息が詰まるものだ。王国ではそれよりも自分達の安全を優先せざるを得なかっただけだ。

 

 香澄は英太と別れて宛がわれたトレーラーハウスに入ると、まず鍵を掛け、窓の施錠とカーテンを確認すると、真っ先に浴室に向かう。

 トレーラーの荷台のような外観から想像したよりもずっと広い浴室と大きな浴槽である。

 浴室手前のパネルの『自動給湯』のボタンを押すと、バスタブ上部のカラン(蛇口)から勢いよくお湯が出る。

「わっ! ほ、本当にお湯が出た……」

 信じられないように思わず呟く香澄。

 数瞬後我に返り、好みの温度に調整してから勢いよく服を脱ぎ捨て、浴槽にお湯を溜めながら身体を洗い始めた。

 

 こちらの世界に来てからは濡らした布で身体を拭いたり、泡の立たない粉石けんのような洗髪剤を使って髪を綺麗にするしかできなかったのだが、浴室にはボディーソープもシャンプーもコンディショナーやトリートメント、洗顔料まで揃っていた。

 最初はさすがにあまり泡立たなかったが、数回髪と身体を洗うと見違えるように肌が綺麗になる。

 過酷な環境で薄汚れていた肌が、10代の瑞々しい輝きを取り戻していく。

 

 そうしている内にお湯が溜まった浴槽に身を沈めて大きく伸びをする。

 自然と声が出た。

 本当の意味で生き返ったような気分だ。

「……本当に、何者なのかしら、伊織さんって」

 かえすがえすも不思議な男だと思う。

 飄々とした態度に常に余裕のある表情。

 王国屈指の実力のある騎士達を相手に瞬殺するほどの格闘術を持ち、権力者や大勢の騎士・魔術師に囲まれても動じない胆力もある。

 

 伊織は過去に異世界に行った経験があると語った。

 であるならば、あれほどの実力も不可思議な空間魔法も納得ができないではない。

 それに、一度そのような経験をしていれば万が一を考えて様々な準備をしている事も不思議なことではない。むしろ、備えずにはいられないだろう。

 だが、だからといって、銃火器はともかく、ヘリコプターや重機、複数のトレーラーハウスなど、そう簡単に準備することなど普通ならできるはずがない。

 まして、戦闘ヘリなどという“兵器”は金額だけでも数億円ではきかないだろうし、そもそもどうやって入手するのかすら想像もできない。

 

 そんな伊織が香澄と英太を、心から望んでいたとはいえ王国から連れ出した理由は何としてでも聞き出さなければならないし、これからどうするつもりなのかも気になるところだ。

 だがそれでも、香澄から見て伊織は信用しても良いのではないかと思える。

 そもそも、どんな目論見があるのかは分からないが、2人にそれほどの利用価値があるとも思えない。

 確かに香澄はそれなりの容姿を持つJKではあるが、伊織がその気になればいくらでも美女を侍らすことだってできるだろうし、そもそも香澄は伊織からそういった好色な視線を感じたことがなかった。

 ……それもまた香澄がちょっとイラッとする原因なのかもしれない。

 それに、もしかしたら、伊織ならば元の世界、現代日本に帰る方法を知っているか、或いは今は知らなくても見つけられるのではないかという期待がある。

 

「とにかく、しっかりと話し合わないとね」

 全てはこれからである。

 これからどうするのか、何をすればいいのか、自分達に何ができるのか、分からない事だらけで結論など出そうにない。

 でも今は、解放された喜びに浸りながら、10ヶ月ぶりの入浴を楽しんでも良いだろうと、香澄は改めて湯船の中で身体を伸ばした。

 

 

 

 香澄と同様にコンテナから着替えを物色してから、英太も宛がわれたトレーラーハウスに入った。

「おお、すっげぇ!」

 玄関から入ってすぐのリビングには65インチの大型テレビが置かれ、黒一色で統一されたインテリアが存在感を醸し出している。

 ざっと見たところ、全ての設備が真新しいように見える。

 英太も高校生男子。AV機器やゲーム機にはそれなりに興味がある。

 AVラックにはDVD・Blu-rayレコーダーはもちろん、ゲーム機もプレイ○テーション4、Nin○endo Sw○tch、X○ox O○e X、スーパー○ァミコンまである。

 伊織が言っていたように、キャビネットには有名どころの映画やドラマ、ゲームなどがビッシリと並んでいた。

 英太の自宅を遥かに超える充実振りである。いっそずっとここに住みたいと思ってしまうほどだ。

 

「っと、見てたらキリがないな。伊織さんはしばらくここを使って良いとか言ってたし、後でじっくり見させてもらおう。それよりも、風呂だな、風呂! ……ん?」

 やっぱり日本人である英太にとっても10ヶ月ぶりの風呂は楽しみだ。香澄と違って男の英太は遠征中に川で水浴びする機会もあったが、温かい湯に浸かる風呂などという贅沢はできるはずもなかった。

 それだけに着替えを片手に鼻歌交じりで浴室に向かおうとした英太だったが、リビングの中央にあるテーブルの上に折りたたまれたメモのような物が目に入った。

「なんだ? 伊織さんから? えっと、『色々と溜まっているだろうから解消できそうなアイテムを用意しておいた。キャビネットの一番下の引き出しを引き抜いて、奥を見てみろ』って?」

 

 何のことだろ?

 と思いながらも、メモに書かれていた引き出しを引っ張り出し、覗き込む。

 すると、意外に奥行きのない引き出しと、さらに奥にもうひとつ引き出しの取っ手の様なものが見える。

 当然英太はそれを引っ張り出し、中を覗いて固まった。

 そこにあったのは30本ほどのDVDのパッケージ。

 

 問題なのはそのタイトルだ。

『おしゃぶり大好き・制服姿にぶっかけて!』『満員痴漢電車4』『縛って欲しいの』『素敵な夜に孕ませて』etc……。

 AVである。

 もちろんここで言うAVとはオーディオ機器Audio Visualではなく、成人向映像作品Adult Videoの略である。

 しかも、様々なシチュエーションの、何故か女子高生ものばかりが取り揃えられている。

 

「な、ななな……」

 英太は思わずメモを見返す。

 下の方に少し小さめの字で『防音はしっかりしてるから心配するな。ただし、玄関の鍵と窓のカーテンはしっかりと締めておけよ(*•̀ᴗ•́*)b』とのメッセージ。

「……………………ゴクリ」

 思わず誰もいないのに周囲を見回す英太。

 それからどうなったのかは、まぁ、いいだろう。

 

 

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