第7話 二年の成果
初歩的な魔法の使い方を教わってから早くも二年がたってしまった
使い方を教わったその日から毎日魔法の練習をしてきた。取り合えずその成果をまとめよう
まず第一に俺の魔力量が大きく延びたこと
この世界の魔力は使えば使うほど増えていく形式でほぼ毎日空にしていた俺はこの二年で大分延びた
でもここまで延ばすのはとっても辛かった
まず二年前のあの日、取り合えずスクロールを使ってみようとしたんだが魔力が足りなくて使えなかった。しかしクレンはそれも想定していたようでライの餌用以外で使える魔力の使い方を教えてくれた
どういったものかというと、指先に魔力を集めてそれを放出することで空間に魔力を残す、というよくわからないものだった
最初は何故そんなことをするのか不思議だったがクレンが見せてくれた、空間に魔方陣を書き魔法を使うのを見て大体理解した
ただ魔力を放出するのではなく、それを線のようにして残し、それで魔方陣を書くこと魔法を使えるのだ
もう少し工夫すれば魔力の線に色や光をつけてわかりやすくすることも出来た
ちなみにこれは、指書き、というらしい。まあそのままだな
クレンいわく、慣れれば見えなくてもかけるらしいがマニュラが首を横に振っていたので普通は出来ないんだろう
だってただでさえ普通の文字じゃなくてそれを事細かにびっしりと書いてやっと発動するものを慣れの一言で済ますのは無理があるだろ
でも俺には召喚魔法の才能があるから努力すればいつかは出来るかもしれないな
というわけでそれをやりはじめてたしか二、三週間がたったころにやっとスクロールを発動させる魔力量に増えた
そしてついに使ってみた。攻撃魔法は庭にあった木の的へ。防御、支援、回復はライに手伝ってもらって
そして俺が決めた魔法は、まぁ模範的というか何というか、支援魔法に決めた
どうやら支援魔法は召喚魔法と相性が良いらしく、他のより少し扱いやすかったしクレンからも支援魔法にしたほうが良いと言われた
強化、弱化、幻術と細かいことを言えば切りがないくらい細かいらしいがそれは他の魔法も一緒らしい
それからライに餌をあげ支援魔法を使い時々マニュラに怒られたりしながら一年がたち四歳になった
そういえばここには四季がない。ちょっと暑くなったり寒くなったりするが四季と言えるほどの変化じゃないし
まぁそれはいいや
四歳になったことでクレンが外に出ても大丈夫とマニュラを説得して出れるようになった
といっても遊ぶために外に出るのではなく体力をつけるためだ
今まで家と庭しか行き来してなかった俺は大分体力が少ない。それに召喚士は召喚獣がやられたりしたら自分の足で逃げなきゃいけないのでそのための体力が必要なのだとクレンが言ってた
マニュラが外につれていくと走らせてもくれないので大体はクレンが休みの時に外で二、三キロ歩いたりしている
街並みは中世って感じだけど本当の中世を見たことがないからわからんけど、レンガっぽい物で作られてる建物が多くて、道はちゃんと舗装されてる。馬車とか走ってたけど馬だけじゃなくて大きな兎とかも走ってた。クレンいわく早さだけを求めるならこの兎がいいらしい
そんな感じで買い物に連れていってもらったりしながら日課をやりもう一年を過ごした
一回だけ同年代の子達と会わせてもらったけど俺のコミュ障が発症したのでもう二度といかない。マニュラの懐妊が発覚したのでその子と遊んでいればいいだろう
平和な毎日、ずっと続くと思っていたがそれはある日流れてきたサイレンの音で崩れた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます