消防の世界で見たのは生と死でした。

私は消防のキャリアの半分以上というかほとんどは、

赤ではなくて白の車に乗ってました。


正直なところを言えば、

赤よりも白の方が私は好きでした。


理由は簡単で

毎日が現場、現場だったので。

退屈することもなければ、書類ばっかりというわけでもなかったからかなと感じます。


救急車って面白いと言ったら語弊があるかもしれませんが、

きっと人の人生の色々をみれる場所なのかなと感じます。


多分、もともと市民に短かな地域警察官になりたいぐらいだったからちょうどよかったです。


警察官に再度なるぞと決めてからは、仕事にも頑張ろうという気になってましたね。

新卒とは違う現場やらでわかる色々使えるテクニックを学ぼうという感じでした。



それはさておき、

現場では生と死が見れます。

例えば、

人が産まれて喜びに溢れるシーンも有れば、

人生の最後を終えて悲しみに溢れるシーンもあります。


もちろん、

その人にとってみれば、一生に残る良くも悪くも思い出となる場面に立ち会うこともあります。


数多くの他人の人生を見かけることがありましたが...


憧れるような人生を送ってそうな人とは誰一人とも出会うことはありませんでした。

逆に言えば、現場で見た多くは人生に反面教師にしようと思った事ばかりでした。


かと言って、

職場を見ても憧れるような人生を送る人もいなかったのも事実でした。


警察官になることを諦めたんですが、

「職場の先輩や上司があなたの未来ですよ」という言葉を聞いていたのでふと見渡してみても....


「うーん違う」と感じるばかりだった。


そうしているうちにふと、

安定の収入や業務内容を重視した仕事中心の人生設計から、悔いのない人生を生きるというのに比重を変えて見たらどうかなと思い始めました。


ちなみに新卒の頃と消防士なりたての頃は

大手企業と公務員以外はダメ、落ちぶれが待ってる。起業なんて金もないから無理。

なので、(安定)という持ち物を捨てられないでいました。


でもなぜかというと、


世の中は広もので。

元公務員のとある実業家の話を聞いたり、

元大手企業のサラリーマン出身の成功者の話を聞いてる中で私の中から、(安定)という持ち物を捨てる事ができました。


安定とは

安く定まる。

要は低空飛行で、アップダウンもないことだ。

でも、平坦な人生って確かにリスクもないから冷や冷やする事もない。

でも、人生を振り返った時に

「あ、案定して何事もなくてよかったね。特別、面白いことも悪いこともありませんでした」と言うのがハッピーエンドだろうか?


世の中にはもっとアップダウンしながら高高度で飛行している人もいる。

もっと高い世界で、青い空の向こうに行って見たりまだ見えない世界や遠く見えてる世界に行くのは確かに辛いだろうけど....

「うーん。色々な世界は見れて面白かったーあんなことあったけど、こんなこともあったなー」っと言うのがハッピーエンドではないのかなと....


その人たちの人生はどこか歳が過ぎるごとにキラキラとしているように私には見えてました。


愚痴を言うこともなく、嘆きもしないーーー


その人たちは、確かに多くの努力をしていたが...

「過去よりも今や未来が輝いている」

そう感じられた。


うん憧れる世界は、そこだな。

私はそう思うようになり公務員以外でとなり、

「起業するか」と言う結論に至りました。


起業するにあたって、

やろうと思った業種に関して修行をしないとと思い。

やるならノウハウのある大手で経験を積むべきだと言うところからで....


どうせなら、

ついでに世界で仕事もしたいと言う欲が出てきてとある外資系企業への内定をいただき上京と言う流れになりました。



生と死を見ている中で、

自分の人生を見つめ直せるような気がします。




そして、人生を生きていく中で、

全く後悔のない人生というのはないでしょうが、

人生に自ら制限をかけることによって、視野を狭めて、

何十年も取り返しのつかないような後悔をして最後の最後、

残された時間が数えられるぐらいになった時に人生を振り返った時に


「昔あの時は楽しかったなぁー」よりは


何十年ものの後悔をする事なく、

「あーよかった。楽しかった。明日は何をして楽しもう」


と思える人生を歩みたいなと感じました。



私は消防士時代によくこう例えていました。


安定した離島で平凡すぎる暮らしてるところに、

船でやってきた目が輝いてる楽しそうな船乗りがやってきて、

海の向こうにあるすごい場所の写真を見せてくれました。


その場所は、いつもテレビで見るあの光り輝く自由で豊かで面白そうな世界だった。


その船乗りから話を聞き

場所が実在することを確信したので、島を出るために船を漕ぎ出そうとしてます。


島は確かに案定していたかもしれないが、それを自由で豊かな世界があることを知ってしまったので....


島の住民は

「そんなの行けない。だって、海は危険だよ?」

と言ったが、


船乗りは

「みんな方法を知らないだけ。怖いと思うけどやってみればいい。絶対はないだって、来た人は何人もいるよ。だから行く価値はあると思う」


と聞いたので公務員を辞めて、

面白い場所へ向かうことにしましたーーー

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