次の春の桜が見たい

トコロテン

プシュッ


彼から貰ったサイダーが泡を吹いた。

「びっくりしただろ、それは俺がふりまくったからな!」


「そうなんだ。」


私が無関心にそう応えると彼は私の髪を拭いてきた。


「、、、辞めて」


「動くなよ、拭いてやってんだから」


「そもそもやったのあなたでしょ?」


「ゴメンなさい。」


彼は笑いながら言っているいつもそうしている。


「ほいっ振ってないサイダーいります?」


「なぜ敬語なの?」


「何となく!あとこれ今日の課題。それとテストの結果。全教科学年一位!凄いねぇ」


「別に、勉強以外やることないから。」

ーーーーーーーーーーー


「今日体育大会だった。挨拶の時に教頭のズラ取れてさ、全員笑いを堪えてたんだよ。」


「そうなんだ。」


「お前休んでるから肌真っ白じゃん。ヒッキーかよ。」


彼は笑っている


「その手に持ってるのは何?」


「あれだよアレ、賞状。お前俺と同じ組だろ?優勝したから持ってきたんだよ。」


「オイオイ、睨まないでくれよチャンと許可もらってるんだからさ。」

ーーーーーーーーーーー

「七夕でも俺は来たぜ!」


「んだよコレ、次の春の桜が見たいとか、季節考えてくれよ。今何月だと思ってんだよ?七月だぜ?」


「そうだね。」


「オイオイもうちょい反応してくれよ。さすがの俺でも寂しいぞ。」


「話変わるが、俺たち北海道行くだろ?これ、クラスで作ったやつ届けに来てやったぜ」


「そうなんだ。でもいらない」


「そんなこと言うなって、お前も行くんだから。」

ーーーーーーーーーーー

「楽しかったろ?来ていいと思えただろ?これ写真、やるよ。」


「なに?」


「北海道での写真先生が買ってくれたんだよ全員分あるからな。だからこれ、お前の分。」


「、、、ありがと」


「おっ、ついにデレてくれた?」


「うるさい」


「ひでぇ、」

ーーーーーーーーーーー

「夏休みにお前のとこ来れないかもしれない、なつの講習あってさ。」


「そう。」


「やっぱ無関心過ぎない?寂しくないの?」


「別に、寂しがる理由がない」


「ひでぇ、それとはいこれ、中間テスト、やっぱお前すげぇな学年一位とか、」


「別に、あなたは人のことばっか言ってていいの?」


「辞めてくれよ、それは言わないお約束だろ?」

ーーーーーーーーーーー

「今日も来てやったぜ!」


「講習はどうしたの?」


「サボった、俺にはあんなの向いてねぇよ」


「大丈夫なの?」


「逆に聞かせてもらうが大丈夫だと思うのか?」


「いや、」


「信用されてねぇ、」

ーーーーーーーーーーー

「花火大会行こうぜ!」


「そう、一人で行けば?」


「いつもどうりかよ。ひとりじゃ寂しいの行くぞ」

........

「着物かよ、似合ってんじゃん」


「そう、」


「人混みやべぇ離れんようにしろよ」


「昔も一緒に来た。」


「えっ!?、、、よく覚えてるな流石学年一さまー」


「茶化さないで。」


「すまんすまん、来年もまた行こうな」


「、、、うん」

........

「射的あんじゃん、なんかとって欲しいのある?」


「、、、あのぬいぐるみ」


「射的初心者の俺に任せたまえ。って可愛いぬいぐるみだな、結構ファンシーなんだ、お前」


「ちがっ、ちがう!」


「俺はいいと思うぞ。」


「、、、うん。」

........

「取れない。え?射的ってこんなにムズいの?」


「あっ、取れた」


「マジで?ブフォなんだよそれ豚鼻って百均に売ってそうなやつ」


「まだやる、、、次」


「付けたままかよ。っと俺も取れた、、、え?なにこれコンド、、げふん。なにこれ?」


「へんたい」


「あっちょっと待てあと残り少ないから。そう言っても離れていくねぇ」


ありえない。へんたいとしか言えない。

........

