第5話 魔力トレーニング1
目が覚めると隣にひんやりとした柔らかい感触が顔の横にある
この何時間でもさわってられそうな物体が俺の初の召喚魔法で召喚した魔物、召喚獣と言うらしいが、それが俺の顔のすぐ横に寝ている
初召喚を体験した次の日から父親にあれやこれやを聞いてみたけど、もう少し大人になったらな、と大体がはぐらかされてしまい今は簡単なことしか出来ない
魔力の動かし方を少し教わったり、それでライのご飯となる魔力をあげたり、今度初歩的な魔法を教えてもらう予定だ
ライを触りながら指先に魔力を集める。ライの朝御飯ようだ
魔力に気付いたライが体に穴、多分口なんだろうものを開けて指をパクっと食べる
けど本当に食べられてる訳じゃなくてただ指を口に入れただけで本当に食べてるのは魔力だけだ。最初はびっくりしたけどね
ちゅーちゅーと吸われて魔力が半分ほど減ると指から口を放した
昨日までは六割くらい持っていかれたんだけど今日は半分だった。つまり俺の魔力が段々と上がっていってるということだ
女神に才能を貰っただけあって魔力の上がり方とかは早いみたいだ
ライはお腹いっぱいになると体をすりすりと腕とかに近付けてくる。これがスライムなりの感謝とか嬉しい気持ちのアピールらしい
なんつーか、控えめにいって超可愛くない?
いや最初はさ、さっさとスライムじゃない召喚獣を呼んでやろうと思ってたんだけどさ、こいつ可愛すぎるだろ。数日前の俺を殴ってやりたい
「ホープ、そろそろ起きたか?」
父親、いい加減に名前で言おうか。クレン・アストレータ、前が名前で後ろが家名だ
何かお父さんとかパパとか言いにくいから心の中ではクレンと呼び捨てで呼んでる。実際に呼ぶと母親、マニュラ・アストレータが激おこする。マニュラはクレンをちゃんと敬うようにしないと結構怒る。親しき仲にもれいぎありってやつだ
そうなったのはクレンが謙虚だからだろうけど
「うん、起きてるよ。今日は魔法を教えてくれるんだよね?」
「あぁ、だけど魔力が回復してからな。俺が小さいときは勉強なんて大嫌いだったんだけどなぁ。マニュラに似たのかな?」
朝御飯を食べてライと遊んでいる間に魔力は回復した。ちょうどクレンの準備も終わったみたいだ
「さて、やる気もあるみたいだし今日から簡単な魔法を教えていくけど、魔法と言っても色々種類があってこの前の召喚魔法もその内の一つなんだ。攻撃、防御、支援、回復、召喚、精霊と六つの種類の魔法がある。召喚魔法は家に産まれた以上よっぽど才能がない以外必ずやるからもし他に学びたい魔法があったら出来たら一個に絞った方がいい。色々手を出すと便利だけど個々が弱くなっちゃうからね。
一気に話したけどわかるかな?」
本当の三才児にこれを話してもわからないだろうけど俺は転生してるから勿論わかる
しかし六種類の魔法か。しかも召喚魔法は確実だから五種類の中から一つ選ぶのか
攻撃と防御は堅実だろう。支援と回復も召喚魔法を使うなら充分役立つだろうし。精霊魔法っては大体予想はつくけど説明してもらわないとわかんないな
「ちなみに、召喚士は大体防御、支援、回復を選ぶ人が多いぞ。攻撃は召喚獣に任せれば良いしな。
後精霊魔法はおすすめしないよ。召喚魔法と同じくらい覚えることが多いのに精霊の気分次第で効果が変わってくるからな」
まぁ大体わかってたけど精霊魔法ってやっぱり精霊を使って何かをする魔法だよな。しかも相性最悪と
そんで防御、支援、回復のどれかがおすすめと。攻撃は召喚士としてはやっぱり召喚獣に任せたいし攻撃魔法は無しだな
となるとやっぱり三種類のどれか
「初歩的なものなら全部覚えてても損はないし、試してみてから決めてもいいんじゃないか?」
うんうん唸っているとクレンから素晴らしいアイデアが
全部やってみて良いのを決める、確かにそれがいいな
「よし、じゃあこっちにおいで。まずはこれを見せてあげよう」
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