第2話 成長


 

 はっ、と気が付くとベビーベットに乗せられて、両親と思われる人に囲まれて見られていた

 父親はフードつき白コートを着た金髪金眼でボブヘッドのちょいイケメン。母親は栗毛碧眼で長髪の美人

 勝ったな(確信)




 お腹の中から始まるのもあったからどうなるかわからなかったけど産まれて少ししたら自我が目覚めるタイプだったみたいだ

 それに文字も言葉も別のだけどわかる仕様

 いい忘れてたからちょっとひやひやしてたけど大丈夫だったみたい


 取り合えず異世界では定番のあれをやってみた


 「あぃあうあうぁ」

 ステータスオープン、と言ったつもりだけど赤ちゃんの舌じゃ言えるはずもなくただ両親を喜ばせる結果になった


 発音の問題なのかそもそもないのか

 そういえばステータスがある世界って言ってなかったな。もしないならないでも別に支障はないけどちょっとがっかりかな


 ならばと次に考えたのは魔法の練習

 魔力を感じとりそれを動かしたりなんやりすることで将来魔力がとても多くなっておれすげーってできるやつだ


 だが問題がひとつ、というかそれしかないが。



 魔力ってどうやって感じるの?

 自分の体を回ってるとか大気中にあるとか精霊に力を借りるとか色々あるけどそれってどうやって感じるの?


 一日うんうん唸っていたけど結局わからなかった

 取り合えず魔力は見えるものではない。これはわかった。見えてたらちょっとファンタジー感台無しだったけどね


 でも母親に抱かれて家を移動しているときに光が消えていたランプに指をあて何かを呟いたら光始めたから人間のからだの中にはあるんだろう。感じ取れはしないけど


 そして、排泄物を漏らし母乳を吸い揺らされるだけで眠る生活を三年間続けたある日、父親からこう言われた




 「お前もそろそろ召喚魔法の練習をする時期だな」





 

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