「ぬいぐるみ取れたぞ」


「そう」


「あー、アレはちゃんと返したから変なことしないから。」

........

「花火だぞ花火。綺麗だな」


「そうだね。」


「花火職人にでもなろうかな俺」


「、、、」


「俺の冗談を聞いてくれなくて悲しす。」


「そう。」


「全俺が泣いた。」

ーーーーーーーーーーー

「新学期初めのテストやべぇ、てかお前また学年一位かよ。すげぇなぁ、」


「そうだね。」


「それと今日はこれもだ。」


「なにこれ?」


「進路希望調査、俺はもう出してあるぜ、お前の分の回収が俺の役割。」


「そう。でもわた「それ以上は言うな」しは」


「すまん、、、つい言ってしまった。」

ーーーーーーーーーーー

「新しいスマホ買ったぜ!」


「そう。」


「十万近くとかノートPCかよって話だよな。」


「そう。」


「今俺使ってんのヤバいのすぐ充電切れるしなんかすぐ落ちるの。」


「そう。」


「これだよこれ。十万近くしたやつ」


「2台使ってるの?」


「いや、これお前の。」


「なんで?」


「携帯一台も持ってないとかJK失格だろお前。」


「、、、」


「勘違いすんなよ。これお前の親と俺で出したから。お前誕生日だろ?要は俺たちからのプレゼントってわけだ。」


「そう。」


「LI○E交換するぞ。どうせ俺以外するヤツらいないだろ。」


「そうだね。」


「ほぼほぼボッチやん。」


「うるさい。」


「スンマセン」

ーーーーーーーーーーー

「冬休みになっちまった。」


「そう。」


「クリスマスだぞ」


「そう」


「さっき駅前に行ったらサンタさんがケーキ売ってた。」


「そう。」


「俺フライドチキン買うんだけどさお前は何食うの?」


「七面鳥、、、」


「すげぇな。」

ーーーーーーーーーーー

『もしもーし、』


『もしもし。なに?こんな時間に』


『何って、クリスマスじゃん』


『そう。』


『ところでさ窓の外見てみ?』


『いいけど、、、え?』


サンタの格好をした彼がいた。


私は表に急いででた。


「立ってるだけで辛い。」


「なんでいるの?」


「えっ?そりゃあ言いに来たんだよ」


「何を?」


「えっ!?わかんない?はぁ、」


【メリークリスマス。可愛いお嬢さん】

........

