パシフィック・ナーキッド領域管理官


「長谷川の奥様、いらしたのですか?隣の声……恥ずかしいところを見せてしまいました」

「いえ、お構いなく、主人の七回忌に無理して来ていただいたのですから、イシス様も欲望が溜まっておられたのでしょう」


 倫子の一言に、気まずい沈黙が部屋に漂います。

「では……」とミコが云いかけますと、

「ミコ様、せっかくですから、私の踊りでも披露させていただきましょう」

 と、倫子が口を開きます。


 倫子は一人で謡いながら、幾つも踊りました。

 そして踊りは少しずつ裾などが乱れ、胸元が広がります。


 そして……


「浅い川ならひざまでまくる、深い川ならおいどまでまくる」 


 倫子は着物の裾を腰ギリギリまでまくり上げて、ミコの手を取り誘うという荒技に出たのです。 


 ミコは何も言いません。

 倫子も黙って肌襦袢と腰巻になり再び……

「浅い川ならひざまでまくる、深い川ならおいどまでまくる」 


 今度は下半身をからげてミコの前に……

 倫子の下半身はサンダルウッド、つまり白檀の香りが……


 そして離れると、今度は肌襦袢を脱ぎ捨て、腰巻と白足袋だけの姿になり『シャチホコ』をしたのです。

 勿論、丸見えです。


 ミコが口を開きました。

「分かりました、覚悟の上ですね」

 

 そういうなり……


 逆立ちして腰巻と白足袋姿の倫子は……

 イシスに負けず劣らずの絶叫を響かせました。


 さすがのミコも疲れたようで、倫子とともに朝まで寝たようです。


 朝食時にはすっきりしたミコと多少疲れた倫子、そして他のギラギラした目つきの大勢の寵妃たち。

 この後小笠原のリゾート、硫黄島のホテルのオーナー専用の部屋は、大勢の寵妃とともにミコが訪れ、それはものすごいことになったのですが、従業員にはかん口令が引かれました。


 長谷川倫子は目出度く側女の位を授かりました。

 そして同時に、辞令も忍の手から渡されました、そこには。


 側女 長谷川倫子、パシフィック・ナーキッド領域管理官に任ずる。


 と、簡潔に書かれています。


 上杉忍が、

「さて長谷川管理官、女神ヒナとして、パシフィックを任されました、ミコ様から厳重に手助けするように命じられました」

「セレスティア北米ナーキッド領域管理官も、同様に厳命を受けたようです」


 セレスティアが、

「では三人で、パシフィック統治の計画を進めましょう」

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