現実.10
手軽に使える強い武器がある。
ピアノ線。
足止めには最高だ。
首の位置に合わせてピアノ線を張る。足首辺りの高さでもいい。
ゾンビはかまわず進む。首が切れてもおかまいなく歩く。首や足が切れたゾンビその場に倒れ、後から来るゾンビに喰われてく。
喰う為にしゃがみ込むゾンビはピアノ線にかからない。
だから足止めにしかならない。
固定が弱いとピアノ線が軸から外れるし、骨まで切れない。手間がかかる割りに無意味になる事が多い。あまりあてにはしていないが一番使える武器だと思う。
爆破系は難しい。
血や肉の破片が飛び散るからだ。
これも経験済み。
志織の口や目に入ったらと思うとゾッとする。
目の前でショットガンをぶちまかせば間違いなく返り血で感染する。
ゲームは論外だが、今まで観た映画もほとんど参考にならなかった。
バール、釘抜き棒。効果的ではない。骨に刺さると取れにくい。引き抜くのにも力がいる。
バールで数体のゾンビの頭を打ち砕いただけでかなり疲労するはずだ。
頭蓋骨やあばら骨は思ってた以上に硬い。
それにゾンビは痛みを感じないので、すぐには倒れない。
映画定番の、押し倒され噛まれる寸前に拳銃でゾンビの頭を撃って危機一髪回避。
現実は、目や口にゾンビの血が入り、掴まれた箇所は拳銃で頭を撃ったのにもかかわらず弱まらない。
噛まれたら終わりだが、掴まれても終わり。それが現実。
ゾンビ一体だけなら、長い棒の先にナイフが有効。まず足を攻撃し倒してから両腕を切り落としす。そして頭を切り離す。
言葉だけなら簡単だが、実際やるとそれだけで普通の人間なら身体は疲労し、酸欠で頭痛や吐き気、目眩が起きる。動いてる頭を切り離すのはかなり難しい。
それから他のゾンビに摂取されないように地面に穴を掘り埋める。もしくは燃やす。
人一人分の穴を掘るのも簡単そうに見えて実際はかなり疲れる。
人肉は燃えそうでなかなか燃えないし、都合よく近くにガソリンや灯油はない。
血や体液が身体に付着しないように神経も使う。
ショベルカーが最強武器。ゾンビを押し潰す。地面を掘り起こし、触れる事なく埋める事も出来る。たくさん居ても轢き殺せるし、血や肉で滑る事もない。
今はガソリンが無いのでただの鉄の棺桶と化している。
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