『よしっとりあえずそっち行くは』


『なんで?』


『どうした?そんなに来て欲しくないの?』


『ちがう!』


『じゃ、どうしたんだよ俺はエスパーじゃないからわからんよ』


『どうしてここまでしてくれるの?』

泣いてしまった。涙が出てしまう、止まらない止まってくれない。


『、、、ちょっと待ってく、とりあえずそっち行くから。』


『分かった』


「よいしょっ」


「いやぁ、お前ん家の柵ひっくいは、マジで。」


「理由を教えて。」


「、、、理由は、言えない」


「え?」


「まぁ!とりあえずこれ、やるよ」


「なに、これ?」


「クリスマスプレゼント」


「開けていい?」


「もちろん」


「、、、ネックレス?」


「いぇぁー、ちょっと頑張ってみた。」


「、、、肌身離さず持ち歩く。ありがと、」


「肌身離さずは、別にいいよだけど大切にしてくれたら俺は嬉しいよ。」


「うん。」

ーーーーーーーーーーー

「いやー、ハッピークリスマスだと思ってたらもうお正月だよ、」


「うん。」


「人の家のこたつでみかん食べながらゴロゴロするとかやべぇ。」


「そうだね。」


「何見る?紅白にする?」


「うん。」


「おじさんとおばさんはいいのか?」


「もう寝てるから大丈夫。」


「そうか。、、、なんかこうならんでるとカップルみたいだな。」


「そうだね。」


「まぁ俺は嫌じゃないけどね」


「そう。」


「あー、なんか眠くなってきた、やべぇ」


「そう。」


「なんか居心地がいいんだよね」


「そう。」


「、、、」


「寝た?」


「、、、スヤァ」


「ん、」

ーーーーーーーーーーー

「あー、なんか腕おもてぇ」


「、、、」


「オイオイ、人の腕使って寝てるのはだれ、、、」

口から血が垂れている


「、、、はっ?」

ーーーーーーーーーーー

「んー、?おはよう」


「、、、大丈夫か!?、、、すまん取り乱した、俺が隣で寝ていたのに気ずかなかった済まない。」


「いいよ、別に。」

彼は泣いていた。


「あなたは知ってると思うけど、わたしはもうあとが「うるさい」もう」


「、、、すまない。頭冷やしてくる」

ーーーーーーーーーーー

「チョコやるよ」


「、、、なんで?」


「バレンタインだからだよ」


「そう。」


「あれからずっと冷たいままで悲しす。」


「、、、」


「まあ、気が向いたら食ってくれ一様俺の力作だからさ。」


「、、、うん。」

ーーーーーーーーーーー

最近彼女を見ていない。


テスト終わってからずっとだった。


、、、気になる先生に聞いてみよう。

........

「△△を最近見ないんですけどどうしたか先生知ってますか?」


「△△か?、、、いや、お前はあいつが病気だと知ってるな、」


「はい、そうですけど。」


「言っていいのかわからんが、彼女、テスト中に倒れたんだ。って突然どこに行く!」


「すいません!今日早退します!」

ーーーーーーーーーーー

「△△!」


「、、、○○君か、」


「おじさん!△△は、」


「今日明日が関の山らしい。」


「分かりました。何かあったら連絡をください。」

ーーーーーーーーーーー

なんでだよ。

突然どうしたんだよ

昨日まで元気にしていたじゃないか。

お前が志望したところでさA判定だったじゃないか。

やりたいことがあるんだよな?

「△△、頼むから起きてくれよ。」

体が、少し動いた。

「、、、○○?」


「!?起きたのか、今先生を「待って」よん」


「待って。」


「なんでだよ。」


「私はもう長くないから」


「そうな事ない。」


「自分が一番わかってる。」


「やめてくれ」


「最後に○○に言いたいことがあるの」


「やめてくれ」


「おねがい、きいて」


「最後とか言わないでくれ」


「私はあなたのことが大好きです」


「、、、え?」


「いつも私のことを助けてくれる。お母さんから聞いたの、あなたが私のために医者をめざしているのだと。」


「、、、」


「あなたが旅行した時にもらった写真、アレはあなたが買ってくれたんでしょ?」


「、、、」


「私はあなたのおかげで救われた。」


「、、、ぁ」


「思いも告げられた」


「、、、」


「私はあなたに感謝している。」


「、、、」


「次の春の桜が見れるかもと思わせてくれた」


「、、、」


「だから、これが最後だとしても」


「最後なんか言わないでくれ。」


「、、、」


「俺もあんたに何度も救われた。」


「、、、?」


「俺は一人でいつもいた、その時に声をかけてくれたのがキミだった。」


「俺は、キミの無口なところ、無愛想で笑わなくて何考えているかわからないところ」


「でも、言葉にしないけど気遣ってくれるところ、寝は優しくてだんだん心を開いてくれるところ。」


「そんな所に救われて、そして」


「大好きになったんだ。」


「だから、ーー


Pー、Pー、Pー、Pー、


「!?ナースコール!」


「おい!おい!死なないでくれ頼むから!」


「最後まで俺の話聞かないで逝かないでく

れ!」


「桜が見たいんだよな!今逝ったら見れない

Pーーーーーー


「 」

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